1.うちの子は落ち着きがない
うちの子どもは、落ち着きがないなぁと悩んでいませんか?
小さな頃から、すぐに走り出す。
高いところにすぐ登る。
ソファーやベッドはすぐにぴょんぴょん飛び跳ねる。
足音がうるさかったり、動作も乱暴に見える。
こんな様子のお子さんに、
「もっと静かにしようね!」
「静かに歩こうね」
「丁寧にやろうね」
などと、お母さんも頑張って注意していると思います。けれど、なかなか良くなる気配がみえてこない…
成長してくると、学校の先生から「授業中に落ち着きがないです」と注意されてしまう。
逆に、いつも家では元気いっぱい走り回っているくらいなのに、学校では落ち着いていて、先生からも「ちゃんと頑張っていますよ!」と声をかけてもらえているけれど…
学校から帰るといつも疲れた様子で、とても気にかかる。
そんな様子のお子さんを見ていて、「うちの子、発達障害?落ち着きがないからADHD?」と発達障害について気になるお母さんも多いでしょう。
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2.落ち着きがない子を治す方法がある!?
発達障害やグレーゾーンの子どもは、感覚の困りごとを抱えていることも多いです。
「感覚」というと、「感覚過敏」が頭に浮かぶ方が多いかもしれません。
教室のザワザワした音、先生の怒った声、ピストルの音が苦手な聴覚過敏。
(赤ちゃん期や幼児期は、掃除機の音を怖がったり、ちょっとの物音で泣いてしまうことも)
服の素材やタグが苦手、ヌルヌルしたもの(工作のノリや泥遊びなど)が苦手になる触覚過敏。
等。イメージするのは五感の過敏さかもしれません。
しかし、運動に深く関わる感覚もあります。
・バランスをとったり、目の動きを調節したり、自分の手足を器用に動かすための前庭感覚
・体の力の入れ具合を調節したり、手足などの体のパーツがどのように動いているかを感じるための固有感覚
この2つの感覚もとっても大切。
特に、落ち着きがない子は、前庭感覚や固有感覚が「鈍麻(鈍感)」になっているために、うまく感覚を感じられず、「もっと感じたいよー!」という脳の声にしたがって、たくさん落ち着きなく動きたくなってしまうのです。
感覚の欲求というものは、生理的欲求(眠りたいとか食べたい等)と同じです。
落ち着きがない行動を、無理にやめさせようとして「やめなさい!じっとしていなさい!」と怒って注意すると、子どもの感覚がうまく発達しないまま脳が成長します。
子どものうちにしっかり満たしてあげなければ、困りごとを抱えたまま大人になってしまうのです。
発達障害グレーゾーンの子達が抱える、感覚過敏も、感覚鈍麻も、完璧に治すことは難しいと言われますが、なるべく生きやすくなるように改善させてあげることはできます!
療育などに通わなくてもおうちでママができたらいいですよね。
3.学校を休んで感覚遊びをしたら落ち着くようになった
我が家の通信制高校1年生の息子も、幼少期は、落ち着きのなさがとても目立っていた子でした。幼少期から、自閉症スペクトラムのグレーゾーンと言われていた息子。
いつもつま先立ちでうろうろ。
外に行くとすぐに猛ダッシュ!
家ではソファやベッドでいつもぴょんぴょん跳ねる!
公園ではブランコでがんがん揺れて楽しむ!
回る遊具でいつまでも回って遊び続ける!
そんな子だったので、幼稚園に入りじっとして先生のお話を聞いたり、一斉にみんなで何かの制作をしたりする時間がとても大変そうでした。
それでも、「幼稚園や学校ではじっとしていないといけない」とわかっていたのと、衝動性はなかったので、なんとかじっとしていることができましたが、帰宅後はいつもヘトヘト。
息子は、精一杯頑張ってじっとしていたのです。
けれども、私はその頑張りに気づかず、学校では頑張ってちゃんとできるのに、家の中や家族で外出するときは落ち着かない息子を治す方法はないだろうか?といつも悩んでいました。
小学校4年生で不登校になった息子が、家で毎日自由に動いて過ごせるようになってから、「いつも学校で動けなくて辛くてしょうがなかった」と教えてくれました。
息子は、不登校となり、家の中で自由に過ごす時間が増えたことで、五感だけではなく前庭感覚や固有覚に必要な刺激を入れられるようになり、体も心も落ち着いていきました。
感覚がうまく脳の色んな所と連携できるようになっていき、体と心が落ち着いてくると、勉強がんばってみようかな、友達とうまく関わりたいな等と「やってみたい、頑張りたい」の気持ちが高まっていきます。
そして、今は週1回通学するスタイルの通信制高校で、学校で友達と遊んだり、家で勉強に集中したり、自分に合ったスタイルで頑張れるようになりました。
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4.オススメは感覚遊びと自信を育む声かけ!
落ち着きがない子には、安心できる好きな感覚を入れてあげることで、落ち着くことができるようになっていきます。
我が家で息子とやっていた感覚遊びのオススメをお伝えします!
◆揺れたり回ったり、高いところへ行くのが好きなお子さん
外遊びはもちろん、家の中でも心地よい感覚を入れられる環境を作ってあげましょう。
回転椅子に座ってグルグル回る
ハンモックに入って揺ら揺ら揺れる
室内トランポリンでぴょんぴょん跳ぶ
バランスボールで跳ねたり、ボールに寝そべってバランスをとる
床にテープを貼ってテープの上をバランスをとって歩く
立って向かい合い手押し相撲をする
などなど、親子で一緒に遊ぶのがオススメです。
「何回できるかなー?
「目まわらないかな?」
「君はバランス感覚がいいね!」
「お母さんより上手!」
と、ただやらせるのではなく、子どもの自信になるような声かけをプラスしてやってみましょう。
だんだんと、体の色んな感覚が脳の中で連携できるようになり、苦手なことに挑戦できるようになったり、外でも落ち着いて過ごせるようになっていきます。
そんなに家で動き回れても困るという場合は、ハンドスピナーやコマなどの回転見て遊ぶおもちゃで一緒に遊ぶことも良いですよ。
目で見るだけでも、好きな感覚に刺激が入ります。
◆いつも力加減が強すぎたり、不器用に見えるお子さん
体に「ギュッ」とした圧迫された力を入れてあげると、体に必要な感覚の刺激が入り体をうまく動かしやすくなっていきます。
手先が不器用なお子さんには、
強めの力でハンドマッサージ
粘土遊び
料理(生地をこねる、伸ばす、硬いものを切るなど)
プチプチをつぶして遊ぶ
腕ずもうや指ずもう
ダンベル等を使った筋トレ
こんな遊びを親子で取り入れてみてください。
親子でのスキンシップにもなり、触覚からの刺激も加わると情緒が安定するという効果もあります。
このときも、
「強いマッサージと優しいマッサージどっちが好き?」
「プチプチっていう感触はスッキリするね」
などと、どんな風に感じるかを聞いてあげたりママが伝えてあげるようにしましょう。
我が家の息子は、今でも何か考え事を楽しくしているときは、家の中をドスドス歩き回ってやめられない!ということがあるのですが、体全体を強めの指圧でマッサージしてあげることにしています。
すると、脳が欲求している感覚刺激が入り、落ち着いて過ごせるようになります。
子どもの困った行動には、必ず原因があります。ぜひ、「感覚を満たしてあげる」ことを親子の関わりに取り入れてみてください。
「コミュニケーション」+「感覚刺激」で子どもはどんどん安心して落ち着けるようになっていけますよ。
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)