1.無気力な子どもを変えたいけどうまくいかない…
子どもが不登校になってしまって、ママも色々と勉強をし対応を変えているのになかなか子どもが活動的にならなくて困っていませんか?
昼夜逆転してしまっている
毎日ゲームや動画ばかり
ため息をつくことが多い
「やりたいことがない」とぼやく
こんな様子の子どもと一緒にいると、ママもどよーんとした毎日。
以前のように叱っていないし、なるべく褒めるようにしている。
ゲームも時間制限しないでやらせてあげている。
子どもをちゃんと受け入れているつもりなのに、どうしてうちの子はいつまでたってもやる気が出ないのだろう?
いつまで待っていればいいのだろう?
学校に行かなくてもいいから、好きなことを頑張れる子になってほしい!
と思いますよね。
子どもが無気力になってしまうのには、理由があります。
この記事では、無気力になりやすい不登校キッズのやる気を引き出すための、お母さんの関わり方についてお伝えしていきます。
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2.不登校の子どものやる気がでないのはなぜ?
発達凸凹の特性を持つ子どもの中には、無気力状態になりやすく特に気をつけてあげたい子ども達がいます。
それは、自閉症スペクトラム症(ASD)や人一倍敏感なタイプの子(HSC)など、不安が強いタイプの子ども達です。
叱られたくないという気持ちからチャレンジして失敗することが怖かったり、
集団からはみ出すことが怖かったり、
不安な気持ちが強いことで、自分の気持ちに蓋をして大人の言われるままに行動してしまいやすい子ども達。
本当にやりたいことができなくなってしまうため、「自分は生きていても価値がない」「何をやっても楽しくない」という気持ちに陥ってしまいます。
人がやる気を出すために必要なものの一つに、
「自分でできた!」という感覚があります。
人に従ってやるだけではない、自分でやりたいと思って、やってみる!
そんな経験がうまくいくと、人の脳は喜びを感じてどんどん自分でやる気を高めていくことができるようになります。この、『自分でできた感』は、物を買ってもらうなどの外的に与えられるモチベーションよりも、持続しやすいと言われています。
ただし、この「自分でやってみる!」という感情から行動に移すには、不安の強い子の場合、最初から一人でやるのはハードルが高い場合もあります。
また、やりたいことがあっても、方法を探す力や、計画を立てる力が弱く、やり方がわからない…という場合もあるでしょう。
ちゃんと褒めているのになかなか変わらないと感じる場合、お子さんは、安心を与えるもう一歩先のサポートが必要なステージにいるのかもしれません。
3.ママのやらせたいことを褒めて、無気力を学習させてしまっていた⁉
我が家の中学3年生の息子は、小学4年生で不登校になりました。不登校歴4年のベテラン不登校キッズです!
息子は、ギフテッド2Eと呼ばれる、知能が高いながらも発達障害なども抱えている子です。
小さな頃から好奇心が強いものの、とても怖がりで、不安も強く、人の感情にも敏感な子どもでした。
不登校初期の頃から、私がやっていた対応は、
日常生活で肯定の声掛けを増やすこと
好きなことの話をしっかり聞いてあげること
でした。
そのおかげで、不登校でも規則正しい生活をし、部屋に引きこもることもなく、毎日楽しく生活できるようになりました。
最初はおウチに引きこもるばかりの生活だったのが、ミニ四駆作りにハマって夢中になったり、ポケモンカードゲームが好きになり街中へでかけ色んな人と対戦したり活動的にもなりました。
「ご飯よく食べたね!」
「勉強しているんだね!」
「ミニ四駆かっこよくできたね!」
と、しっかりと肯定。
私は、息子に不登校でも外出してほしい、不登校でも勉強してほしい、不登校でも規則正しく生活してほしいという願望があったので、やって欲しいことはたくさん褒めてあげていました。
しかし、息子の好きなことは、その後変化していき、私がどうしても興味が持てなかったり、息子の話だけでは理解できなかったりして、ありきたりな肯定しかできなくなってしまいました。
ゲームの話。
プログラミングの話。
世界情勢の話。
宇宙人の話。
世界の不思議な出来事の話。
色々なことに関心があるのは良いのですが、私の知識の範疇から超えてしまい、
ゲームに勝ったか負けたかを聞く
息子の話をひたすら「うん、うん」と聞く
相槌は、「へ〜!」「そうなんだ!」「なるほど〜!」と、
話を聞いてあげてはいるものの、具体的な褒めポイントがわからず、ありがちな反応しかとることができない状態。
