プレ思春期に必要なのも、やっぱり○○!「9歳の壁」をチャンスに変える秘策とは?

子どもの発達によって表れる「9歳の壁」をご存知ですか?学習面や友達関係でつまずきを感じ、子どもが劣等感を感じやすい時期です。発達障がいグレーゾーンの子にとっては特に難しいこの時期を、成長するチャンスに変える秘策とは?ポイントをお伝えします!

1.子どもの成長によって表れる「9歳の壁」

子ども達が成長していく上で、いくつかの壁にぶつかることがあります。

その一つに「9歳の壁」があります。9歳前後の年頃で、学習面や友達関係でつまずきを覚えて、学校へ行けなくなる子も出てきます。

要因として3年生頃から学校の勉強が難しくなるという事もありますが、9歳の壁は子どもの発達によって起こるものとも言えます。

9歳前後になると、子どもは客観的に自分や他人を見る力がついてきます。また、親から離れて友達との関係を築いていこうとする時期

そのため、この時期に学習面や運動面で「自分は他の子と比べてできない」ということに気づいて劣等感を感じてしまう子も多いのです。

また友達関係でもグループを作り始める時期であるために、からかいや仲間はずれが起きてきやすい時期でもあります。

うまく友達との関係を築くことができない子は、グループに入れず孤立してしまうことも…。

この時期は、とくに学習面や友達関係で苦手なことが多い発達障がいグレーゾーンの子ども達にとっては、学校生活で受けるストレスが大きくなる時期なので、注意が必要です。

2.子どもが出す“SOS”に気づいてください!

わが家の息子は小学2年生で8歳です。

不注意傾向があり集中力が続かない、自分の気持ちがうまく表現できないという困りごとがありました。他にも協調運動や書字に苦手さがあります。

1年生の頃は、先生やお友達に恵まれ、とくに問題もなく学校生活を送っていました。ところが、2年生の2学期の終わり頃から様子が変わってきました。

・整理整頓ができなくなり、持ち物の扱いが雑でボロボロになっている…
・連絡帳の字が急に雑になる…
・以前は友達と遊んで帰ってきたのに、授業が終わってすぐ帰宅してずっと動画を見ている
・反抗的な態度をとったり、急に甘えてきたり、親に対しての態度も不安定

一年生ではできていたことができなくなっている様子に、私は「この子は自信をなくしている」と感じました。

息子は、もともと自意識が強く、人の顔色をよく見ているタイプの子です。精神的に大人びているところもあるので「これは、もしかしたら9歳の壁が少し早く来たのかもしれない…」と思いました。

これらの変化は、親から見ると一見、怠けている、だらしない、甘えている、というように見えるかもしれません。

しかし、まだこの時期の子どもは、自分が感じる不安をうまく言葉では表現できないのです。親から見ると叱りたくなるような態度に実は、子どものSOSが隠されていることがあるのです。

3.プレ思春期を子どもが成長するチャンスに変える秘策とは?

この時期は、子ども自身が自分のできない所に目が向きがちで、自己肯定感が下がりやすい時期です。

親も苦手を克服させようとしてしまいがちですが、できていないことを叱られ続けると、子どもが「できないこと・苦手がある自分はダメな子」と感じてしまいます。

子どもが苦手なことを無理強いするのは、おすすめできません。

ただし、9歳前後は関わり方によってはグンと成長する時期でもあります。難しくなってくる時期とは言っても、本格的な反抗期はまだ少し先なので、親からの言葉も比較的届きやすい時期です。

高学年になっていよいよ対応が難しくなる前に、苦手は放置するのではなく楽しく伸ばしていきましょう

まだこの時期は、子どもも親と一緒に行動したり遊ぶことを抵抗なく楽しめる時期です。この時期を逃さずに、親も一緒に遊びながら子どもの力を伸ばしていくのがおすすめです。

たとえば、学習面では、学習の要素が入った漫画やゲームを取り入れて「勉強って楽しいかも」と思わせてあげたり、運動面では、スポーツやアウトドアで一緒に体を動かす機会を作ってあげるのがおすすめです。

友達関係が苦手な子であれば、仲が良いお友達家族を家に招いたり、一緒に出かけることで、社会性を伸ばしてあげることができます。

苦手なものこそ、子どもが安心できる環境で、楽しく伸ばしてあげることが大切です。

9歳前後のプレ思春期の子どもに必要なものは、やっぱり自信です。うまくできた経験・楽しかった経験を積むことで自信が育ってきます。

できていないことを叱るよりも、お子さんの興味があることや得意なことに関心を示して
「お母さんに、それ教えてよ!」「さすがだね!」「それは知らなかったよー!」と
お子さんのモチベーションを高める言葉かけも、この時期は意識してみてください。

心も体も伸び盛りなこの時期を、壁ではなくチャンスに変えられるのは、お母さんです!

執筆者:滝麻里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

子どもがぶつかる壁を「成長のチャンス」に変える方法、発信しています!

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