ホームスクーラーに聞きました!子どもが学校に行かず自分らしくイキイキ過ごす選択がある!

発達障害・グレーゾーンの⼦どもの中には「学校」に縛られ、才能が発揮できていない子がいます。でも、学校に⾏かなくてもイキイキと過ごす選択があるんです!現在ホームスクーラーで⼦育て真っ最中のお母さんに取材してきました!

1.不登校の⼦への今までの対応が発達障害・グレーゾーンの⼦に合わないのはなぜか?

私の息子は⾃閉症スペクトラム(ASD)の特性があります。

⼩3のとき、急に「学校に⾏きたくない!」「⾏かない!」と言い出し、息子は家を飛び出しました。

そのとき、私はどうしたらいいかわからず、とにかく⼒づくでも行かせようとしましたが、全くうまくいきませんでした。

その後、学校以外の場所でも過ごせるように調整して、⾏ったり⾏かなかったりしている状況になりました。

思春期に⼊ると、本格的な不登校が始まりました。

加えて次男も「⾏かない」と⾔い出し始め、私はどうしたらいいのかわからず困りました。

このように子どもが突然「学校に行きたくない!」といったとき、お母さんたちは本当に不安で困ってしまいますよね。

私もわが子がそうなったときに、どういう対応がよかったのか、学校に行かないのなら他にどんな選択肢があるのか、もっと情報が欲しいと思いました。

例えば学校に通う以外の選択肢として、

・相談センターがやっている復学⽀援学級
不登校から学校へ戻ることを支援(手助け)する機関のことを指します。

・フリースクール
⺠間の教育機関。その地域の⼩・中学校とうまく連携していることも多く、フリースクールへの登校が学校の出席扱いとされるケースもあります。

・ホームスクール(ホームエデュケーション)

以上に挙げたように、学校以外の選択肢はいくつかあります。

発達障害・グレーゾーンの子の不登校の背景を考えると、集団行動や対人関係の苦手さから、外に行くことや家族以外の人に会うことすら苦手意識を持っている子もいます。

そんな子どもに対して親や先生はつい「どうやったら学校に行かせられるか」ばかりを考えてしまいがち。

もちろん、うまくサポートしてあげることで学校に行けるようになる子もいます。

しかし、多くの子はプレッシャーやストレスを感じ、登校できないだけでなく、家で健康的に過ごすことすらできなくなっている子もいます。

本当に学校に無理やり行かせることだけが大切なのでしょうか?

子どもたちが元気に過ごす方法の1つとして、『ホームスクール』という考え方があります。

今日は、現役ホームスクーラーであるお母さんに知らなきゃ損する!?ホームスクールの魅力に迫ります!

2.ホームスクール・ホームスクーラーって何?

ホームスクールとは学校に通わずに(時には学校に通いながら)、家庭で学習するスタイルのことです。

親が様々な分野の指導をする方法、家庭教師や塾、教材などを⽤いるなど、学校の授業や⾏事の⼀部に参加しながら⾏う方法があります。

他にホームエデュケーション(home education)などとも呼ばれています。ホームスクールを実践している家庭のことをホームスクーラーと呼びます。

◆どうして⽇本ではホームスクールが広がらないの?

教育機会確保法が平成28年に成立し、学校に行けない子が、学校以外で教育を受ける場所が、以前よりも認められるようになってきました。

現在、不登校の⼦が13万5000⼈(⼩・中)いる中で、ホームスクールを取り⼊れているご家庭は推測で3000世帯。

これから増えていくだろうと予想はされています。

ですが、日本ではまだホームスクールの認知度が低いこと、義務教育を学校以外で⾏うことは認められていなかった過去の経緯があり、社会全体の認識としては「義務教育は学校に⾏き、学ばせなければならない」という考え⽅が根強く残っています。

