1.お母さんのガミガミの原因は日本の文化にある!?
一学期も折り返し地点を過ぎ、夏休みが視野に入ってきたこの時期、お子さんに疲れがたまってきている様子はありませんか?
以前に増して子どもがダラダラしている…
子どもを動かすために「あれしなさい!これをしなさい!」と言っても動き出さない…
そんなお悩みを持つお母さんはいらっしゃいませんか?
私も、元、ガミガミ母さんです。
「ガミガミは私の使命」とまで思っていました。
「ガミガミをやめたらこの子は何もやらなくなる!!」「だから私の存在がこの子にとって命綱」 くらい思っていたのです。
だから、言ってあげるのが一番いいんだと思っていたのです。
でも、ガミガミで我が子が動き出すことはありませんでした。
そもそも、なぜ、お母さんがガミガミに陥りやすいのか。
それは日本の「しつけ」文化の影響があります。
日本のしつけは「やってはいけないことを叱る」というスタイルです。
それが身についている真面目なお母さんほど、育てにくい子を「しっかりしつけなければ!」と躍起になってしまうのです。
社会に適応させようと思えば思うほど、発達障害の子のできていないことに目がいってしまい、「~してはいけません!」「もっと~しなさい!」が多くなってしまうんですよね…
でも、この「しつけ」のやり方が発達障害・グレーゾーンの子には合わないのです!
「合わない」と知らずに育てにくい子に厳しく叱り続けることで、だんだん「こじらせ感」が強まっていってしまいます。
それでも、ガミガミを止めると余計に動かなくなるのではないか…と心配ですよね。
そんなお母さんに、発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)を受講され、ガミガミ言わなくてもお子さんが自分から動くようになったママの体験談をご紹介します。
2.ガミガミを止めると本当に子どもが動き出した!
発コミュ講座の受講生Wさんのお子さんの変化をご紹介します。
Wさんのお子さんは中学1年生の男の子です。
1回目の講座では
・肯定的な関わり方を増やすこと
・できていないことをスルーすること
この2つの視点を一緒に勉強します。
さて、1回目を受講して3週間後、お子さんとお母さんにどんな変化があったかをご紹介しますね。
思春期ということもあり話しかけても以前は嫌がっていたようですが、お母さんの声かけを聞いてくれるようになったそうです。
そして、ガミガミ言わなくなってからお子さんが自分でやるべきことをやり出すようになったそうです。
例えば、
・以前は嫌がってやらなかった歯磨きをフロスまで使って自分でやるようになった。
・部屋をコロコロで掃除したり整理整頓したりできるようになった。
・お風呂洗いのお手伝いをやってくれるようになった。
・身だしなみを意識するようになった。
このような変化が見られたようです。
「時々は「ガミガミ」と言いたくなる時もありましたが、発達障害の子に言っても効かない理由を勉強したのでその通りにやってみようと思いました。」と、ご報告をくださいました。
それは、お子さんが、もともと自分で動き出すチカラを持っていたという証でもあります。
それでは、どうして最初から自分で動き出そうとしなかったのでしょうか?
3.育てにくい発達障害キッズにガミガミが逆効果な理由
最初から自分で動き出そうとしなかった理由、それはやっぱり人間ですから「やりたくないなー」という日もあります。
その「やりたくないなー」の日を何度も何度も注意されるので、「うざっ」「めんどくさ」とネガティブな反応が強まって行動しなくなっちゃうのです。
なぜガミガミや否定的な声かけをやめるかというと、それには理由があります。
お説教や怒った声は行動にブレーキをかけるマイナスの働きがあるからです。
感情の脳は、運動を司る脳と仲良しなので子どもの感情を苛立たせる時間が増えるほど行動量が減りやすくなるからです。
もちろん、発達障害・グレーゾーンの子は、その発達の特性も影響してガミガミをやめることで全てのことができるようになるとは限りません。
それは、また、別の回の講座でしっかり「動くチカラ」を育てていく声かけで伸ばしていきます。
では、お母さんが育てにくいと感じていた子が、もともと持っていた「動くチカラ」を引き出す方法を知りたくないですか?
実は、簡単にできる方法があるんです!
4.理想を低く“戦略的脱ガミガミ”のススメ!
お子さんの行動量を増やすためにお母さんに最初にやってほしいことは、
指示したりガミガミ言わないで普通に会話をするだけの日を作ってください、ということです。
お子さんがダラダラしてやっていることを否定せずに観察していると、自然と感情的でない会話が生まれます。
「今日、すずしいね」
「7時のテレビで面白い特番やるんだって」
そんな何気ない会話をしてみてください。
これをやるには、お母さんが育てにくい子への理想を手放す必要があります。
「今日は何もやらなくても仕方ない!」と腹をくくって、お子さんの様子をじっくり観察してみてください。
観察していると、「今はダラダラしてやる気をためているんだ」とか「今は子どもなりにゲームを研究中なんだ」と子どもの状態がわかるので、戦略的に放っておくことができます。
お母さんがガミガミ言わないでいると、お子さんが自分でできることをやりだしたり、自分から話しかけてきたり、お子さんの行動に変化が出てきます!
以前はガミガミ母さんだった私ですが、発コミュトレーナーとして研究を続けることで、脳の仕組みがわかったら、ガミガミは効果がないんだと理解できるようになりました。
「どうせ、言っても効かないなら試しに言うのをやめてみよう」そんな気持ちで子どもを放っておくことにトライすることを生徒さんにもオススメしています!
何か新しいテクニックを覚えたり、使うとなると、知識が必要になりますがガミガミをやめて、普通に会話をするだけの挑戦なら今日からでもできそうですよね!
ぜひ“ガミガミをやめること”にトライして、お子さんが何をしだすか!?観察してみてくださいね!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
ガミガミ言わなくても動く子になるヒントがあります!