高学年の発達障害ADHD・自閉症スペクトラムの子どもと○○関係できていますか?

発達障害ADHD・自閉症スペクトラムの子どもの困りごとが複雑になる小学校高学年。親の干渉を嫌い、反発するようになる反抗期も始まり、学校での事や子どもの考えていることが分からなくなります。そうなる前にお母さんにしてほしいことをお伝えします。

1.発達障害ADHD・自閉症スペクトラムの子どもの反抗期

小学校は、たくさんの子どもたちと一緒に勉強をする場所。

コミュニケーションをとらなければいけない場所です。

集団行動や協調性が必要になります。

発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、特性から困りごとが多く、学校生活を送るのに難しさを感じています。

ADHDの特性は
・集中できない
・不注意・ミスが多い
・衝動的な行動をとる
などがあります。

ASDの特性は
・集団行動が苦手
・コミュニケーションが苦手
・こだわりが強い
などがあります。

小学校高学年になると、困りごとがさらに複雑になってきます。

また、親の干渉を嫌うようになったり、反抗的な態度を取ったりすることが多くなる「反抗期」が始まります。

年齢や程度に違いはあるものの、成長する上でだれもが通るものとされている「反抗期」

反抗期には、大きく分けて3つあります。

・2歳頃に発症する「イヤイヤ期」の第1次反抗期
・小学校低学年頃から中学年頃に始まる中間反抗期
・高学年頃から始まる第2次反抗期

高学年は、子どもから大人へと変化する思春期の入り口の時期でもあり、身体も心も急激に変化します。

家族中心の生活から友達が中心になってきて、親の目の届かない所での行動が増えてきます。

不機嫌で反発してくることも多くなり、あれこれ話しかけても答えたがらない、会話をすることを嫌がることも出てきます。

また、親に怒られるから、心配させたくないから、などさまざまな理由から、都合の良いことは話すけど、都合の悪いことは黙っているということも増えてくるようです。

我が家の発達障害ADHD・ASDを併せもった小6の息子は、高学年になると、休みの日は家族よりも友達と過ごす時間が増えました。

お昼ご飯を食べると「公園行ってくるね」と出かけていく。

時には、友達が家まで呼びに来てくれることもあります。

今までは、家族で買い物する時は、必ず一緒についてきていたのに、

「家で待ってる」「○○(←お菓子)買ってきて」と言って、息子は友達とチャット機能を使いながらゲームして家で待っている。

という事が多くなりました。

2.様々な変化がある小学校高学年

第2次反抗期が始まる高学年では、勉強や人間関係にも変化が出てきます。

◆苦手な科目の勉強で自信をなくしてしまう

勉強の内容がぐっと難しくなります

低学年の間は、感性や興味・好奇心だけで解ける問題が中心でしたが、高学年になると「ここがこうだから…次はこうなって…」というような思考能力が必要になってきます。

算数では、普段の生活で使わない分数や少数が出てきて、国語では、画数の多い複雑な漢字が増えてきます。

また、英語教育も必修化され、3年生から英語の授業が本格的に始まります。

この頃くらいから、得意な科目と苦手な科目の差がはっきりとしてくるようです。

発達障害ADHD・ASDの子ども達は、とくに苦手な科目では授業に集中できず、本人は一生懸命頑張っているのに、ミスを繰り返してしまうことがあります。

先生からは落ちつきがない、話を聞いていないと思われて注意されることもでてきます。

発達障害ADHD・ASDの子ども達は、ネガティブな記憶が蓄積されやすく、注意されることで自信をなくしてしまいます。

そして、よけいに勉強内容についていけなくなったり、学校での居場所がなくなってしまうこともあります。

その結果、学校へ行きたがらなくなり、不登校につながるおそれがあります。

◆友達との関係でつまづきやすくなる

人間関係が複雑になってきます。

グループを作って遊ぶようになります。

自分で友達を選ぶようになり、合わない友達とは自然に離れていきます。

自分が周りからどう見られているのかをとても気にするようになります。

一緒に遊んでいてただ楽しい存在だった「友達」から「友達がいる」ということが、周りからも認められる必要条件と考えるようになるようです。

いつでも仲間と一緒にいないと安心できないのも、小学校高学年以降に見られる特徴のひとつといわれています。

