吃音のある7歳男子につけさせてあげたい自信 自己効力感って?

吃音をよくするために自己効力感が必要なワケ
吃音のある子は、これまでの経験からどもるのではないか?うまく話せないのではないか?と先のことを不安に感じる予期不安を感じやすいのです。

それはどもるかどもらないかに対してだけではなく、行事や学校での発表など日常生活のあらゆるところで起こり得るのです。
そのため、自分には困難な状況でもきっとうまくいくと思える自己効力感を育むことで、予期不安を感じてもその不安に打ち勝ち、乗り越えていくことができるようになるのです。
チャンスは突然にやってきた
春休みの12時すぎ、昼食の準備がまだだったため、材料が揃っているホットケーキを作ってくれるようにお願いしました。
すると 「ホットケーキは食べたくない。肉がいいから肉どんを自分で作る」と言い始めました。
どんぶりにするにはご飯がなく、慌ててご飯は私が炊きました。
塩でお肉を炒めてくれ、千切りにしてあったキャベツを乗せた肉丼を作ってくれました。
「作ってくれた肉丼美味しい。嬉しいな。」と作ってくれたことへの肯定の声かけをしました。
すると、「夕飯も作ってあげる」と夕飯を作ってくれることになったのです。

一人で買い物から料理までする!と7歳の息子が挑戦する気になったのは、日頃、一緒にキッチンに立ち、お料理のお手伝いをしている時に一切否定しないことを徹底したからでした。
子どもと料理する時は、汚されたり、無駄に材料を使われたり、危なっかしい手つきにハラハラ、ドキドキ、イライラするものです。
つい、注意や指示出しが増えてしまいますが、これらの声かけは、「あなたが今していることはダメなことだよ。こっちにしなさい」と「否定」していることと同じになります。
子どもたちは、もともと「僕ならできる!」という自己効力感を持って挑戦するのですが、親心から生まれる声かけの数々に、「どうぜやっても怒られる」と自信ややる気を失ってしまい、挑戦しなくなります。 そこで、、、、、
吃音のある小学生男子の自己効力感をあげた方法
子どもの中には、作ってあげようと思っている料理が頭の中にある様子だったので、私は子どものやりたいことを笑顔で見守ることに専念しました。
「片付けサポートはいりますか?」と聞いて、流し台に置かれていく包丁やまな板をすぐ使えるように洗うなど、ニコニコしながらサポートしました。
野菜を切っている時には、「猫の手でしっかり支えられているね。」塩をふる時には「ちょうど良い量だね、美味しくなるね。」など、さりげなく何が良いのか「具体的に褒める」声かけをし、褒めました。
近くで見ていると、手を切りそうな場面を目の当たりにして、思わず「あっ」と言いそうになることが何度かありました。
でもその言葉はグッと飲み込んで、大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせて見守りました。
危なっかしく見えても、けがをすることなく料理を完成できたのは、「できているよ」を伝え続けた肯定の声かけがしっかり届き、できていないことや失敗を怒られることのない安心できる環境の中で息子は自分のペースで、自分のやりやすい段取りで料理に取り組むことができたからです。
できていることを伝えたり、褒めたりする声かけ以上に我が子が喜んでくれた声かけそれは、私の嬉しい気持ちを伝える声かけでした。
「あれ?今日は母の日だっけ?嬉しいなあ。」と私の感情をそのまま伝えます。

ママが喜んでくれた。役に立てて嬉しいという気持ちが何より我が子のやる気と自己肯定感を育んでくれるのです。
「嬉しい!!」と喜んでもらえると、私たちも嬉しくなりますよね?! 料理をしたことでママが喜んでくれたというこの成功体験が、自分ならできるという自己効力感をグッと育ててくれました。
「次はじーばーにご飯作ってあげる。びっくりするかな?」と自然に次の挑戦に繋がりました。 次もきっとできるから大丈夫!だと思える自己効力感がやりたい気持ちを加速させてくれます。
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


