1. 発達障害で不登校のお子さんが歯磨きをやる気になれない理由とは?
発達障害のお子さんが不登校になり、歯磨きを始めるまでに時間がかかったり、歯を磨こうとしなかったりしていませんか?
きっと、お母さんは、毎日、そのようなお子さんの様子をみてイライラし、心配になられていると思いす。
発達の凸凹がある子は、何かを「やろう!」というスイッチがなかなか入りにくい傾向にあります。
そんなお子さんの不登校生活が始まり、「やろう!」とする意志が更に低下すると歯磨きに取り組めない状態が続き困ってしまいますね。
実は、お子さんが、「歯磨きをやろう」と決めるには、自己肯定感が深く関係しています。その自己肯定感が低下することで、歯磨きを最初から最後までやりきる力が弱くなってしまい歯磨きができなくなってしまうのです。
それでは、息子が不登校になり歯磨きができなくなってしまったエピソードをお伝えします。
2.歯磨き嫌いな息のエピソードをご紹介!
息子は小学5年の2学期から不登校になり、中学は、最初の3ヵ月ほど登校しましたが、その後また不登校になってしまいました。
当時、息子が中学校に行けなくなった頃から食事後の歯磨きができなくなっていきました。食事後の歯磨きを始めるまでに数時間かかり、その間、私は、20回以上「歯磨きやって」と言っていました。
そして、口うるさく言う私に、息子がキレて、喧嘩になることもよくありました。本当に、今までできていた「歯を磨く」ということができなくなってしまったことに、私は内心ショックを受けていました。
そして、私は、ショックを隠すように息子に口うるさく歯を磨くように言ってしまっていたのです。このように息子の苦手な事へ注目し、声かけをすることは、息子の不登校になってから下がってしまった自己肯定感を更に下げてしまっていたのでした。
次に、今までできていたことができなくなってしまった状態から、やろうという意思を上げていくために、我が家で取り組んだ自己肯定感を高める方法をお伝えします。
3.歯磨きをやる気にさせる声かけ術!
♦歯磨きの時の声かけ
歯磨きをやりたくない時は、無理にやらせません。
歯磨きができないときは、息子に「歯磨き、辛いよね」と伝えました。
それから、息子に、
「マウスウォッシュはどうかな?」や
「歯ブラシを変えてみる?」と聞き、
息子に選択させ、取り組みやすくしました。
「マウスウォッシュならできるよね」とか「歯ブラシ変えれば磨けるよね」と押し付けるように言うのはやめましょう。
すると息子は、「マウスウォッシュでやってみたい」と言うので息子とマウスウォッシュを買いに行き、息子に好きな味のマウスウォッシュを決めさせました。
歯磨きはできなくても、スモールステップで、今の息子のできるところから少しずつ取り組んでいきまた。
すると徐々に私の声かけなしで、マウスウォッシュができるようになっていきました。
♦歯磨きの場面以外の声かけ
息子がワクワクする予定を計画し、一緒に外出する機会を作っていきました。
息子が「楽しい!」や「ワクワクする!」という気持ちが高まる機会をたくさん作る事を大切にしました。
計画を立てる時は、息子ひとりでは決められなかったので、
「映画、観にいく?」
「それともサッカー、観に行く?」
と問いかけ、どちらも嫌なときは、息子に笑顔で、「じゃあ、お母さんが楽しそうな所選ぶね!」と穏やかに伝え、「前に行って楽しかったからバッティングセンター行こう!」と私が決める日もありました。
バッティングセンターでは、
「打つフォーム、かっこいいね」や
「今のボール、早かったけど、よく打てたね」
「お母さんに打ち方教えて」
など声かけをしました。
息子と一緒に息子の好きな事に取り組むということは、
「あなたのこと考えているよ」という肯定的なかかわり方にもなります。
そして、息子の「安心」を作る時間になっていきました。その積み重ねをしていくと、少しずつ息子と楽しく過ごせる時間が増えていき、息子は、自分の将来のことについて話すようになり、自己肯定感が上がったと感じることができました。
自己肯定感が上がってきたことから今までどうしてもできなかった歯磨きもできるようになりました!
いかがでしたか?歯磨きができないときは、歯磨きだけにアプローチするのではありません!
皆さんも、お子さんの自己肯定感が上がるように一緒に何かに取り組み、肯定の声かけをし、やる気スイッチが入るような楽しい時間をたくさん作ってくださいね!
お母さんの声かけが変わるとお子さんは必ず変わっていきますよ!
執筆者:小川 薫
(発達科学コミュニケーション リサーチャーv)
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