コミュニケーションが苦手な特性のある発達障害ADHD・ASDの子どもは、友達とのやり取りや適切な距離を保つことが上手くできないまま成長します。

グループを作って遊ぶときには気の合う仲間を選ぶので、仲間からはじかれる可能性もでてきます。

子ども同士の関わりが複雑になることで、発達障害ADHD・ASDの子たちは、それが負担となり学校へ行きたがらなくなり、不登校につながるおそれがあります。

このように、高学年になると、勉強や人間関係など複雑に変化するため、特に学校での様子を気にかけておきたい時期といえます。

発達障害ADHD・ASDを併せもった息子も、高学年になりイライラしたり、元気のない日が増えてきました。

休みの日も遊びに行かなくなったり、チャット機能を使ってよくゲームしていたのにその回数も減り、

「学校で何かあった?」と息子に聞くと「べつに」。

息子が何かに悩んでいることはわかるのに、それを知ることすらできない状態でした。

・毎日、学校ではどんなことが起きているのか?
・トラブルはないのか?
・悩んではいないか?

お母さんは気になりますよね。

もしも子どもが悩んでいるのなら助けてあげたい!と思うのが親心です。

3.高学年発達障害ADHD・ASDの子のお母さんにしてほしいこと

発達障害ADHD・ASDの子どもが、高学年になり反抗期が始まると、会話が減り、子どもの考えていることが分からなくなります。

そうなる前に、お母さんにして欲しいことがあります。

それは、親子の信頼関係を築いておくことです。

親子の信頼関係があれば、「お母さんが一番の味方である」と子どもは思います。

そして子どもは、自分からお母さんに頼ることができ、困っていることがあれば相談できます。

お母さんは、子どもが何に悩んでいるのか、どう考えているのか知ることができます。

子どもと困りごとについて話しあうことができ、助けてあげることができるのです。

信頼関係を築くのは分かるけど、信頼関係ってどうやって築くの?

とお母さんたち思っていらっしゃるかもしれません。

親子の信頼関係を築くために何をすればいいのか?

そこで、私がした2つの方法をお伝えします。

◆子どもの話を聞く

1つ目は、子どもの話を聞く。

子どもが話しかけてきたときを逃さず、子どもの話を最後までしっかり聞くことです。

お母さんは、家事や育児に仕事にと、忙しい毎日を送っていると思います。

子どもが話しかけてきても、忙しくて応えられないということもあるでしょうが、手を止めて聞いてあげてください。

相づちをするだけでも大丈夫です。

どうしても手が離せないということがあるときは、子どもにきちんと理由を説明し「あとで話を聞くからね」と約束をして待っていてもらいます。

話を聞くときには「待っていてくれてありがとう」の声かけも忘れないでくださいね。

お母さんが子どもの話を聞くことにより、子どもは話したい気持ちが満たされ、

「お母さんは話をちゃんと聞いてくれる」「自分を認めてくれている」と感じます。

◆愛情を注ぐ

2つ目は、愛情を注ぐ。

ちゃんと愛情を伝えてあげてください。

伝え方はいくつもあります。

ハグやマッサージをするなどのスキンシップで愛情を伝えます。

「○○がいるだけでお母さん幸せ」
「○○が大好き」
「○○と一緒で嬉しい」

など言葉で伝えます。

子どもの大好物を作って食べさせてあげるのもいいです。

どんなあなたでもお母さんは大好きだよ!味方だよ!

という気持ちをたくさん伝えてあげてください。

子どもの反応がなく一方的でも大丈夫です!

ちゃんと愛情は伝わっています!

たくさん愛情を注がれることによって、発達障害ADHD・ASDのの子どもの自信につながります。

息子との信頼関係ができた今では、息子の方から話しかけてくれることが増えました。

大好きなゲームのこと。YouTubeで知った情報のこと。好きな歌のこと。学校でのこと。友達とのこと。

困りごとがあるときは何に悩んでいるのかも話してくれます。

それによって、私も息子の気持ちに寄り添った対応をして助けることができます。

・子どもの話を聞く
・愛情を注ぐ

この2つの方法で、親子の信頼関係をしっかり築きましょう!

信頼関係ができれば、思春期や反抗期が始まっても全く気にならなくなりますよ。

執筆者:内山未奈
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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