1.運動嫌いな思春期のお子さんが心配なお母さんへ
発達凸凹のある子どもたちの中には、運動が苦手で不器用な子がいます。そのせいで、自信をなくしてしまっている場合があります。
皆さんのお子さんが小さな頃、
箸を使うのが苦手
紐結びができない
塗り絵を上手に塗れない
などの様子は見られましたか?
小学生以上になると、
走り方がぎこちない
文字を書くとマス目からはみ出る
消しゴムでうまく消せない(力が入りすぎて紙が破ける)
工作がうまくできない
球技がうまくできない
縄跳びが上手に飛べない
などの困りごとが見られていることはありませんか?
日常の生活で、色々なことに苦手意識を持ってしまうと、体を動かすことに抵抗感を感じてしまう危険性があります。小学生の頃から体育が嫌いになってしまうと、もっと体を動かして欲しいのに…と思いますよね。
さらに、中学生以上になると親子で運動したり遊ぶ機会も減っていきます。
さらにさらに、不登校のお子さんの場合は自宅にいることが多いと活動量自体が減ってしまい、どんどん体を使うことがなくなってしまうケースがあるので運動不足が心配です。
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2.まったく動かない不登校の息子を見て焦った理由
我が家の息子は現在通信制高校の1年生で、ギフテッドの特性や読み書きの苦手さがあり小学4年生で不登校になりました。
息子は、書くことが苦手、手先が不器用、運動が苦手です…
不器用と言っても、まったくできない!というわけではありません。何回か練習すればそれなりに上手になりそうという感じなのに…
息子は練習したがらない子でした。
小さな頃から、
色鉛筆やクレヨンで塗る場面ではみ出たり、最後まで塗れない
字を書くと大きさが定まらない
お箸の練習はやりたがらない
紐しばりの練習も拒否
運動系の習い事をしても長続きしない
そんな感じでした…
(周りの子たちが上手になるのをじーっと見て、お箸や紐しばりは遅れてできるようにはなっていましたが)
親としては、
「練習しないと上手にはならないんだからさ〜」
「やらないから上手にならないだけだよ」
と思い、ハッパをかけるように息子に何度も言っていました。どんなに言っても、ご褒美を与えても練習しない息子。
そのうち、体を動かすことがことがどんどん面倒になって、不登校になってからは、
お茶や水も自分で汲まない…
ペットボトルや瓶の蓋も開けられない…
お菓子の包みも自分であけない…
家から出ない…
なんでもかんでも「お母さんやって〜」と言ってくるようになりました。
「お茶ちょうだーい」
「これ開けて〜」
と言われるたびに、「お母さんはあなたの召使いじゃありません!」と叫びたくなることも度々でした。
小さな頃は、外遊びをたくさんしたり、プラレールやトミカ遊び、仮面ライダーの変身ベルトでごっこ遊び、ガンダムのプラモデルやミニ四駆製作などでなるべく体を動かす遊びを体験できるようにしていました。
外へ行くと、自由に走り回り、アスレチックや海や川で遊ぶのが大好きでした。
けれども、中学生になり息子の興味は、パソコン、投資、世界のニュースと、体も手先もほとんど使わないものへ移っていました。
興味のあることはどんどん調べて口達者に教えてくれるのに、お茶すら汲まない息子を見て、
「これでは、母は召使い状態から抜け出せない…運動不足解消に何かいい方法はないだろうか」と考えるようになりました。
3.思春期の運動嫌い男子にオススメなのは筋トレです‼️
今回、中学生以上の運動不足男子にオススメしたいのは、筋トレです‼️
「運動嫌いな子が筋トレなんてするわけないでしょ?」との声が聞こえてきそうですが、本当にオススメなのでチャレンジしてほしいです!
まず、中学生以上の男の子にとっての筋トレの効果をお伝えしますね。
男の子は、思春期を迎える頃に男性ホルモンであるテストステロンの分泌が多くなっていきます。テストステロンによって、筋肉や骨が急激に成長したり、ひげや陰毛が生えたり、声変わりしたりします。
ですから、このテストステロンの分泌が活発な思春期に筋トレをすると、あっという間に筋肉がつくんです!
また、筋トレをすることでドーパミンやセロトニンというホルモンが分泌されます。
これらのホルモンがやる気を上げてくれたり、心を落ち着かせてくれたりするため、不器用ということで自分に自信がなかったり、不登校でやる気が起きない…と悩んでいる男の子も、
やる気が出る!
ポジティブに頑張れるようになる!
のです。
筋肉がつくと、その効果が目に見えるため、自分が努力したことを確認することができ、
「俺ってイケてるかも?」
「もっとやりたい!」
「頑張りたい!」
という気持ちにもなります。
また、粗大な筋力がつくことで運動コントロールがしやすくなり、不器用だからと避けていた活動も楽にできるようになりますよ。
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4.筋トレで口だけ男子が頼れる男子に変身⁈
筋トレをどのように息子と実践したのかをお伝えしますね。
息子が中学1年生のとき、籍を置いている公立中学校の担任の先生(保健体育の先生)から、
「中学生になると、男の子はグッと体つきが変わりますよ!」
「今、体を鍛えるとめっちゃいいことありますよ〜」
という話を聞き、
「体を鍛えて筋力がつけばお茶くらい簡単につげるようになるかも?!」
と、私は思いこっそり筋トレ計画をたてました。
用意したのは、
握力計(Amazonで3000円程度)
ハンドグリップ、ダンベル(100円ショップ)
体重計(元々家にあった骨密度や筋肉量も測れるタイプ)
です!
「体育専門の先生が、筋トレするといいって言ってたよ!」
「今の時期はすぐに筋肉付くんだって!」
「かっこいい体になれるかもね〜」
と言いながら、家族で握力測定をしたり、体重計で筋肉量を測ったりして体について関心が向くようにしました。
その後は、テレビを見ながら、
「筋トレしよっか」と言ってダンベルを持って腕を動かしたりすることから始めていきました。
すると、筋トレはやることが単純!ということが功を奏したのか?息子は毎日筋トレを続けられるようになったのです。
毎日のメニューも自分で考えてやるようになりました。
腹筋、腕立て、スクワット、ダンベル…などなど。
あっという間に筋肉がつき、もやしのようだった手足がしっかりするようになり、胸板や腹筋も少しうっすらと割れるようになりました!
この、「筋肉がつく」という目に見える効果が絶大なのです!
今までやりたがらなかった、
お茶を汲むことも1人で勝手にやってくれるようになりました!
固くて開かないビンの蓋も開けてくれる!
買い物に行くと重い荷物も持ってくれるようになりました!
時々親子でウォーキングする習慣ができました!
まだまだ不器用さは残っているものの、体を動かすことへの拒否感は薄れてきているなと感じます。
筋肉が付くと、自信もつき、メンタルも安定していきました。
元々はあれこれ口達者に喋る割には動かないタイプだった息子が、筋トレ以外のことも目標を立てて人に頼らず実行することができるようになったのです!
思春期以降の筋トレは本当にオススメです!ぜひ家族みんなでトライしてみてください。子どもが体も心も逞しくなりますよ。
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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