1.発達障害の子どもの小学校卒業後の進路は?
発達障害の小学生の進学先として、公立の学校よりも私立中学を検討しようかなと考えているご家庭が多くなっていると思います。
高校受験で苦労しないように、高校へ内部進学できる中高一貫校を狙う。
子どもの多様性を受け入れてくれて、発達の特性にも理解してくれるところがいい。
等、理由は様々だと思います。
一般的にも、中学受験をするお子さんの人口は増加傾向にあると言われています。少子化でお子さんに教育費がかけられるご家庭が増えたり、公立校の授業時間の削減などで学習の環境を積極的に選ぶご家庭が増えたせいとも言われています。
そのため、中学受験は定型発達のお子さんでも厳しい戦いになりがちです。
ましてや、発達凸凹キッズの場合は、たくさんの範囲を計画的にこなしたり、長時間の拘束時間、興味のないところまで徹底的に勉強しなければならないなど、たくさんの乗り越えるべき壁が立ちはだかってきます。
そのため、受験を突破して、子どもに合った楽しい中学・高校生活を送るためには、子どもの特性別に対策を考える必要があるんです。
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2.発達凸凹キッズが中学受験で抱える問題と強み!
ADHD(注意欠陥多動症)の特性を持っていると、同じ場所に長時間座っているのも苦痛、お友だちや目新しいものが気になって集中もできないということが起きてきます。家での勉強もゲームなどの切り替えがうまくいかず、上手に勉強時間が確保できないことがあります。不注意などもケアレスミスにつながって点数を逃してしまいます。
一方で、好奇心旺盛なので新しい単元に行くと、興味を示してくれることも大いにあります。先生と気が合えば、その人への興味で授業にも身が入るということもありますね。
ASD(自閉症スペクトラム症)タイプの子だと、好きな教科とそうでないものの差が激しく、対人面のコミュニケーションが苦手なので質問をしたりできない場合があります。空気を読むのに必死で疲れてしまったり、自分の時間がなくなってストレスになったりすることも。
良い点として、本人が気に入れば勉強をルーティーン化できるという強みもあります。習慣化してしまえばそれは何よりも強みになります。
このように、発達の特性による問題と強みを両方理解したうえで中学受験対策をするのがいいと思います。
塾選びは、個別指導にするか、オンラインにするか、大手塾にするかなど大切な環境を決めるものです。
大手塾は入るにも試験をクリアしなければならなかったり、入った後もテストのたびにクラス替えや席順が変わり、環境の変化の大きいところと言えます。そういった意味でASDのお子さんは環境の変化の少ないところが向いているかもしれません。
とはいえ、中学受験塾は一気に「競争社会」の様相です。自分のペースが大事な発達凸凹キッズの負担を減らし、できるだけスムーズに成功体験にしてあげたいですよね?
3.ADHD・ASDの息子が直面した受験での困難!
我が家は中学受験を決めた当時、息子のことを定型発達の子どもだと思っていました。むしろ、知識も豊富で好奇心旺盛。だから、何の心配もなく塾も選んだのです。
実際にはADHDの特性もASDの特性も併せ持った子どもだったのですが…
目標にする中学校は、息子の自由で伸び伸びとした雰囲気にあった私立の中高一貫校でした。そんなに大変な努力を要する必要もないくらいの学校でしたが、少人数で行き届いており、独特の感性をもった息子を伸ばしてくれそうでした。
中高一貫で余裕のある青春時代を、好きなことをしながら送れる。そう思い、本人も塾に積極的に通い始めました。
しかし、いざ塾に通い始めてみると、次のような問題が起こりました。
・宿題をしない
・トイレに中座して戻ってこない
・テストのやり直しをしない
・志望校の合格ラインと自分の成績のギャップが分からない、興味がない
・ストレスがたまると腹痛が出る
などです。先生からこのような指摘をいただき本人とも相談しましたが、一向に治りませんでした。
一方で、知識が豊富なので先生の質問には答えることができ、テストも本気で受けると合格ラインの結果をたたき出しました。
ですので、先生からもある程度評価されており、そこまで厳しい指導が入らないまま、結果的には最後まで通い続けることができたのですが…
では、具体的にどのようにサポートすればよいかお伝えしていきますね。
4.発達凸凹キッズが中学受を乗り越えるためには!
発達凸凹キッズの中学受験をサポートする際には、発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)の実践が大いに役立ちます。
◆日々しっかりと子どもを肯定する声かけを
日頃からできている点だけにフォーカスされている子は、切り替え上手で集中力も発揮できます。
だから肯定的な注目が大前提です。
身体症状が出るときは、塾を休ませることもたびたびありましたが、本人がストレスを自覚しにくいので、親が良く観察して対応が必要なところでした。
家ではとにかく勉強以外の趣味の時間確保することを大事にしました。やりたいことのたくさんある子でしたので、「勉強は塾でやる」と親子で納得していました。
◆発達に関わる困りごとを減らしておく
本格的な受験勉強に入る前に、困りごとを減らしておくのが得策です。
不安や完璧主義、多動などの状態が顕著だと、受験勉強に取り組む際に本人もご家族も大変です。精神的に安定して前向きに取り組めるような状態になっておくと、お子さん自身もご家族も前に進みやすいと思います。
日々の肯定的な声かけと、褒め言葉とセットにしたご褒美をあげるのがポイントです!
子どもの行動を「いいね!」「そうだね!」と肯定し、「よく考えてるんだね」「うまくいったね」と褒め言葉も伝えましょう。肯定や褒め言葉で気持ちが落ち着いてくると、ストレスにも強くなりますし、柔軟に物事を考えられるようになっていきます。
◆大事な志望校選びは慎重に!
校風が良いというだけで安易に志望校を決めてしまわずに、事前に発達凸凹がある子にはどんな配慮がしてもらえるのか、学校の説明会や個別の相談、口コミなどしっかりと情報を集めて決めましょう。
(発達科学コミュニケーショントレーナー)