1.高学年・思春期キッズの困りごと解消には“予防”が一番!
今回は、高学年になり、反抗期が近づいてきたお子さんの困りごとへの対応で一番大事なことをお話しします。
子どもたちは、高学年・思春期になると、自己肯定感や劣等感も生まれ、自分探しを始めます。
そして自分の居場所を探し始めます。
私は受講生のお母さんたちに発達科学コミュニケーションを教えていますが、そこでいろいろなご質問をいただきます。
その中でも高学年・思春期キッズのお母さんから多く伺うのが、
「声をかけるだけで、反抗してきて会話にならないんです。どうすればいいですか?」
「やって欲しいことをやらない時はどうすればいいですか?」
など、問題行動が起こったあと・困りごとが起こったあとにどうすればいいですか?という質問です。
もちろん、それに対しての正しい思春期対応はあります。
ですが、「問題行動を取った後の対応」は、子どもにとっては、「できていないところを言われる=否定的な関わり」になってしまいます。
指示を出したり、うまくさせようとしたり、見守ったり、距離を取ったりするのが効果的なのは、
肯定的な関わり>否定的な関わり
ということが大前提。
つまり、普段のコミュニケーションが、肯定的な関わりの方が圧倒的に多い状態でないと効果がないんです。
反抗期が近づいている高学年・思春期キッズの困りごとへの対応で一番大事なこと、それは、ズバリ“予防”です!!!
否定的な関わりを減らすためには、予防することが大事なんです。
といっても、お母さんがお子さんに言い聞かせるわけではありませんよ!
えっ、どういうこと?って思いますよね。
ポイントは、「肯定的な関わり」をして予防をすることなんです。
2.学年が上がり、子育てが思い通りにいかなくなった理由
高学年・思春期のお子さんをお持ちで、個別相談にいらっしゃった方で多いのは
低学年の頃は、褒めてうまくいった
↓
だから、また褒めたらうまくいくかな?と試した
↓
すると、余計に反抗し始めた
↓
『急に態度が変わって、子育てが思い通りにいかなくなってきた!』
というご相談です。
私は、まずこうやって聞きます。
『どんな褒め方をされているんですか?』
さらに
『その褒め方で困り事がよくなりましたか?』と聞きます。
反抗期に近づいている高学年・思春期のお子さんが、今までと同じやり方、自己流の褒め方でうまくいっていない、余計に反抗してきた。
それは…正しい褒め方ではないからです。
つまり、何が言いたいのかというと…
どんな困りごとでも、年齢が上がってくれば、年齢に応じて対応を変えていく必要があるということです。
褒め方って本で書いてあることじゃあないの?と思いますよね。
具体的にはどう変えていったらいいでしょう?
3.反抗期が来る前にやってほしい、褒め方のススメ
『◯○歳だから、できて当たり前という目線で見ない』ということです!
どんなことでも、『できている瞬間』が必ずあるはずなので、必ず見つけて欲しいんです。
そして、見つけたら見逃さずに褒める!!
でも、ここがポイントです!
高学年・思春期の子どもたちにあわせた声かけをすること。
いつもだったら注意をしてしまう「できていないこと」はスルーして注意をしない。
「できていること」だけに注目してみてください。
「できていることって何?」
「褒める」「肯定する」と言われても、うまくできない、よくわからないという方は
「歯を磨くんだね」
「着替えるんだね」
「お風呂入るんだね」
当たり前のことでもやろうとしている行動をそのまま言葉にして伝えてあげる。
こんなところからのスタートでいいのです!
また、子どもがやっていることに興味関心を示してあげるのも効果的です。
「どんなゲームしてるの?」
「おもしろそうだね」
「知らなかったなぁ~」
など、声をかけてあげてください。
子どもの興味に寄り添ってあげることで、信頼関係も築けます。
褒められる・肯定されることで、自分を認めてもらえている、自分の行動には意味があると感じて、自信をつけていくことができます。
自信がつくと行動力もアップ!お母さんの言葉にも耳を傾けられるようになっていきます。
このように思春期の子たちの脳に届く声かけを日頃からしておくことで、
これから反抗期に入ってややこしくなってくる年齢になっても、好ましい行動が増え、自分で考えて動くことが当たり前になります。
ひいては、それはトラブル解消にも繋がっていくんですよ。
ということで、困りごとは
『できている瞬間』を見逃さず、思春期にあった正しい声かけをする、肯定的な関わりで“予防”することが大事です。
高学年・思春期キッズの成長はジェットコースターのように波があるので、早めの対応がキーポイントです。
今からでも、勇気を持って自己流の子育てを手放してしまいましょう!
お子さんにあったやり方に変えればちゃんと困りごとを解消することはできますよ。
執筆者:山南あや
(発達科学コミュニケ―ションリサーチャー)
▼無料のメールマガジンで発達凸凹の子の対応方法をお伝えしています