発達障害で元不登校!?ADHDの子どもの明るい未来を描いたお母さんの対応法!~通信制高校N高を選んだ親子の体験談~前編

発達障害の子どもが不登校になってしまった時、母親である私たちは子どもの将来に不安になってしまいますよね。今回は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持ちながら不登校も経験し通信制高校を選択した子どもを持つお母さんに、様々な対応法を伺いました!

1.発達障害の我が子が不登校になったらどうしよう!と不安になっていた私とKさんの偶然の再会

学校が苦手な子どもをを育てていると、子どもがこれからどうなっていくのだろうと不安になりますよね。

私は、自閉症スペクトラム(ASD)+注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ次男に少し不安を抱いていました。

通院している発達外来の主治医に突然、「この子は大きくなったら不登校になるかもしれません。」と言われてしまったからです。

このとき初めて、私は「不登校」が他人ごとではなく、自分にも起こりえることなのかもしれないと意識しました。

「学校には絶対に行かなくてはならない!」そんな考えを持っていた私は、我が子がそうなったときにどんな対応をするのだろうと、とても不安になりました。

それだけ私にとっては「不登校」という言葉はネガティブなものであり、ネガティブな情報しか持っていなかったのです。

私の中では、例え発達の特性を持っていたとしても、義務教育を終え、全日制高校に進学し大学に行き、就職する、こんなシナリオが完成していて、これ以外の選択肢はない、と思っていました。

ところが、幼稚園時代の知り合いのKさんとの偶然の再会がその不安を手放すきっかけになったのです。

「こんにちは!」と話しかけたKさんの傍らには、背の高い息子さんがひとり。

息子さんに発達障害があり、不登校気味だという話は聞いたことがあったのですが、息子さんに直接会ったのはこのときが初めてでした。

私は「あれ?息子さん何歳でしたっけ?」と聞きました。

するとKさんは「高1です!通信制高校のN高に進学したんです!」と笑顔で教えてくれました。

隣にたたずむ息子さんもニコニコ。とても穏やかにお母さんと話していました。

N高の事は少し聞いたことがありましたが、どんな学校なのか興味が湧いてきました。

そして、通信制高校を選んだこのKさん親子のことをもっと知りたくなりました。

どうしてN高を選んだのだろう?
どんなふうに進路について話し合ったのだろう?
発達障害があっても、こんなに穏やかに笑いあっている親子関係をどうやって築いたのだろう?

ですので、発達障害を持っていて不登校を経験、ましてや「全日制高校以外の進学」という私の常識外の選択をしたKさん親子の考え方をもっと知りたい!と思い、お話をお伺いしました。

発達障害グレーゾーンのお子さんの進路に不安を抱くお母さんたちにも、参考にしていただきたいと思います。

2.N高ってどんな学校?ADHDタイプのKさん親子が選んだ理由とは?

N高とは、正式名称が学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校といいます。

2016年4月に開校した通信制の「ネットの高校」で、本校は沖縄県の伊計島にあります。

理念は「常識を変えて、世界を変える。」

同校の理事である、実業家の川上量生さんは「通信制高校は全日制高校に通えないから仕方なく選ぶもの」というイメージが社会にある、と指摘した上で、積極的な選択肢となる高校にしたいと言っています。

◆コースはネットコースと通学コースの2つ

ネットコースと通学コースがあり、ネットコースは授業やレポート提出がインターネットを通じて行われます。

スクーリングは、全国各地の会場で年5回受けるか、年1回の沖縄本校へのプレミアムスクーリングに行くかが選べて、テストは年1回行われます。

通学コースは東京、仙台、大阪、福岡など全国各地の計13か所(2019年6月現在)にキャンパスがあり、週5、週3、週1の3コースから選べます。

◆魅力的なカリキュラムが充実

どちらの通学スタイルでも、ベーシックな単位認定授業の他に、課外授業として大学受験授業や、中学復習授業、プログラミング、語学授業などがあります。

更に好きなことを学びたい人には、小説やイラスト、ゲームプログラミング、音楽制作、パティシエ、美容関連、職業体験などの授業も充実しています。

文化祭は毎年1回行われる超人気イベント、ニコニコ超会議の中で行われます。

◆学力よりも意欲を重視!

入試は書類と面接(必要に応じて)がありますが、現在の学力よりも、「将来こうなりたい!」という意欲を重視していて、将来の夢や目標がある方や、夢や目標を見つけたい方、今の自分を変えたい方のチャレンジを待っているようです!

早速Kさん親子に、N高を選んだ理由を聞いてみました。

ーーどうして、N高を選んだのですか?

【息子さん】

机に座り授業を受けるのが苦痛で、人付き合いも得意ではないので毎日学校に通学するのは嫌でした。

N高はカリキュラムを自分で組むことができて、課題の提出にもある程度猶予があるので、気持ちにも余裕ができるかなと思いました。

自分のやりたいときに、スマホなどで、自分のペースで勉強ができるのがいいなと思いました。

様々な課外授業にも興味があり、文化祭などのイベントも楽しそうだなと思いました。」

【Kさん】

「とにかく様々な通信制高校や、近場の全日制高校などを見ました。

その中でメリット、デメリットをたくさん出して、息子の発達特性に合っているか、子どもの興味のあることが学べるか、親としてどこまで支援できるか(学費や通学面)などをとにかく親子で話し合いました。

通学の場合には、ADHDである息子にとって時間的な拘束が長いことや、机に座って授業を受けることがストレスになり、問題行動が増えることを懸念しました。

N高に決めたポイントは、自宅で学習できるから、息子の発達特性の問題をクリアできたことが大きかったです。

それに、N高ならではの授業やイベントや職業体験、提携校が充実していたこと、数ある通信制高校の中でも金額がリーズナブルだったこと、ただ高校卒業資格を取得するだけでなく、個性を大切に育ててもらえる学びがあると思ったからです。

知り合いのお子さんがN高に通っていたので実際に話が聞けたこともよかったです。」

3.進路選びのポイントは○○な親子関係!

さて、皆さんはKさん親子がお互い納得のいく高校を選べたポイントがわかりましたか?

それは進路についてたくさん話し合える、良好な親子関係を築いた、ということです。

進路に関する話し合いは、実はとても難しいことなのです。

普段から親子で口喧嘩やバトルが絶えない、という関係ではなかなか本音で話し合うことができません。

進路を選ぶためには、

・子どもの特性にあった学校か
・子どものやりたいことができるか
・親がどこまで支援できるか(金銭面、通学面)

など、様々なことを話し合う必要があります。

ですので、親子でスムーズなコミュニケーションが取れていると、進路についても楽しく話すことができるのです。

では、Kさん親子は、どのようにして良好な親子関係を築いたのでしょう?

後編では、Kさんの息子さんの発達特性がわかってから、Kさんがどのように対応したのか、どのような気持ちの変化があったのか、に迫りたいと思います。

どうぞお楽しみに!

後編はこちらです!

執筆者:別井理恵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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