1. 発達障害の子どもの将来を考えると不安なわけ
発達障害やグレーゾーンの子どもたちを育てていると、できていないことに目がいってしまうことが多くありませんか?
忘れ物が多いとか、
友達ができないとか、
字や絵がうまく書けないとか。
これじゃあ将来どうなるの?
仕事でミスばかりしてしまいそう。
他の人とうまくコミュニケーションをとって仕事ができないかも。
だから、早くなんとか困りごとを解決しなくちゃ!
と、常に子どもの心配ばかりが頭の中を駆け巡って、余裕がなくていいっぱいいっぱい。子育てを楽しいと思えない。そんな毎日ではありませんか?
できないことにとらわれず、発達障害ADHDの特性ならではの「こだわり」を生かしてアート活動をされている葉っぱ切り絵アーティストのリトさんに、得意を活かす方法をお話してもらった記事はこちらです。
今回は、発達障害の子どもを持つお母さんの「子どもの将来どうなるの?」という不安についての考え方、子どもとの日々の過ごし方について聞かせていただきました。
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2.大人の発達障害の辛さとは?
ーーリトさんは小さな頃から器用で自分のやりたいことはとことんやるタイプだったのですか?
「いや、僕はどっちかっていうと不器用って言われることの方が多くて、親にもよく不器用だとか、要領が悪いとか言われていました。例えば靴紐が自分で上手く結べない、学校でも、みんなが普通にできていることが、時間かかってしまう。それで周りと比べて自分だけ遅れていると感じる方が多かったかなという感じがしますね。」
ーーそうなんですね。切り絵を拝見して、とても細かいものをすごく上手に作られているので小さい頃から器用だったのかなと思って。
「いやいや(笑) ただ、それで生活に支障が出るとか、友達との仲で亀裂が入るとか、そこまでにはなったことはなかったです。 社会に出てお給料をもらうという立場になったときに、顕著に悪い方向に出てそれが直せないということで、 上司に怒られるとか周りから『え、何こいつ』みたいな目で見られるとか、そういう場面が増えてしまいました。」
ーー学生時代、先生に怒られるということもあまりなかったですか?
「先生にはほとんど叱られてないですね。どっちかっていうと僕は結構学校の中ではクラスで目立たない方というか、結構すみっこで特定の友達と、こじんまりと遊んでいるようなタイプだったので、先生の目にもそんなについていなかったんじゃないかなと思います。
どっちかというと、家で親に言われることの方が多かったです。電気を消し忘れるとか、ティッシュを忘れる、ハンカチを忘れる、携帯を忘れる、定期がない、傘を持って行くのを忘れるとか。とにかく忘れ物が多すぎました。ただ、親も別にそこを本気でガーッと怒るというよりは、「またやってるよ!」みたいな感じで言われて、まあそういうもんだなと諦めていたんだと思うんですけど。大人になって会社に入るとそういうわけにはいかないじゃないですか?」
ーーそうですよね。周りの人に迷惑がかかってしまいますもんね。
「だから、僕の場合は社会に出てから結構苦労したなという感じでした。」
ーー大人になってから発達障害に気づく人がどのような子ども時代を送っていたのかがわかりました。大人になる前に気づいていれば、社会に出るまでに対策を考えて仕事も選ぶことができるのかなと思いました。
3.発達障害の診断から変わる自分との向き合い方
ーーリトさんは、ADHDの診断を受けてから自分の好きな道、自分の得意な道を進もうというふうに決めたのですよね。違う道を歩こうという決断をするまでに、リトさんを支えてくれた人や物はありましたか?
「僕は最後の会社を辞める前にすでに SNS でいろいろ自分の発達障害について発信していたんです。毎日毎日ツイートして少しずつフォロワーさんが増えていきました。やっぱり一番嬉しかったのは、『分かります』という一言。自分の苦しさを分かってもらえないっていうのが一番の悩みで、なんかニュアンスが上手く伝わらないんですよね、発達障害のこの微妙な悩みというか。それをうまくなんとか言語化して外に発信した時に、まさに私もそれですっていう、 この共感をもらった時が一番嬉しかったです。
最初は親にも友達にも周りにも理解はされなかったけど SNS 上には自分のことをわかってくれる人がいて、応援してくれる人がいたというのが結構心の支えになったかもしれないですね。」
ーーADHDという 診断をもらって、自分はこういう人間なんだっていうのがわかって、人からも SNS の中で認めてもらって、自分の核ができたというかそれで進もうっていう風に決断できた感じだったのですね。
「結局子どもの頃からずっと親に注意されていたことが、大人になってもずっと直らなくて、これをハンデとして抱えながら生きていくのは辛いなあと思ったんですよ。毎回怒られて、直せって言われても直らない。それはもう辛くて、次に新しいこと何かするとしたら、まず、出勤がない仕事の仕方をしよう、上司にもう怒られたくないから基本的に組織に入って誰かと一緒に仕事するっていうのはもうやめようと。自分のこことここが苦手だから、ここにだけは近づいちゃいけないっていうのを決められたんですよね。」
ーー発達障害の診断があるなしに関わらず、自分の特性に気づいて向き合っていく作業が大事なのですね。
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4.今、この一日一日を楽しく生きることを大事にして欲しい
ーーここまでリトさんのお話を聞かせていただいて、自分のことをよく理解すること、周りの人にも理解してもらえることが大事だなと思いました。発達障害やグレーゾーンの子ども達を育てるお母さんも、子どものことをよく理解したいと思っている方が多いけれど、漠然とした不安もたくさん抱えていると思います。リトさんからメッセージをお願いできますか?
