吃音のある小学生の不安と繊細さが「夢に向かう力」に変わった秘策

繊細
吃音や繊細さがあると”無理させない方が良い”と守りたくなることはありませんか?”不安な気持ち”や“はじめて”に向き合いながら、家族で夢を叶えるために前に進んだ我が家の関わりを紹介します。
 

吃音と繊細さのある子が「夢」を話してくれた時の受け取り方

 吃音と繊細さのあるお子さんから、今すぐには実現が難しそうな希望や夢を聞いたとき、「それは無理だね」と、現実的な選択をさせてしまうことはありませんか? 
 
 
気持ちを話してくれたことは嬉しい
 
 
でも、費用がかかること現実的な制約を考えると、叶えてあげられないかもしれない期待させてしまうかもしれない、 そんな思いが先に立ち、「またいつかね」と答えを濁してしまう。 
 
 
 
 

しかし、私たちが先回りして可能性を閉じてしまうと、子どもは「夢を言うこと」をやめてしまうことがあります。

 

 

吃音のある子にとって、夢を口にすること自体が挑戦である場合も少なくありません。

 

 

否定されるかもしれない。笑われるかもしれない。どもるかもしれない。

 

 

いろんな不安を感じる可能性のある中で、それでも言えた。

 

 

「叶うかどうか」ではなく「言えた勇気」を大切にすると、

 

 

子どもは、夢を言う回数が増え、自分で方法を調べ、「どうしたらできる?」と考えるようになります。

 
 

吃音と繊細さのある小学生が「夢を追う経験」から得られる自信と変化

小学生の時期は、 「どうせ無理」「できない側」という自己イメージが 固まりやすい時期でもあります。

 

 

 だからこそ今、 夢を叶える・叶えないの前に、 「夢を語っていい」「考えていい」という経験を渡すことが、 これから先の挑戦の土台になります。

 

 

 吃音や繊細さのある小学生の中には、「自分はできないかもしれない」「失敗する側かもしれない」そんな自己イメージを持ってしまう場合があります。

 

 

 

 

すると、やる前から諦めたり、挑戦を避けるようになったり、人と関わる場面から一歩引くといった選択が増えてしまうこともあります。

 

 

吃音や繊細さのあるなしではなく、自分は大切な存在で、自分ならきっと大丈夫だと思える自信を育てていくことがとても大切になっていきます。

 

 

そのためも、「買ってあげるか、あげないか」という判断ではなく、夢や希望を持って、そこに向けて一緒にできることを考えて、チャレンジしてみることそのものが、吃音があっても、繊細さがあっても、 やってみたい!やってみようという感覚を育てていく土台になります。

 
 

子どもの夢が家族みんなのワクワクする夢になった方法

我が家には吃音と繊細さを持つ小学生の息子がいます。

 

 

息子はワクワクすることが大好きで、今はまだできないような大人になってから叶えられるような夢も、やってみたいと興味を持つタイプです。

 

 

バイクに乗ってみたい!車も運転したい!と今すぐには叶えられないようなことも、「今乗りたいな〜」と独り言のように私に伝えてくれることもあります。

 

 

そんなある日、クラスのお友達がキャンピングカーで日本を旅していると聞いたことをきっかけに、我が家の吃音と繊細さのある子どもは「キャンピングカーが欲しい」と話し始めました。

 

 

 
ここで、「キャンピングカーなんて買えないよ」と現実を突きつけることもできました。
 
 
けれど私は、夢を止めるのではなく、子どもが思い描いている世界に一緒に入ることを選びました。

 

 

どんなキャンピングカーなのか、いくらくらいするのかを一緒に調べてみると、 子どもが注目していたのは、値段そのものではありませんでした。

 

 

家族みんなが寝られるか。ママも運転できそうな大きさか。テーブルはどんな形か。 キャンピングカーで過ごす時間を、とても具体的に、楽しそうに想像していたのです。

 

 

 

 

クラスのお友達から聞いた楽しそうな体験に、「自分もやってみたい」 「家族と一緒に、その時間を過ごしたい」そんな思いが重なっているように感じました。

 

 

現実を見て「キャンピングカーなんて買えないよ」と伝えることもできました。

 

 

正直に言うと、 「期待させてしまわないかな」「できなかったら傷つかないかな」 そんな迷いもありました。

 

 

それでも、夢を閉じるより、 一緒に考える経験を残したいと思いました。

 

 

我が家が最初にやったのは、 「叶えるかどうか」を決めることではなく、 「何が楽しそう?」を家族で出し合う時間をつくることでした。

 

 

