1. 発達障害の子の子育てには、褒めることが大切!?
発達障害の子に自己肯定感を高めるには、“褒めること”と書かれているのをよく目にします。でも、いざ褒めようとしても、「うちの子は叱るところはあっても褒めるところがない」と思っていませんか?
小さい頃は、「一人で食べた!」「歩けた!」など、日々出来ることが増えていくのでひとつひとつ褒められましたが、思春期にもなるとできていないことの方にばかり目が向いてしまって、褒めることがなくなってしまいます。
これは、日本人の子育てが社会のルールや規範を守ることが出来る子にする「しつけ」にあるからかもしれません。
「早く宿題をやりなさい!」
「またゴミが散らかってる!」
「靴下脱ぎっぱなし!」
など、親からすると“間違った”行動を正そう、というコミュニケーションになりがちです。
また、褒めてはいるつもりでも、全く反応がない(か、薄い)か、言える言葉が「エライね」のワンパターンになってしまって「うざい」「キモい」と言われてしまったりするなど、うわべだけの言葉やテクニックでは通用しなくなります。
また、発達特性によって、こちらの声かけを聞いていなかったり、うまく伝わっていなかったりすることもあります。
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2. 褒めるって、どんな効果や目的があるの?
ところで、どんなときに褒めていますか?
テストでいい成績だったとき、何かに表彰されたとき、部活や学校行事で頑張った成果が出たときだったら、うまく褒められますよね。
でも、発達障害のある子は、何かをやりきる集中力が持たなかったり、失敗が怖くてチャレンジできなかったり、疲れやすくてやる気が出ないことも多いので、褒めてもらえる大きなイベントがあまりない、ということもあります。
そして出来ないことにばかり目を向けてガミガミ叱ってしまうと、結局怒られた記憶だけが残ることになってしまいます。
あらためて、褒めることの効果と目的ってどんなことでしょうか?
褒められたり、共感されたりすると、子どもは行動できたことに自分で気づき、やる気がアップします。また、成功体験となるので、好ましい行動の頻度をアップさせることにもなります。
怒られる経験が多い発達障害の子に、自信を授け、自主的に行動できるようにすることで、自立を促すことができます。
となると、褒めるのは、特別なときだけでなく日常的にできるだけたくさん行いたいです
し、スルスル声をかけられるようになれば、お母さんの負担も少ないですよね。
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3. 全く褒められないお母さんでした!
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を始める前の私は、全く褒められないお母さんでした!
周りの子たちと比べては落ち込み、将来に不安を感じてはイライラし、大声で怒鳴りつけ、ときには手が出てしまうことさえあり、後悔することも度々ありました。
発達障害関係の本や、ネット上の情報に「しかりゼロ」「褒めて伸ばす」という言葉を見て、褒めてあげたい、認めてあげたい、と思っていても、どうしても、出来ていないことや、やって欲しくないことばかりが目について、気がつけば怒鳴っている、という状態でした。
発コミュを始めても、最初はただひたすら肯定していくのですが、私は全くできませんでした。「ゲームやめなさい!」「早く着替えなさい!」「さっさとご飯食べて!」「いいかげんにして!」と指示命令ばかりしていた癖がなかなか抜けませんでした。
そんな私が、どうやって怒ることなく褒めることができるようになったのか。
どうやって子どもたちを見る視点が変わっていったのか。
その方法をお伝えします。
4. 思春期の子に響く、発コミュ流の肯定の声かけとは?
発コミュの基礎講座では、好ましい行動に対して、肯定的な注目を与えることをおこなっていきます。
発達障害の思春期の子に、“応援しているよ”“理解しているよ”というメッセージを伝えるには…?
次の2つのテクニックを意識してみましょう。
◆親の期待どおりの完璧な結果を求めない
つい、親の期待した通りの結果や行動を求めてしまいがちですが、子どもは子どもなりにがんばっています。
まずは様子をみて、要求水準を少し下げること。
そして、完璧にやりきったときでだけではなく、行動を始めたとき、少しでもやったとき、最後までできそうなとき、にこそ声をかけて、“応援しているよ”と伝えられるといいですね。
◆一生懸命褒めようとしなくても、そのままを伝えるだけでOK
肯定のテクニックの中でも、発達障害の思春期の子には、「褒める」よりもむしろ、興味や関心を示して一緒に楽しむ、子どもが行動したことに気づいているよ、ということをシンプルに伝えるほうが響きやすいです。
「わぁ、どんなことやっているの?」
「楽しそうだね」
「お皿、運んでくれたのね。ありがとう」
など、あたりまえと思っていたことにも目を向けてみましょう。
他にも、スキンシップを嫌がらないお子さんでしたら、肩をポンポンとたたいたり、ハイタッチをしたり、と組み合わせて使っていくとバリエーションが広がります。
これなら、無理なく、毎日続けられると思いませんか?
5.“褒めること” だけが「肯定」ではありません!
“褒めよう”と思うと難しかったのですが、発コミュで、肯定の方法は“褒めること”だけではないと知り、前章でお伝えした肯定のテクニックを使って、少しずつ声かけを試してみるようになりました。
息子がゲームをしているときに、
「どんなゲームやっているの?」
「え!そのキャラクター強いの?」
などと伝えると、子どもも喜んで嬉々として答えてくれました。
そのうちに、息子がゲームをしているのを横で見たり、You Tubeを一緒に見たりして、
「そこでこんなキャラクター使うんだ!すごいね」
「この言い方面白いね!」
「この人、上手だね!」
など、一緒に楽しむようになり、ゲームやYou Tubeの話題で盛り上がれるようになりました。
他にも、お手伝いとして洗濯物干しをお願いして、
やり始めたら、「あ、やってくれるんだね」
洗濯物のほし方が乱雑でも、スルー
途中で飽きてきたら、「じゃ、残りは一緒に干そうか」
最後まで終わったら、「ありがとうね!」
と声をかけていきました。最初のうちは面倒くさそうにいやいやでしたが、今では、お任せできるようになりました。
肯定することができなかった私ですが、肯定の声かけのバリエーションを学んだことで、少しずつ、やっていること、できていることに目が向くようになり、声をかけられるようになりました。私自身がイライラすることもなくなり、思春期真っ只中の子どもたちもすっかり落ち着いて、穏やかで楽しい会話が増えました。
ぜひ、お子さんをよーく観察して、どんどん声かけをして行動力をあげていってくださいね。
執筆者:菊池 のりか
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
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