1.たまにはお母さんもデジタルデトックス!本を読んでみませんか?
子どもが思春期になって「子どもの気持ちがわからない…」「子どもの暴力・暴言がひどくてどう対応したら良いのかわからない…」そんなお悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
わが子に困りごとがあると、目の前の困り事を早くなんとかしたいとインターネットで良い解決策がないか検索してしまいますよね。
ネット検索は早く欲しい情報が手に入る反面、マイナスの情報を目にしてしまうことも多いため、かえってお母さんの不安が大きくなってしまうことがあります。
「思春期の子育て、もうどうしたら良いのかわからない…」
そう思ってしまう時は、スマホを置いてじっくり本を読んでみませんか?
2.思春期の子に手を焼いたときに読みたいオススメの本
思春期の子育てに悩むお母さんにおすすめの本をご紹介します!
土井髙徳さんの「思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33」です。
「思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33」土井髙徳 (小学館新書) – 出版年2014年
著者の土井髙徳さんは、福岡県北九州市で里親ホームを運営し、心に大きな傷を抱えた子どもたちを迎え入れ養育する「治療的里親」をされてきました。
本の中では、土井さんが子どもたちと24時間生活をともにする中で、土井さん自身が「効果があった」と実感された子育てのテクニックが紹介されています。
・当たり前のこと・ささいなことでも褒めること
・子どもに注意や指示をする時は、おだやかに、子どもに近づいて、小声で話すこと
・子どもの話をしっかり聴く“傾聴タイム”をつくること
どれもすぐに日々の子育てに取り入れられそうなテクニックです。
本の帯には「どんな子にもよく効きます!問題を抱えた子、発達障がいの子も、かならず心を開きます」と書いてあります。
そんなテクニックがあったら、すぐ真似したくなりますよね。
ただこの本には、テクニックだけではなく子育ては親自身の「己」育てであること、親が自ら変わることで子どもも大きく成長するという事が書かれています。
土井さんは親自身が成長し、子どもの生き方のモデルとなることの大切さを本の中で繰り返し伝えています。
3.テクニックだけではなく、親自身のあり方・子どもへのまなざしを変化させることが大切
親が子どものSOSに気づき、家庭での対応の仕方を変えることで、子どもの問題行動は落ち着いてきます。
しかし、一方で問題が深刻化し、なかなか解決していかないケースもあります。
土井さんのところには、大変な子育てに悩んだ親の相談者が訪ねてくることもあるそうです。
深刻なケースの場合は、専門家や相談機関などに支援を依頼しながら、相談者が「自分ひとりではない」という前向きな気持ちになれるように対応されているそうです。
心に傷を抱えた子ども達をあたたかく迎え入れ、子育てに悩む親の気持ちにも寄り添う土井さんの言葉からは、子育てテクニック以上の親としての大切な気づきをもらうことができます。
“親の視点・まなざしが変わればおのずと親子関係によい変化をもたらす”と土井さんはおっしゃっています。
最後に本の中の言葉を紹介させていただきます。
子どもの問題に悩む親など養育者は、問題が起きたときには驚き、悲嘆に暮れ、やがて怒りを感じ、解決が容易ではないとわかるとうつ状態になることも珍しくありません。
こうしたプロセスをたどって、やがて世間や体面を気にしていてはどうにもならないことに気づきます。
この気づきがやがて家族や夫婦の変化を生み、最終的には「悩みよ、ありがとう」と心境が変化することさえあります。
(185ページより引用)
子育てテクニックは役立つものですが、それ以上に親の意識を変化させていくことが、思春期の子どもと向き合う上で大切なことなのではないでしょうか。
世間体を気にして子どもを自分の理想の姿に変えようとするのではなく、「わが子をありのまま受け容れていく」と親の覚悟が決まった時に、それが子どもにも伝わり、はじめて変化が生まれるのではないかと本を読んで感じました。
思春期の時期は、子どもを変えようとするばかりではなく、親自身も変化していくことが求められます。
子育てに悩んだら、本の中からホッとする言葉、気づきとなる言葉を探してみるのもおすすめです!
執筆者:滝麻里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
子どもへの対応だけでなく、自分自身も変化させられる母になれる情報、発信中です↓