自分で決められない…いつも悩んでしまうHSCの子どもが決める力をつける2ステップ

いつも考えすぎて決められないお子さんにイライラ…こんなお悩みありませんか?繊細なHSCの子どもの特徴として不安が強く決められない、自分の意見を言えないことも見受けられます。 自分で決められないHSCの子どもに決める力をつける2ステップをお伝えします。
 

1.HSCの子どもが考えすぎてしまう理由

子どもがいつも迷ってばかりで、つい『早くして!』と言ってしまう…こんなお悩みありませんか?

決められないのはHighly Sensitive Child(HSC)という人一倍敏感な子の気質が関係しているかもしれません。

HSCの持つ敏感さの1つに『深く丁寧に考える』という性質があります。

これは内外の情報をより多量に処理する脳が、常に活発に働いているためで、行動を起こしたり、決断をしたりするのに時間がかかるとされています。

例えば1つのリンゴを渡したとします。

HSCタイプの場合は
『少し黄色みがかった赤だ。普通より大きいな。産地はどこだろう。誰が持ってきたのかな。アップルパイにしたら美味しいかな』
など1つの物から様々な情報を得て、深く考えることができます。

またHSCとそうでない子どもを比べると、HSCは深く精密に情報処理を行う脳の部位が、より多く活発に動いていることが分かっています。

よっていつも迷って決められないのは、HSCの情報処理の多さが要因と言われています。

このときに早く!早く!と追い立てるのは逆効果

発達障害グレーゾーンやHSCのお子さんには、とにかく急かさずにじっくり自分で決める力を待つことが重要です。


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2.自分で決められないHSCの息子

我が家には吃音とHSCの特性を持つ不登校を経験した中1の息子がいます。

小学校低学年の頃はお菓子を買いにスーパーに行くと…
他の兄弟は買う物をすぐ決められますが、HSCの息子だけはなかなか決められず、兄弟から『早くしてよ』と言われることもしばしば。

自動販売機でジュースを買うときも決められず、友達が選んだジュースと同じ物を買って、対処していたこともありました。

クリスマスプレゼントが決まらなかったときは、『現金1万円でいい』と息子に言われ、現金はちょっと…と思った私が当時のおもちゃ大賞になっていたレゴを渡すと『こんなの欲しくなかった』と泣かれた経験もあります。

よく言う言葉は『どうしよう。迷うなぁ』であり、ちょっとした決断にも人の何倍もの時間がかかっていました。

小学校2年生に進級してから、吃音が悪化してクラスで話せなくなり、視線恐怖も強く表れ、学校に入ることができず完全不登校になりました。

不登校生活の中で『学校に行きたいなぁ。言葉が詰まるから行けない。詰まりがなければ行けるのに…』とたびたび口にし、学校に行きたいけど行けない気持ちと葛藤していました。

息子は失敗したくない気持ちが強いあまり、多くのことを考え、自分で決めることへの不安や心配が常に付きまとっていたのです。

3.自分で決める力をつける2ステップ

我が家で取り組んだ、自分で決める力をつける2ステップはこちらです!

◆日常の生活で選択肢を用意する

我が家の朝食は自分の好きなものを食べるスタイルですが、まずご飯・パン・お餅の選択肢があります。

例えばご飯を選んだ場合、さらにその日に用意できる味海苔・ふりかけ・ウインナー・卵の中からまた選択します。

『卵かけご飯にする』と朝食が決まったときは『オッケー、いいね!』と自分で決められたことを肯定します。

他にも食べたい物を聞くときに『夜ご飯はカレー、シチューどっちがいい?他に食べたい物ある?』と聞いて、『ハンバーグが食べたい』と新たな提案を言ってくれたときは『その考えいいね!お母さんも食べたいと思っていたよ』と息子の決めたことを後押しします。

◆慣れた環境で場数を踏む

おやつ、本、おもちゃは買うお店を固定し慣れた環境の中で、さらに予算や買う物の種類などで枠組みを決め、場数を踏んで練習していきます。

『おやつは○○円以内で選ぼうね』
『今日は○○グレードのガンダムを見に行こうか』

慣れたお店だと本人が感じる刺激の量が少なくなり、さらに枠組みがあると選ぶ基準が明確になります。

このときに『これを選んだのはどんな理由があるの?』と選んだ理由も聞き、その答えに対して『なるほど~。良い物を選べたね』と肯定します。

めったに行かない大型の本屋さんにお出かけする時は1時間という通常より多めの時間設定をして、自分で選べなかった場合でも、親のお勧めの本の中から選ぶ経験を積んでいきました。


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4.どんどん自分で決めて自信をつけていった息子

現在の息子は朝起きたら『今日はフレンチトーストにするわ』と食べたい物をすぐに言い、簡単な物は自分で作って食べるようになりました。

欲しいと思う物はスマホで検索し、動画を見たり、アマゾンの評価やレビューを比較したり、自分がしっかり吟味できる方法を見つけたので、納得して選べるようになりました。

大きな変化は小学校2年で不登校になった息子が、小4のときに『会議室で勉強したい』と1時間の別室登校を決めました。

その後も、小5では『給食まで会議室にいる』、小6はタブレットのリモート授業が可能になり、『6時間目まで会議室にいる』と自分でどんどん決めていきました。

そして中学校入学した現在、6年ぶりにクラス復帰を果たし、部活の選択も卓球とバドミントンの見学に行き、『バドミントン部に入るわ』と自分で決め、中学校生活をいきいきと送っています。

これもお家で小さなことから自分で決めることを繰り返した結果、ハードルの高そうな問題も乗り越えるエネルギーになりました。

人間の行動は同じような経験を何度も繰り返すことで身についていきます。

脳は、何か行動を起こすのに「1回目」が最もエネルギーを消費しますが、2回目、3回目と場数を踏むごとに働きが安定して慣れていきます。

息子も自分で決めることを繰り返し行うことで、自分の“好き”や選ぶ基準も分かってきて、進みたい方向への自信がつき、悩んでいる時間が格段に減りました。

特にHSCタイプの子どもには自分を知る、自分に合った対応を取ることが重要であり、その前提として安心できる環境で親子のコミュニケーションの存在が不可欠です。

まずはお家の中で自分が決める!経験を積んで、自信を育んでいきましょう!

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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