1.不登校女子のサポート“ママだけ”で頑張っていませんか?家族の力を借りるといいワケ
繊細な不登校の中学生女子に、ママがどんなに声をかけても動かない日が続くと「私の声かけが悪いのかな?」と心が苦しくなりますよね。
でもそれは、ママの対応が間違っているわけではありません。
行動しにくくなる背景には、心や体のエネルギー不足だけでなく「脳を使う機会が減っている」ことが考えられます。
脳は使うことで発達します。
でも、ただ使えばいいわけではありません。
「楽しい」「できた」という気持ちと結びついた体験が、脳の中に“もう一度やってみよう”という記憶として残ります。
考えて、動いて、「できた!」と感じる。
その自然な流れを心地よく繰り返すことで、「やってみよう!」という意欲が自然に育っていくのです。
行動が少なくなっているときこそ、“安心の中で脳を動かす体験”を少しずつ増やすことが大切です。
そして、ここでポイントになるのが、ママひとりで頑張らず、家族の力を借りる関わり方。

繊細な不登校の中学生女子にとって、ママは安心できる特別な存在。
でも、いつもの同じ声かけや雰囲気に慣れてくると、新しい刺激を感じにくくなり、行動につながりにくくなることがあります。
だからこそ、ママ以外の家族の声や存在が、ちょっとした“いつもと違う刺激”になって、子どもの行動スイッチを押すきっかけになるのです。

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2.中学生の娘にママの声が届かなかった日々
私の娘は現在中学2年生。
小6の夏休み明けから不登校になった繊細な不登校の中学生女子です。
不登校になって2年。
最初は、夜は眠れない日が続き、部屋に引きこもりがちで、頭痛や腹痛などの体の不調も出ていました。

しかし、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を実践する中で、夜は不安にならずにぐっすり眠れるようになり、笑顔で会話もできるようになりました。
それでも、日によっては行動スイッチが入らない日もあります。
娘が興味をもちそうなお誘いをしても、断られることが続く時期がありました。
私は、外出に限らず、娘が少しでも動きそうなことを中心に、毎日小さな提案を続けていました。
「気分転換に少し〇〇してみない?」
「一緒にちょっとだけやってみる?」
娘の興味のあることや安心を最優先にして誘っても、返ってくるのは「あとで」「今日はいい」という返事。
やりたい気持ちはあるのに動くエネルギーが足りない、そんな日々が続いていました。
そんな時期が続く中、私はふと考えました。
“ママ以外の人の声”の方が届くこともあるかもしれない。
そこで発コミュの学びを夫に伝えることにしました。
ここからは、実際に私が家族を巻き込んだ伝え方をお話しします。
3.不登校の中学生女子の行動を引き出す家族の巻き込み方
娘が動けない日が続く中で、私は「私ひとりで頑張る方法には限界があるかもしれない」と感じる瞬間がありました。
ママの声が届かない日があるなら、“いつもと違う刺激”をくれる家族の存在が力になるかもしれない。
そう思いはじめたころ、夫の声かけで娘が動けた日がありました。
「あれ?パパの声は届きやすいのかもしれない」
そう気づいたとき、私は夫を巻き込もうと決めました。
でも、いきなり「発コミュやってみて!」と言えば、夫のプライドを傷つけてしまうかもしれない。
そこで私は、日常の会話に“さりげなく発コミュを混ぜる”方法を選びました。
「パパって昔からよく公園で遊んでくれたよね。あれ、めちゃくちゃ脳にいい関わりだったんだって。」
「最近、〇〇(娘)の行動力を上げたくていろいろ試してるんだけど、パパならどんなふうに声をかける?」
夫が考えて返してくれた一言に、私はすぐ「それいいね!」と伝えました。
そんな会話を重ねるうちに、夫の中に「どうしたら動くかな?」という視点が芽生えていきました。
夫は次第に、娘の心がゆるむような声かけを意識するようになっていきました。
- 「ひとりだとつまらないから、一緒に歩いて食材買いに行こうよ」
- 「ハムスターに何か必要なものない?見てこようよ」
- 「茶々(犬)がお父さんひとりだとすぐ帰りたがるんだよ。一緒に散歩ついてきてよ」
- 「外、気持ちいいな〜。久しぶりにバトミントンやらない?運動不足だから付き合ってよ」
“お願いされる言葉”や娘の“好き”に寄り添った声かけに、娘の心が少しずつ動いていきました。
ある日、夫は娘の“好き”をそっとくすぐるような誘い方をしました。
「職場に昔使ってた3DSがあるんだけど、一緒に取りに行ってみる?そのあと、ゴルフの打ちっぱなしに付き合ってくれない?」
中古品しか売っていない3DSは、娘が最近調べていたもの。
そのことを知っていた夫は、娘の“好き”と行き先が自然につながる形で声をかけたのです。
その瞬間、娘は迷わず言いました。
「行く!」
翌朝8時に目覚ましをかけて起き、パパと出かけていきました。
打ちっぱなしでは見学だけでしたが、帰ってきた娘の表情はどこか誇らしげでした。
自分で決めて動けた経験が、娘の中に小さな自信の芽を育てていました。

この出来事を通して感じたのは、ママひとりで頑張らなくていいということです。
家族が関わることで、繊細な不登校の中学生女子の中に「ちょっとやってみよう」という気持ちが、育っていきます。
そして、私自身も「私が全部背負わなきゃ」と思わなくてよくなりました。
家族で関わりをつくると、家の中の空気がやわらぎ、娘の笑顔が増えていきます。
学校に行けていなくても、家庭の中で学校や社会に出るときの土台となる脳を育てることはできます。
行動する力は、安心できる環境の中で、小さな“やってみよう”を積み重ねることで育っていきます。
ママひとりで抱え込まなくていいんです。
家族の力を借りながら、お子さんの世界をゆっくり広げていきましょう。

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執筆者 : 黒柳ゆうみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
繊細な思春期女子の「こじらせ」も和らぐ脳の育て方を発信しています!




