発達障害・ADHDタイプの「高学年になってもなくならない癇癪」が落ち着く2ステップ

発達障害・ADHDタイプのお子さんの高学年になってもおさまらない癇癪は、本人もコントロールできず苦しんでいます。癇癪やキレる理由を理解して正しい関わり方のステップで対応すれば、高学年、思春期のお子さんでも落ち着かせることができます!
 

1.発達障害・ADHDタイプの高学年になってもなくならない癇癪におびえていませんか?

お子さんの年齢が上がってくるとキレる(癇癪)パワーも強くなりますよね。

「今日も癇癪が起きるかも…」と怯えて過ごす毎日を送っていませんか?

我が家の場合、息子のキレる時の言葉や態度に私が反応してしまい、取っ組み合いの喧嘩になってしまうこともしょっちゅうでした。

今回は、 発達障害・注意欠陥多動障害(ADHD)タイプの小学校高学年の息子さんの激しい癇癪、キレる、が落ち着かずに困っていたママがどんな対応をして乗り越えたのか、体験談をもとにお伝えします!

2.手に負えない激しい癇癪が3か月で変化!

発達科学コミュニケーション講座(発コミュ講座)を受講されたUさん親子の体験談です。

Uさんは発達障害・ADHDタイプのグレーゾーンの小学校5年生男の子のお母さんです。Uさんは幼少の頃から息子さんの癇癪が激しく悩んでおられました。

・公園で遊んでいて帰る時間がきても「まだ帰らない!」と怒って帰ろうとしない。
宿題をしていてわからない問題があると「わからない!」と言って怒って暴れる。
ゲームで負けると、暴言をはきながら暴れる。

体も大きくなっている分、声もパワーも強くなり近所へのご迷惑も心配だったのですが、落ち着かせようと対応しても落ち着くことはなくかえってヒートアップしていくばかりでした。加えて「うるせえ!」「だまれ!」「お前のせいだ!」などの暴言やノートを投げる、蹴られるといった暴力も起こっていました。

そんなお子さんの様子にUさんはいつも「また癇癪がおきたらどうしよう?」「どう対応したらいいかわらない。」と不安になってしまい、いつしか「自分の子育てが悪いのかも」と自分を責めるようになっていました。

お母さんが発コミュ講座を受講したところ、息子さんは3ヶ月間で大きな変化がありました!

・癇癪、キレる、暴言がすっかり落ち着きました
・学校でも嫌なことがあると以前は教室を飛び出していましたが、自分で落ち着けるようになりました。
・いつもイライラしていた様子はなくなり、笑顔で登校するようになりました。
・お家での対応がわかったので学校の先生とも連携しやすくなりました。

このような大変化をとげた息子さんですが、そもそもなぜこんなに激しく癇癪が起こっていたのか、次に解説してきますね。

3.なぜ発達障害・ ADHD傾向のある子どもの癇癪は激しいのか

子どもが成長していく過程で反抗期というのは何回か通りますが、なぜ、発達障害・ADHD傾向のあるお子さんの癇癪やキレる様子はこんなに激しいのでしょうか?

発達障害・ADHDのタイプのお子さんの特性として
・感情のコントロールが苦手
・我慢をするのが苦手
・カッとなったら衝動的に手や口が出てしまう
・物事の受け取り方に偏りがあり誤った理解でイライラしてしまう
などがあります。

これらの特性によって発達障害・ADHDタイプのお子さんは特に興奮しやすく、一度スイッチが入ってしまうとブレーキも効きにくいためパワーのある激しい癇癪となって表れやすいのです。

また、癇癪を繰り返すことで脳が「イライラしたら癇癪を起こせばいい」と誤った学習をしてしまい癇癪が止まりにくくなってしまうことも少なくありません。

お子さんは、お母さんが嫌いだから、お母さんを困らせたいから、癇癪を起こしたり、キレたりしているわけではないのです。お子さん自身もすぐに癇癪を起こしてしまうことに本当は困っているのです。

自分でコントロールができないのですから、相当辛いはずです。

だからこそ、お母さんの正しい対応でお子さんにも 上手に学ばせてあげることが大切になります!
では、Uさんは、実際にお家でどんな対応をしたのでしょうか?

4.高学年ADHDさんの激しいキレ方(癇癪)が落ち着く2ステップ

◆スルーをする

1つ目は、癇癪を起こしたときはスルーをすることです。癇癪=好ましくない行動なので好ましくない行動はスルーします。

子どもが、好ましくない行動をするたびに、お母さんが反応すると、お子さんは「お母さんの注目を引くことができた」と感じます。

「好ましくない行動をすればお母さんが相手をしてくれる」と間違った理解をしてしまいます。

だから、癇癪がはじまったら即座に、完全に、スルーをします。

唯一注意してほしいのは子どもの安全、のみ。近くに、投げたら危ないものがないかどうか、など安全に気を配りながら子どもの方に視線も体もいっさい向けません!子どもからしたら「あれ?お母さん反応しないぞ」という状態です。

これをやっても「意味がない、効果がない」と学んでいくため、しだいに別の方法で注目をひく方法を考えるようになります。

◆落ち着いたら必ず肯定的な声かけを!

スルーするだけでは実はうまくいきません。癇癪や暴言がおさまったら気持ちを切り替えて落ち着けたことを言葉にして伝えていきましょう。

肯定の役割は「その行動でOKだよ」と教えてあげることです。スルーでは「NG行動」を教え、肯定で「YESの行動」を教える…1セットになっているからうまくいくのです!

癇癪が落ち着くとお子さんの方から話かけてきたり別の行動にシフトしたり、文句を言いながらでも散らかしたものを片付け始めたり、何かしらお子さんに変化があります!その小さな変化を見逃さずに一声かけてあげましょう。

肯定の声かけがわざとらしくなってしまうような時は「おやつでも食べない?」「今日の晩御飯なににしようか?」こんなたわいもない会話でもOKです。

お母さんが明るく声をかけることだけでも十分ですよ!

穏やかに過ごしているときはお母さんがちゃんと関わってくれることを、お子さんが学んでいきます。高学年になるとお子さんも大きくなるし力も強くなってくるのでお母さんも対応に迷ってしまうこともあると思います。

発達障害・ADHDタイプの子の癇癪やキレる理由を理解して正しい関わり方のステップで対応すれば、高学年、思春期のお子さんでも癇癪、暴言、キレる、を落ち着かせることができます!

落ち着くことができたという体験はお子さんの自信にもつながります。お子さんのイライラや暴言に巻き込まれることなくうまくいく対応をしっかり身につけて親子で自信をつけていきましょう!

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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