話の中で、息子が「こんなことをやってみたいと思っているんだ」とやりたいことを言ってきてくれていても、よくわからないことだと、一緒に計画立ててあげることもできず日々が過ぎていく…
そして、
「この子は口だけ達者で動かない」
「やればできるのにやる気を出さないのはなんで?」
と、やりたいことがあっても、なかなか動き出せない理由を心の中で息子のせいにしてしまっていました。
すると、息子まで、「僕は口先だけで、何もやりとげることができない…」と、無力感を高めてしまうようになってしまいました。
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4.やる気の上がらない子どもに授けたい「自分で決めて動く力」を高められるあの場所
無気力な子どもの「やる気」を育てていくために一番重要なのが、『環境』です。興味のあることを伸ばそうと考えると、習い事が思いつくかもしれませんが、不登校の子どもにとって習い事に参加するのも大変ということがあるかもしれません。
それなら、「気になること」「やってみたいこと」が子どもの口から出てきたら、まずリサーチして一歩動き出す力をつけるサポートをしてあげましょう。
お母さんが、子どものやりたいことに興味がないと「そうなんだねー」で終わってしまいますが、お母さんも少し興味を持てると話が膨らみます。とはいえ、興味を持つことも難しいと感じることもあります。
私のおすすめは、大型の本屋さんへ行くこと!!
本屋さんで「好きな本をいくらでも買っていいよ‼」と伝えます。お財布事情に合わせて「いくらまでなら何冊でも買っていいよ」でも良いですね。ただし、あまりに範囲を狭めてしまうと結局我慢しなくてはいけなくなるので、好きに選んで決める効果が半減してしまいます。
最初は、漫画ばかり欲しいと言うかもしれませんが、それでもOK。自分で選んで決めることが大事なんです。
「どうしてその本読みたかったの?」
「どんな話?」
「読んでみてどうだった?」
と質問してあげてください。それから、
「お母さん、一緒に本屋さんに行けて楽しかったなー」
と伝えます。すると次第に、漫画以外でも好きなジャンルの本を選ぶようになります。
好きなことって家でネットでも調べられるんじゃない?と思うかもしれませんが、インターネットは自分の興味関心があるものを検索した結果のみ、情報を提案してくれるシステムです。
一方、本屋さんには、色々なジャンルの、色々な国の情報が集まってきます。興味のあるジャンルの中でも様々な情報に出会うことができます。
ネットだけでは出会うことのできない情報に出会うことができるし、親子で一緒に手にとって見ることができるので、子どもの興味を把握することが簡単に、楽しくできますよ。
なかなか息子の興味のあることを理解してあげられなかった我が家でも、月に何度か大型書店へ行って息子が読みたい本を探すのにじっくり付き合うことで、息子のやりたいことが見えてくるようになりました。
私には興味のないAIやプログラミングの本のコーナーに、1時間程じっと居て、じっくり本を厳選する様子に、最初は飽きてしまい、息子と離れて違う雑誌のコーナーへ行こうかな…と思ったこともあります。
けれど、そこはグッと我慢!!
息子が悩む様子を一緒に見て、
「何と何で悩んでるの?」
「どういうのを探してるの?」
「じゃあ、こんなのはどう?」
と質問してあげることで、欲しい本に出会うことができ、今では、難解なプログラミングの本を買ってきて、読んで実際に自分のパソコンに打ち込んでスキルを少しずつ蓄えています。
「こんなに難しいのがわかるんだねー。」
「これをやったらどんなことができるようになるの?」
と、子どもができていることを褒めてあげたり、未来につながる質問をすることで、子どもは「自分でできた感」が高まっていきどんどん学んでいこうと歩んでいくことができるようになっていきます。
料理好きな子ならレシピ本を選びに行くことで世界中の料理を作りたくなるかもしれない。
ゲーム好きの子なら、攻略本を選びに行くことでパソコン自体を作りたくなるかもしれない。
色々な可能性が本屋さんには詰まっていると思いませんか?
みなさんも、ぜひ一度、「好きな本選び放題」をお子さんに提案してみてください。引きこもりがちな子ならお出かけする機会も作れるようになりますよ。
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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