どんなキャンピングカーがあるのかな。 いくらくらいするのかな。 そう問いかけながら、子どもの中にある想像やワクワクを、言葉にしていく。 夢を叶えるかどうかを決める前に、「夢を語れる状態」を大切にする関わりです。

 

 

調べて分かったキャンピングカーの価格は、約400万円でした。

 

 

軽自動車を改造して、家族4人が座れて眠れる、我が家にぴったりのサイズ。

 

 

「欲しい」という気持ちが本物だったからこそ、現実の大きさにあったものを探していました。

 

 

そこで私たちはなんとか夢を叶えてあげたいと思い「大人がどうにかする話」にするのではなく、家族みんなで方法を考える時間を持つことにしました。

 

 

子どもたちは、今あるお金でどうにかならないか自分たちにもできることはないかと考え始めました。

 

 

調べて、現実を知り、「それはできない」「条件がある」と分かる経験も重ねていきました。

 

 

その中で浮かび上がったのが、「マルシェで何かを売る」という選択肢でした。

 

 

ただし、ここでも一筋縄ではいきませんでした。

 

 

兄は「やってみたい」という気持ちが強く、吃音のある息子は、以前の販売経験から「売ってもあまり稼げないのではないか」「やるのは不安」という思いを抱えていました。

 

 

同じ目標を前にしていても、兄弟の感じ方やペースは違います。

 

 

そこで私たちは、「全員が同じ役割を担う」ことを前提にするのではなく、 関わり方に幅を持たせることを選びました。

 

 

販売する人、教える人、見守る人、関わり方は一つでなくていい。

 

 

チームとして参加できればいい。

 

 

そう考えたことで、子どもマルシェへの出店を決めることができました。

 

 

準備を進める中で、材料を選び、どう並べたら見やすいかを考え、 どんな人が来るのかを想像する時間が増えていきました。

 

 

その過程で、完成を思い描く想像力方法を探す探究力相手の立場を考える視点が育っていきました。  

 
 

吃音や繊細さが「あきらめる理由」にならない3つの関わり

吃音や繊細さのある子が挑戦するとき、「不安をなくすこと」よりも大切なのは、 目指す未来のイメージを一緒に持ち、安心して動ける環境を整えてあげることです。

 

 

我が家で大切にしてきた関わりは、次の3つでした。

 

 

目的に立ち戻る

「何のためにやるのか」「どこに向かっているのか」 を、何度も一緒に確認しました。

 

 

売上の金額だけが目的ではなく、 自分たちで考えること人に喜んでもらう経験家族で同じ目標に向かう時間。

 

 

そのすべてが、今回のチャレンジそのものです。

 

 

不安になったり気持ちが揺れたときに、いつでも立ち戻れる場所として、目的を持ち続けました。

 

 

サポートを惜しまない

すべてを子ども任せにはしませんでした。

 

 

繊細さのある子にとって、 丸投げは不安を強め過干渉は動く力を奪ってしまいます。

 

 

安心できる外枠は大人が整え、チャレンジする経験そのものは子どもに委ねる。

 

 

 

 

このバランスをとても大切にしました。

 

 

お互いがお互いのサポーター

うまくいかないときや、困った場面に出会っても一人で背負わせないことも大切なポイントです。

 

 

販売する人、教える人、見守る人など役割は1人1つではなく、得意なことを活かせるように関わり方に幅を持たせることで、「自分もチームの一員なんだ」という感覚が育ちます。

 

 

この前提が、安心して参加できる土台になりました。

 

 

吃音も繊細さも、直そうとして真正面から向き合うよりも、「やりたい」「楽しそう」「ワクワクする」そんな未来をイメージしながらそこに向かって動き始めたとき、不安や吃音に囚われていたときには見えなかった小さな成長に気がづけるようになります。

 

 

キャンピングカー購入チームとして、我が家はまだ道の途中です。

 

 

それでも、「高額だから無理」諦めるのではなく、一人では難しそうな夢でも、 家族や仲間となら叶えられるかもしれない、そんな希望を手渡すことができました。

 

 

この経験は、吃音や繊細さがあっても、うまくいかない場面に出会っても、 これから何度も支えになってくれる土台になっています。

 

 

実際、不安から消極的だった息子も、 楽しい未来を思い描き「お友達に宣伝してきたよ」と声をかける姿が見られました。

 

 

不安が強かったときに出やすかった吃音も、少しずつ落ち着いていきました

 

 

もしお子さんが、 「ちょっと難しそうなこと」を話してくれたら、 まずは「どうしてそれをやってみたいと思ったの?」と聞いてみてください。

 

 

そこから、夢を育てる時間が始まります。  

 
 
執筆者:こじま さとこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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