1.小学校高学年は発達障害の子ども達がストレスを抱えやすい時期
学校がスタートしてから、お子さんに変わった様子はありませんか?
発達障害グレーゾーンの子ども達は、 学期の終わり、学期のスタート時に行きしぶり・不登校が多くなります。
とくに「小学校高学年」の子ども達は気をつけて様子を見てあげて欲しいと思います。この年齢は、周囲との違いに気づきはじめストレスを抱えやすい時期なのです。
現在、小学校高学年のお子さんに、こんな気になる様子はありませんか?
・勉強についていけない
・前はできていたことも最近やらなくなった
・いつもダルそうにしている
・学校から帰ってくると八つ当たりをしたり暴言を吐く
・ちょっとした宿題にも全く取り組む様子がない
・塾や習い事をさぼりがち
これはただの反抗期ではなく発達障害・グレーゾーンの子ども達のSOSサインかもしれません。
2.中学生になる前に不登校予備軍から抜け出そう!
小学校低学年までは何か苦手があっても「元気のいい子」「面白い子」「1つに詳しい博士タイプ」など、存在を認めてもらえることが多いですよね。
しかし高学年になると、みんなと同じことができないことで、今まで以上に指摘されたり、注意されたりすることが、増えていくのです。それまでは、自分の特性を気にしていなかった子も、少しずつ周囲との違いに気づき始め自信を失ったり、自己肯定感が下がってしまうことがあります。
例えば…
【勉強の苦手】
・授業がわからない
・宿題を忘れる
・手を上げない
【集団行動の苦手】
・時間を守れない
・指示を聞き逃す
・ルールを守れない
【自主性の低さ】
・掃除や係の仕事をやらない
・委員会活動に参加しない
・学級活動で発言しない
【コミュニケーションの苦手】
・自分の気持ちを伝えられない
・空気を読めない
・喧嘩になる
特に思春期になると周りの友達の心の成長が一気に加速します。
コミュニケーションが苦手な発達障害・グレーゾーンの子はこの変化についていけず、友人関係での悩みが大きくなるのもこの時期なのです。
中学に入ると、悩みはさらに大きくなります。不登校の人数も小学6年生と中学1年生を比較するとなんと2.5倍!
それだけ発達障害グレーゾーンの子たちが中学校という新しい環境でストレスを感じるリスクも高いということです。
お母さんが思っている以上に中学校は子どもたちが自信を失いやすい環境です。
だからこそ、その中学の壁にぶつかる前の今、ちゃんと対応しておきたいのです。
最近、「学校にいきたくないな」と言う回数が増えてきた、学校から帰ってきたらぐったりしていることが多い、朝、起きられないようになってきた。
こんな気になる様子の子どもたちを私は「不登校予備軍」と呼んでいます。
「うちの子、不登校予備軍かも⁉」と思ったら、すぐに対応をスタートして予備軍から卒業させてあげましょう!
3.行きしぶりを悪化させないお母さんの対応術
行きしぶりを悪化させない、引きずらない、そのためには家での対応が大きく影響します。
お母さんたちが意外に知らないのは不登校予備軍の子の不安や、自己肯定感の低さ、無気力感を、お家でしっかり回復できるということ。
行きしぶり、不登校、というとつい学校への対応を求めてしまいがちですが、通常級の先生で発達凸凹の子どもへの対応をしっかり理解している方は多くありません。
だからこそ先生だけにお任せするのではなく、お母さんが対応策を考えられることがとても大切になってきます。
学校の先生をリードするつもりで、行きしぶり対応術 をしっかり知ってください!
不登校予備軍のお子さんの自信を回復させるお母さんのコミュニケーションテクニックは、「当たり前のことを褒める」ということ。
世の中に出回っている子育て本やインターネット情報でも「褒めるのがいい!」とたくさん謳われていますよね。
でも意外と難しいのが「褒める」こと。
なぜ難しいかというと「褒める」って何かがうまくできたときに発動するスキルだと思っているお母さんが多いからです。
でも発達科学コミュニケーション(発コミュ)式の褒めるは子どもを「肯定する」こと全般を指すので全然難しくありません!
つい、否定的なコミュニケーションに陥りがちなお母さんにはぜひ「当たり前のことを肯定する」をマスターしていただきたい!
具体的にどんな風にやるかというと…
・朝起きたときに「おはよー、起きてきたね」
・学校に行く支度を始めたら「準備始めたんだね」
とか、そんなことでOKなのです。
こんな当たり前のことですが、毎日のことになるとなかなか難しい。
子どもも「学校嫌だなー」と思っているから、何回起こしてもなかなか起きないし、学校行く準備しろと言ってもダラダラしていてなかなか進まない。
だからお母さんもこんなコミュニケーションをとってしまいがちではないですか?
「早く起きなさいって言ってるでしょ!(怒)」
「何回言ったらわかるの!(怒)」
「ダラダラしてないで準備しなさいよ!(怒)」
こうなってしまうと…
ただでさえ「学校嫌だなー」と思っている子どもは「学校に行くこと」=「嫌なこと」という記憶がますます強化されてしまうのです。
子どもの行動と、そのときに沸き上がった感情はセットで記憶されていきます。
だから極力ポジティブなコミュニケーションをとってもらいたいのです!
少しくらい起きるのが遅くなっても、少しくらい学校にいく支度が遅くなっても、子どもはそのときにできる範囲でやっているはず!
否定的な言葉は一旦封印してやったことを肯定するところからスタートしてみてください。
これが、不登校予備軍のお子さんの自信を取り戻す第一歩になります。
お家でのコミュニケーションを変えて、お子さんを不登校予備軍から卒業させてあげましょう!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
行きしぶりを悪化させない対応術を多数お伝えしています!