◆ホームスクールの良さはこんなこと

実は、ホームスクールは、発達障害グレーゾーンの子の居場所として様々な魅力があります。

例えば、“授業時間”の観点から考えると、

・集中力のないお子さん

短い時間に区切って学習させるなど、本人にあった時間の長さで、学びに集中させてあげることができます。

・集団行動や行事が苦手なお子さん

行事に無理やり参加することで心身の不調をきたす子もいます。そのようなお子さんにとっては集団行動を無理にさせない、という選択肢も大切かもしれません。

また、発達凸凹のある子たちは、対人関係の苦手さを抱えている子もいるので、そのストレスを軽減してあげる方法の1つとして考えるのも良いでしょう。

・みんなと同じことをするのはちょっと苦手。でも好きなことなら全力で取り組めるお子さん

発達障害・グレーゾーンの子たちの「苦手」は、ただやる気がないだけではありません。

脳の得意と苦手の凸凹が大きいので、努力だけで苦手を克服しにくい子も多いのです。

そんな子たちには、できないことをガミガミ言い続けるよりも、得意を伸ばして自信をつけてあげるという視点が大切になってきます。

なので、カリキュラムにとらわれずに、得意なことの学びを増やしてあげられる方法を考えるのも、実は大切なコトなのです。

発達障害・グレーゾーンの⼦どもたちは学校でできないところに注⽬されがちです。

怒られたり、注意され⾃信を失っている⼦が多いという現実があります。

ホームスクールでは、得意なことを伸ばしてあげたり、子どもに自信をつけてあげる、という考え方が根本にあります。

そこで、今回は実際にホームスクーラーであるるSさんにお話を伺ってきました。

発達障害・グレーゾーンで「学校に行きたくない」というお子さんを持つお母さんたちの場所選びの参考にしていただけると嬉しいです。

3.ホームスクールを選んだお⺟さんとお⼦さんの体験記

19歳(Mさん)15歳(Sちゃん)12歳(Hちゃん)5歳(Rちゃん)とお⺟さんSさん。 ホームスクール歴12年⽬。

◆ホームスクールを選んだきっかけ

ーーホームスクールを選んだきっかけはなんですか?

「もともとホームスクールのことはアメリカの友達から聞いていて知っていました。

⻑⼥が森のようちえん(自然の中で行う幼児教育)の年中さんのときに、がけのぼりをしていた姿を⾒て、これからも好きなことを好きなようにさせていきたいな…

学校に⾏くと時間割に縛られてしまうし窮屈そうだなと。

⼦どもが好奇⼼を持ったものをずっとやらせたいなと思ったのが始まりでした。

そして⽇本ホームスクール⽀援協会について調べました。

また、実際にホームスクーラーの⽅の本を読んで、参考にしました。

その中で、『⼤事なことは親が教えていくべき』というところに、そうだな〜と感じて、主⼈とよく話し合いを重ねました。

⼩学校には⻑⼥とオープンスクールの⾒学に⾏きました。

娘の気持ちも聞いたうえで、ホームスクールにしようと決めました。」

◆ホームスクールのメリット、デメリット

ーーホームスクールのメリット、デメリットをお聞かせください。

「私にとってはメリットが大きいと感じます。

⼤⼈の理不尽な要求を押し付けられることがないので、⼦どもたちは⼤⼈が好きです。

⼩学校に⾏っている⼦の話を聞くと、嫌なこと、やりたくないこともやらされたりしているって…

ホームスクールではそういったことがないので、⼤⼈に対して警戒⼼がないかな。

あと、時間の制約がない分、好きなことを好きなだけやらせてあげられるところがいいです。

私の考えが正解というわけではないですが、ホームスクールの最⼤の利点の⼀つは、親が⼤切にしていること、⼦どもに学ばせたいと思っていることを、他⼈の介⼊なしに⼗分に我が⼦に教えられるということだと思います。

