発達障害の子が自分から勉強したくなる!漢字嫌いを克服するきっかけづくり

漢字が苦手、覚えられないという発達障害の子どもは多く、繰り返し間違い直しをさせられた子たちは勉強することも嫌いになっていることが少なくありません。そんな漢字嫌いな子が、無理せず、楽しく漢字を覚えられる方法お伝えします!

1.発達障害の子が漢字を苦手になる理由

1、2年生の頃はできていたのに、だんだん点数が取れなくなった。
テスト前なのに勉強する気配もない。
作文でも習った漢字を使わず平仮名ばっかり!
漢字がどんどん嫌いになっている!

そんな悩みを持つお母さん、それ、脳の発達の特性のせいかもしれませんよ?

漢字を覚えるときに必要になるのは、「じーっと見る力」

低学年で習う漢字は、画数が少なく、形も単純ですね。
ですが、学年が上がるにつれ、画数が多く、細かく複雑な形のものが増えてきます。

画数が多い漢字は、棒が何本あるのか、どこから線がつながっているのか、上と下・左右のバランスはどうなっているのか、見て覚えなければいけない場所がたくさんあります。

でも、この「じーっと見る力」
発達の中では高度なものなのです。

最初にできるようになるのは「ぱっと見る力」
発達障害の特性があるお子さんの中には、まだ「じーっと見る」ことが苦手で、パッと見ることしかできない子がいます。
そういった発達障害の特性があるお子さんは、漢字の細かい部分までしっかり見ることが難しく、複雑な漢字を覚えることがすごく大変なのです。

しかも、高学年になって出てくる漢字には、前に出てきた漢字が組み合わさって成り立っているものもあり、細かいところが覚えられていない漢字が増えると、どんどんわからなくなっていってしまいます。

するとだんだん苦手意識が出てきて漢字嫌いになっていくんですね。

2.こんな勉強方法が漢字嫌いを加速させる!

学校での漢字の丸付け、厳しいなと思ったことありませんか?

息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向と自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があります。その息子が小学校1年生になって持ち帰ってきた漢字テスト、0点でした。

全部書いてあるのに何で?と思って見てみると、「ハネ」や「ハライ」が全部「止め」になっていたのです。

「これでバツになっちゃうんだ!」
と思った私がとった行動、それは、間違えた漢字を丁寧に何回も書かせること。

何回も書いて勉強しないと覚えない、と思っていた私は、息子の発達障害の特性もわからず、苦手な漢字を書き続けることを強いていました

それで最初は覚えたと思っていました。
ですが、学年が上がるごとに、漢字テストは白紙に近い状態で出すようになり、点数は0点か10点。間違い直しと書き取りを命じる私に、テストを隠すようになっていきました。

さらにはテストだけでなく、作文の宿題や自分でお友達に書いた手紙などもほとんど平仮名で書き、普段書く文章に漢字が消えていきました。

なぜこうなってしまったのか。
それは、苦手なじーっと見ることを強要して、苦痛な書き取りをさせていたから。
さらに、間違えたときに指摘することが、息子の自信をどんどん奪っていました。

こうして漢字に対する苦手意識がしっかりついてしまった息子は、どんどん漢字が嫌いになり、テスト前の勉強はもちろん、漢字を見ることも、覚えることも、もちろん思い出して書くこともしなくなっていきました。

そんな息子が、自分から漢字を使いだしたきっかけをお伝えします!

3.これならできる!漢字嫌いが克服できる勉強のきっかけづくり

嫌いになった漢字の勉強をそのままやらせようとしても、発達障害の特性を持つ子の脳はうまく動きません。

そこでお勧めしたいのが、好きなことに絡めて学習すること!

どういうことか、我が家の息子を例にしてお話ししますね。

息子は5年生になって、社会の歴史に興味を持ち始めました。歴史の漫画も読み始めて、教科書以上の雑学を知ると楽しくて仕方ない様子でした。
すると、歴史上に出てくる言葉や場所など、しっかり漢字で書かれている文字を見ているんです。

内容を覚えたくて自らノートに漢字で書いたり、テレビで出てきた漢字を
「これ武士の武と同じ字だね!」
と話したり、会話の中にも漢字が出てくるようになりました。

このように子ども自身が好きと思えるものと絡めると、自然と漢字が目に入るようになり、子ども自身が楽しく「じーっと見る」ことをしようとします

強要されているときは苦痛だったことも、本人が楽しくできることなら頑張れるんですね!
発達障害の特性で苦手なことも、こうして好きなことと組み合わせれば、頑張る力が出てきて、嫌いという気持ちが和らぎます!

そこでさらに、ノートに書いているときは「漢字上手に書いてるね」とか、「頑張ってるね」と声かけ。
会話に漢字が出てきたら、「よく気付いたね!」「ほんとだ!ママ気付かなかった!」など、漢字を見つけたことがうれしくなるような反応をお母さんがしてあげます

すると、褒められた子どもは自信がついて、「もっと頑張ろう!」という意欲が出てきて、同じように好きなことから漢字を学ぶ行動を繰り返すことができます。

こうして「じーっと見る」ことを繰り返すことができると、脳がのネットワークが発達して、漢字を覚える力も上がっていきます!

息子の場合は歴史でしたが、それが漫画やゲームでもいいわけです。

漫画の登場人物の名前や名言に出た漢字、ゲームでよく出てくる漢字など、お子さんが好きなことから覚えたくなるような行動を促すと、自然に覚えることができてきます。

そしてすかさず褒める
お母さんからみたら遊んでいるだけのことでも、子どもはたくさんのことを目にして学んでいます。

ぜひ、お子さんの好きな事をよく見てあげて、漢字に取り組むきっかけづくりをしてみてください。

 

執筆者:やなぎ みほ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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