切り替えができない発達障害・グレーゾーンさんの行動力が育つ親子の対話~まずはここから!準備編~

発達障害グレーゾーンのお子さんに次にやってほしい行動への切り替えをうながすテクニックを使っているのにうまくできないとお悩みのお母さん、もう1歩前に戻ってやってほしいことがあります!脳に声かけを届かせるための2つのステップをお伝えします。

1.発達障害・グレーゾーンの子にテクニック通りやってもスムーズに動かない・・・

指示をしても動かない!
声をかけても届かない!

発達障害・グレーゾーンのお子さんの様子に頭を悩ませているお母さんへ。

そんなお悩みを解消する、脳に届く声かけのコツとうまくいくステップの秘訣を紹介します。

発達障害グレーゾーンキッズの遅刻や忘れ物に対して、

・明るく!ポジティブな!声かけをしたり、
・部屋から出やすくする工夫をしたり、
・時間がギリギリでも肯定の声掛けを忘れず、
・朝が苦手な子には寝る前の時間を楽しくする

等の実践を頑張っているのに全然ママの声かけが子どもに届かないなと感じている方は、2つの準備が不足している可能性が高いです。

切り替え力が弱い発達障害グレーゾーンのお子さんに、お母さんの声をちゃんと届けて、切り替え上手にしてあげるにはちょっとした準備が必要なのです!

2.お母さんの声かけが届きにくくなっているのはなぜ?

発達障害グレーゾーンキッズの中には過集中や不注意の特性を持ち合わせていることが多いです。

だから、お母さんが声をかけても気づかないことがあります。

これは、多くの本やWebサイトに書いてあることでもあるのでお気づきのお母さんもいらっしゃると思います。

実は、今日お話したいのは別の理由です。

それは「安心できる居場所」になっていないということです。

勉強しない、片付けが苦手、ゲームを終わりにできない、など切り替えが上手にできない様子を見たら、お母さんからしたら注意したいことがたくさんあると思います。

お子さんも自分ができないことに気づいているものの、発達の特性が影響していたり自信を失ってしまったりして行動がフリーズしている状態…

ですので、それを注意し続けると子どもの脳は「警戒」モードになってしまいます。
そうなると、お母さんがちょっと声をかけようとしても

イラッとする!
スルーをしちゃう!

こんな拒否反応を示しがちです。

もっと言うと親子の声かけが必要と言われるけど会話のチャンスがつくれない…
なんて壁にぶつかることもあるかもしれません。

これが、高学年、プレ思春期以降に起きやすい「声がとどかない理由」の1つなのです。

そしてもう1つ!

それは、お母さんがやらせたいこととお子さんが取り組みやすいことのギャップに気づいていない!

ということ。

例えば、お母さんは「朝の登校準備をスムーズにしたい」と思っていたとしても…

学校生活に不安を抱えていて自信を失っているお子さんにとっては「学校の準備」は一番やりたくないこと、なのです。

その場面だけにこだわってなんとかしようとしても親子でイライラして改善しないことが多いです。

だから発達障害グレーゾーンのお子さんの得意と苦手を把握するチカラが必要になります。
では、どうやってこのチカラをつけていったらいいのでしょうか?

今日から使える実践テクニックをお伝えします。

3.行動の切り替えができない子にまずはこの2つ!

◆声かけが届きやすくなるプレッシャーゼロ作戦!

プレ思春期以降おすすめのこちらの作戦。

お子さんへの声かけばかりに意識がいってしまいがちですが、声かけ以外のノンバーバル(=非言語)なコミュニケーションもお子さんの安心や自信回復に欠かせません。

なのでお子さんへの声かけの前にお母さんの“非言語情報を整える”これがおすすめです。
これを「ポジティブな独り言作戦」と私は呼んでいます。

・お母さんが笑顔で過ごす
明るい声で話す
鼻歌を歌ったり、笑ったりする

こんなことでいいんです!
この、お母さん自身が発する「非言語情報」がカギです!

発達障害グレーゾーンのお子さんは心のどこかでは

自分がちゃんとできないからお母さんが怒っている…
自分が学校に行けないからお母さんが悲しんでいる…

と常に感じています。(お子さんが言葉にするかどうかは別の話です)

だから、お母さんが、お家でご機嫌に過ごしている様子を見せることは

「お母さん、怒ってないよ!」
「あなたのこと好きだよ!」

というプラスの感情を育てるメッセージにもなっていくのです。

声をかけてもうまくいかない時はその手前の準備として「独り言」をプラスに整えてみてくださいね。

このやり方で

部屋にこもっていたお子さんがリビングで過ごすようになった!
親子での会話が増えた!

こんなご報告をいただいています。

そしてもう1つマスターしてほしいことがあります。

◆行動の切り替えがスムーズになるタイミング見極め術

朝、学校に行く準備がスムーズにいかないお子さんには「朝」以外の時間に注目して、肯定と指示だしを上手にしましょう。

「朝」の動きが悪いということはその時間帯は行動量があがりにくい。
その行動はお子さんにとっては苦手意識が高い、ということ。

脳は、苦手なことでは、エンジンがかかりにくいのでそればかりを指摘しても行動の切り替えができないし苦手意識ばかりが大きくなって余計に行動が起きにくい!

お母さんが気になることばかりにフォーカスしないのが得策。

他の時間帯や、他の場面で、お子さんにとってハードルが高すぎないことから上手に指示を出して動ける経験を積ませてあげましょう。

たとえば、お子さんがゲームを時間通りに終われなかったとしても、終えることができたら「ゲームやめられたね」「終わりにするんだね!」と一声かけてあげてください。

「時間を過ぎてる!」と叱るのではなく、ゲームを終わりにしたという行動だけに注目して、笑顔でひと声かけてあげられるとベストです!

行動できたことは脳に定着していくので、お子さんにとっても「切り替えができた」という成功体験になっていきますし、成功体験になった行動は次第にできる頻度が増えていきます。

お子さんの自信にもなりますね!

一見遠回りに感じるかもしれませんが、急がば回れ、です。

行動を通じて「できた!」体験をお子さんに積ませながらできる場面、できる時間帯を、広げていってあげましょう!

発達障害グレーゾーンキッズの成長は得意をのばす!スモールステップ!これが大原則です。

お子さんを上手に観察しながら脳が育つおウチ時間を作ってみてくださいね!

切り替えが苦手な子どもに使える超基本的なテクニックはこちら▼

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

発達凸凹キッズの行動を切り替える力をつけるアイデアはまだまだあります。
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