学校のやり⽅が親の考えとあまりにもかけ離れている場合は、⼦どもが混乱したりサポートしきれないことが多くなるように思います。

⼩学校⾼学年や中学⽣になれば、自分と価値観が異なる⼤⼈に会っても⾃分の気持ちや考えを⼤事にできるかもしれないけど、6歳や7歳ではなかなか難しいと思います。」

Sちゃん:「平⽇でもいつでも旅⾏に⾏けることがいいところかなって思います。」

デメリットは、運動会や修学旅行などの学校ならではの行事が、経験できないっていうことくらいです。

⼦どもたちには『学校に⾏きたかったら、⾏っていいんだよ』と⾔ってきました。

ただ、⼦どもたちが選ばなかったんですよね。

今思えば、子どもたちは未経験のことをイメージしにくいので、学校に⾏ったことがなければ、どっちがいいかの判断もできなかっただろうな、学校に⾏ってから決めさせてもよかったのかもしれないな、と思いますね。」

◆⼦どもの勉強の仕方について

ーー勉強はどのようにされていますか?

「私は『勉強しなさい』って⾔ったことがなくって。

ただ、⻑⼥が低学年の時、おやつをわけるときに算数をしていて、⼀⽣懸命⾜し算をしていたから、『九九を覚えたら簡単だよ』っていったら、『そしたらつまんないじゃん、⾜すことが⾯⽩いの』と⾜すことを楽しんでいたから好きなだけやらせました。

6年⽣になって、掛け算し始めたから、『掛け算するんだね』といったら、『だって⾜していくのがめんどくさいじゃん』って。

⼦どものペースで学びを深めていくことができています。

あと、⼦どもたちは本が好きで、よく読んでいるかな。でも漢字は書けない。

必要と感じたら⼦どもたちが⾃発的にやりますよ。

私は、勉強は⾃分からやるものだと思っているし、うちの⼦どもたちはみんな勉強が好きですよ。

誰かがドリルを持ってきてやり始めると、他の⼦もやり始めたりします。

ドリルも買ってほしいと⾔われたら買います。」

◆⼦どもたちの社会性、協調性は⼤丈夫!?

ーー社会性、協調性について、⼼配はなかったですか?

「ホームスクールを始めるにあたってこの2点について、全く⼼配はしてなかったです。

『社会性』は『他⼈と上⼿くやっていく⼒』ってとらえています。

それで⾔えば、『家庭』は⼈が最初に経験する社会であるので、家族とどうやって楽しくうまく暮らしていくかっていうことを⽇々体験することで、コミュニケーションに必要な知識やスキルの基礎を学べます。

そして、それらを習いごとやバイトなどで、外に出ていったときに実践しながら、さらに学んでいけるといいなと考えています。

また、『協調性』については、⼈と協調するときに⼤事なことは『強制されていないこと』だと私は思っています。

その点でいうと、学校という場所は協調性を学ぶのに最適な場所とは⾔えないなと思っています。」

4.ホームスクールの実体験をお聞きして思うこと

ホームスクールでは、自分のペースでのびのびと、自分の興味がある学びを深めることができるというところがいいなと思いました。

学校と違って強制されず、自分の好きな時に好きなことを学ぶスタイルが、子どもの才能を伸ばしていくんだと思います。

そう考えると、学校に行かない選択をする子どもの未来が楽しみになってきませんか?

次の記事では、ホームスクールを選んだSさんの子どもたちに対する将来像をお聞きしました。

Sさんは学校に行かないという選択をしたお子さんの将来をどのように描いたのでしょう?

また、お家で子どもがイキイキと過ごすにはどのように関わればいいのでしょう?

ホームスクール中のママの視点から学ぶ、お子さんとの接し方のヒントについてお伝えします!どうぞお楽しみに!

▼こちらの特集にも不登校情報満載です!

執筆者:山田さとみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

発達障害・グレーゾーンの子どもが自分らしくイキイキできる場所の選び方公開中!
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