「はい。実際僕のインスタとか Twitter にも、発達障害をもつお子さんのお母さんから同じようなメッセージがいっぱい来るんです。『5歳の息子が発達障害です。』『将来この子をどうやって育てたらいいか分かりません』等々。まあでも親の悩みって本人の悩みとちょっとずれていたりもするんですよ。親は何とか子どもに幸せになってもらいたいなって思うんだけども、だけど5歳のうちから成人になったときのことを心配しすぎたところで、それって解決するのかなと感じるんですよね。」
ーーそうですね。
「その時になってみないとわかんないじゃないですか。今この毎日をいかに楽しく、やりたいことをやらせて思い出をいっぱい作っていくというごく普通のことが、実は一番大切なことなんじゃないかと。
僕の作品について、毎日なぜこれだけアイデアが浮かぶんですかとか?と、すごく聞かれるんです。これって僕の小学校の頃だったり、親に連れて行ってもらった場所だったりの楽しかった頃の思い出なんです。小さな頃はただただ遊んでいただけで、無駄なことだったと思うんですよ。
それが頭の中に蓄積されて、意外な形で実を結んで、大きな財産になっているんですよね。小さい頃に楽しかったことって、大人になって同じことしようと思っても難しくて、あの頃だからこそ感じられたことや、びっくりしたことは頭に残っています。それはその瞬間しか得られないものだったりするので、それを今のうちからいっぱい蓄積して溜め込んでおく、楽しいことで頭をいっぱいにしておくと、新しいことをやろうと思った時に、何かで繋がったりするんですよ!
今になって子どもの頃の楽しかった記憶が生かさせてもらえているので、皆さんにもそういう経験を親子でいっぱい積んで欲しいなって思います。」
ーーなるほど。そうですね!すごく先のことを不安に考えてもしょうがないよというお話を今聞いて、すごく心に響きました。起きてもいない未来の心配をしすぎても未来は変わらないですよね。心配よりも未来が明るくなることをしていったほうがよいですね。リトさんありがとうございました。
5.子どもが喜ぶ体験を通してお母さんも自信をつけよう!
うちの子は発達障害かも?グレーゾーンかも?と子どもの特性に早めに気がつくことは、子どもの困りごとを早めに解消してあげるためにも大事なことだと思います。
ですが、発達の凸凹具合が大きいと、どんなに頑張っても解消しきれないこともあります。また過度なトレーニングにより子ども自身に大きな負担がかかってしまうこともあります。
子どもの脳は、たくさんの楽しいことを吸収して成長していきます。特に、発達凸凹キッズ達は、得意なことを一生懸命伸ばすことで脳に好影響を与えます。
ですから、リトさんが教えてくれたように、親子で一緒に、
「楽しかったー!」
「できたー!」
「安心するなぁ」
という経験を積み重ねていきたいですね。
そんな経験をお父さんお母さんとすることで、自分のことが好きになり、多少の失敗をしても乗り越えられる心を培えるようになるのではないでしょうか。
我が子がどんなことで楽しいと感じるのか?
どんな場面で生き生きするのか?
どんな人となら嫌がらずにお話できるのか?
どんなことなら諦めずに最後までできるのか?
たくさんの家族での思い出を作る中で、子どもの様子をチェックする目を養うことができれば、思い出を作るだけではなく子どもの成長へのアドバイスができるようになると思います。
「今日は外でいっぱい遊んで楽しかったね!動き回れるところにいると生き生きしているね!」
「人混みが苦手だけど、大好きな飛行機を見るためだったら人混みも大丈夫だったね!」
「今日のイベントのチケット忘れちゃったけど、スタッフの人によく言えたね!勇気あるね!」
など、まだまだ続く夏休みの思い出づくりで、苦手なことさえもポジティブに捉えられるような声掛けをしてみませんか?子どもが生き生きとできる思い出作りをして今を見つめることで、お母さんの心配が自信に変わっていきますよ!
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リトさんの作品を見ながら、「この絵はどんな風に見える?」と会話するのもおすすめです!
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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