1.決められないHSC女子と夏休みの自由研究で決める練習にトライ!
なにか質問しても、「どっちでもいい」「なんでもいい」という返事ばかりになってくる小学校高学年。「反抗期だから仕方ない」とあっさり諦めていませんか?
しかし、その様子、本当に反抗期だからという理由だけなのでしょうか。
我が家の娘も高学年になってくるにつれ、質問に対してはっきりしない答えばかりのことが増えていました。とうとう反抗期かぁ、大きくなったな。成長成長!なんてしんみりしたりもしていました。
しかし娘は、小学校低学年のころからまったく授業中は手を上げない。答えがわかっていても、間違っていたら嫌だから、目立つのが嫌だから。
私はそんな娘のことが気になってはいましたが、当時は「恥ずかしがりやだな。わかっていても手を上げないのよね…」と深くは考えませんでした。
間違ってもいいんだよ、教室は間違うところ、と言われても全く様子は変わりません。
私は発達科学コミュニケーションで様々な事例を聞く中で、HSC(人一倍敏感な子)の子はたとえ二択の質問でも、どんな答えだとしても正解な質問でも、周りの目が気になって答えられない(=答えが自分で決められない)ということを知りました。
娘は昔からにおいや音に敏感な面もあり、もしかしたら、ただの反抗期ではなく、HSCなんじゃないか…ということに気づいたのです。
しかし、高学年になってもこのまま自分の意見を言えないままでよいのだろうか…反抗期なだけ?と私は不安が募ってきました。
私が不安に思うようになった頃、夏休みに入りました。
夏休みといえば自由研究。 自由に好きなことを出来るワクワクできる課題ですが、我が家の娘はまったくやろうとしませんでした。
どんなことをやるのか、どんなテーマにするのか、おおよそのことすら考えるそぶりを見せません。
私は、高学年になったら、それなりのクオリティーのものを出さねばならない。そうでないと恥ずかしいと思っていました。工作でなく研究のほうが高学年っぽいよね?とも思っていました。
そのため、いつもああしたら?こうしたら?と娘の夏休みの宿題に口出しをしていました。
しかし、自由研究は決めるポイントがたくさんあり、「自由」とあるだけあって、どう決めても正解!これは決めるための練習にはうってつけです。
決める練習にもなるし宿題のうちのオオモノを終わらせることもできてしまう、一石二鳥!と小学生最後の夏休みの自由研究は子どもに任せることにしました。
この記事では、実際にどうやって夏休みの自由研究を「決めるための練習」にしたのか、体験談をお伝えします。
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2.自分の意見を言えないHSCキッズに必要なポイントとは?
HSCの子どもは、感覚や人の気持ちに敏感で傷つきやすいという特徴があります。
そのため、自分の気持ちを言えない、自分が本当はどうしたいのか決められないという場面がよくあります。
「いいから好きなように決めなよ」
「悩み過ぎだよ」
等の言葉はHSCの子どもを傷つける上に、そういった言葉をかけても効果はありません。
HSCであってもそうでなくても、今まで自分で決めることができなかった人が明日から決められるようになる魔法のような方法はありません。
自分で決められないことを克服するためには「決めるための練習」をすることが効果的です。小さなことでも決められた経験の積み重ねをしていくことで、のちのち大きな決断もできるようになっていくのです。
決めるための練習に大事なポイントは
・すぐに結果が出ること
・自分で決められること
結果が出るまでに時間がかかる決断は、果たして良かったのか悪かったのか…新たな不安の種になってしまいます。また、世の中には自分ではどうしても決められないことがあります。
なので、決められるための練習には上記のポイントが大事です。
そこで私は、娘の自分で決められるための練習に夏休みの自由研究を活用してみたのです。
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3.ママの声かけと100円ショップで自信がつく!
◆さりげない声かけで自分で決められたと思わせる
前章でも述べた通り、昨日まで決められなかった子が今日から決められる、となるとは限りません。
ここはお母さんの出番。娘はいっこうに動こうとしなかったため、まずテーマ決めは、普段の子どもの様子から、興味のあるもの、好きなものから、さりげなく声かけをしました。
「前に○○やってみたいって言ってたね~」
「せっかくの夏休みだからやってみてもいいかもね~」
「今ならお母さん手伝えるよ~」
こんな声かけでさりげなく背中を押しました。直接的にガミガミいうと動かない娘も、「それもそうだな…」という気持ちになった様子でした。
◆100円ショップで決めてみよう!
声かけしてもテーマが思いつかないというお子さんには100円ショップでウインドーショッピングがおすすめです。
あれもやりたい!これもやりたい!と子どもが言い出しても、100円ショップであれば買ってみてから考える、としても、高額にはならないので気が楽です。
それに、専門店では膨大な商品数の中から決めるのは大変ですが、100円ショップであれば限られた品数の中から選べばよいので、決められない子どもにとっては決めやすいです。
最近ではさまざまな手作りキットも販売されています。
娘は羊毛フェルトの動物づくりに興味を持ち、100円ショップの手作りキットで動物を試作して、完成できたことで自信がつき、さらに動物の数を増やし、ピクニック風景を表現しました。
持ち運びしやすいように空き箱の中に作ろう。
空の雲は綿にしよう。
布で地面を表現しよう。
何色の布?みどり色?きみどり色?
どのくらいの大きさの布が必要?
決められなかった娘が、たくさん「決めること」を経験することができました。
決められた時には「よく考えたね!」「お母さん思いつかなかったな!」「決められたね!」と肯定の言葉をかけることで、安心した表情が見られました。
さらに提出した後の校内夏休み作品展で友達に「かわいい」と言ってもらえて自信もつきました。
現在中学一年生になった娘ですが、決められる練習を積み重ねています。
「お風呂は今入る?お父さんの後に入る?」
「今度の休み、食べたいものある?」
以前だったら「…(無言)」「どっちでもいい」「別に~」と決められない様子だったのが、答えが返ってくるようになっています。
皆さんも、お子さんの決められない様子が気になっていたら、この夏休みにぜひ自由研究で宿題もからめて小さな「決めるための練習」を積み重ねることをお勧めします!宿題も一つクリアできて一石二鳥、お母さんも少し楽になりますよ!
執筆者:岡千恵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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