1.パートナーの協力があったとしても思春期の子育ては難しい!
発コミュトレーナー泉さんのご家庭は、泉さん、ご主人、現在中学3年生の息子さんの3人家族。
ご家族とても仲が良い印象ですが、子育てでどんなご苦労があったのか、お話を伺いました。
――ご自身の子育てをふり返ってみて、大変だった時のことを教えていただけますか?
「息子は、幼い頃から完璧主義でこだわりが強いところがありました。
小学校高学年思春期に入ったぐらいから、とくに対応が難しくなってきました。
やるべきことをやらない、たとえば、朝起きてこなかったり、学校の課題をやらなかったり…。
それに対して私が指摘すると、ああ言えばこう言う感じで反抗してきて、私も応戦してそのまま取っ組み合いになったことも何度かありました。」
――泉さんご夫婦は、協力し合って子育てをしていて理想の夫婦という印象ですが、その状況にご夫婦でどのように対応しましたか?
「もともと、主人は穏やかで話を聞いてくれるタイプの人です。そのおかげで、同じレベル感でずっと子育ての悩みも共有してこられました。
でも、お互いに子育ての正解がわからないので、主人から『あんまり言い過ぎないで、もっと放っておいたら?』とアドバイスされて、私の方も『でも、言わなかったら全然やらないよ?指示を出すのも必要だと思う。』と言ったり。
こんな感じでそれぞれの主張を言い合うだけで何も改善しない状況が続いていました。」
――発達科学コミュニケーション(発コミュ)の講座を受講されてみていかがでしたか?
「発コミュの4回の基礎講座はすべて主人と一緒に受講しました。
2週間ぐらいで、息子に何かお願いした時に『いいよ!』と言ってすぐ動くようになって、指示がスッと通ることが増えたので、手応えを感じました。
講座を受講してから、息子の反抗的な態度に私も感情的になってしまって『やっぱり何も変わらないや…』と落ち込んだことがありましたが、その度に講座で教わった基本にもどって実践して、徐々に良い方向へ変わっていった感じです。
息子は前はネガティブなところがあって『僕なんて…』という言葉をよく言っていたのですが、それも言わなくなって自分から動くようになりました。自信が持てるようになって、ずいぶん変わったと思います。」
2.“夫婦で発コミュ”で変わった家族の時間
――ご夫婦で発コミュの講座を受講されてみていかがでしたか?
「主人と一緒に受講できて本当に良かったと思っています。主人は講座でも熱心に質問したり、説明を聞いて納得していました。
発コミュって脳科学に基づいたものなので、理論的に物事を考える男性にも理解しやすいんですよね。主人は今でも講座の資料を見返していたり、息子への対応も私よりうまいですよ!
以前は、お互いに正解がわからなくて手探り状態でしたが、発コミュを学んでからは、“ブレてもここに戻れば大丈夫”という指針のようなものができました。
主人が息子の前で険しい表情になっている時は、『スマイル!スマイル!』と私もサインを出したり、ズレてしまっている時はお互いに伝え合って発コミュの基本に戻るようにしています。」
――ご主人が発コミュの対応を身につけていらっしゃるなんて、心強いですね!子育ての役割分担などされていますか?
「ゲームに関してのこと、たとえば何時間やって良いかなどのルールを決めることは、主人に任せています。それは2人で話し合って決めました。」
――普段はどんな風に、ご夫婦で子育てのことを共有されていますか?
「2人でジョギングに行ってお互いの気持ちを吐き出しあったり、日常的に会話を絶やさないようにしています。夫婦会議ノートというノートがあるのですが、この間はそのノートを使って、話し合いの時間を持ってみました。」
――「夫婦で会議する」という発想が新しいですね!パートナーとの関係で悩んでいる人も多いと思いますが、うまくいくコミュニケーションの秘訣はありますか?
「日々、感謝の気持ちを伝えていることかな…と思います。こまめに“ありがとう”と伝えていますね。
息子にも『お父さんいてくれて良かったよね』『世界で一番ステキなお父さんだよね』と小さな頃から伝えてきました。
その上で、『こうして欲しい』『こうされると辛い』という自分の気持ちもお互いに伝え合うようにしています。遠慮してしまうと、不満がたまってしまったり、見えない溝になってしまうことがあるので。
私はオープンに気持ちを伝えることに抵抗がない性格だけど、主人はその場で感情的に何かを言うことは少ないです。だから『思っていることがあったら、溜め込まないで絶対言ってね。』と伝えています。」
――夫婦でも、感謝や自分の気持ちを伝えるって大切なことですよね。理想の夫婦への第一歩はそこからかもしれませんね。
それでは、泉さんの夢を教えてください。
「うちは、発コミュを夫婦で学んで、すごく良い変化がありました。以前は、主人が帰ってきても、私はイライラしているし、息子は部屋に引きこもっていたりで、ピリピリしたムードが漂っていましたが、今は家族の時間が本当におだやかになりました!
自分が体験して素晴らしさを実感しているからこそ、私は夫婦で発コミュ!を伝えていきたいと思っています。
あと、お母さんが子どもの気持ちに寄り添うためには、お母さん自身のつらい気持ちもパートナーに受けとめてもらう必要があると思います。
お母さんも感情的になっている時って脳がパニックになってしまっている状態ですよね。そんな時、アドバイスをするのではなくて『大変だよね。ありがとうね。』とパートナーから言ってもらえたら、それだけで楽になりますよね。
ご夫婦で受講してくださった方には、発コミュのメソッドだけではなく、その大切さも一緒に伝えていけたら良いなと思っています。」
――泉さん、貴重なお話ありがとうございました!
3.人とのコミュニケーションを大切にすることが“理想の夫婦”への近道
今回お話を伺っていて、泉さんご夫婦が、子育てのメソッドを一緒に学んで実践していったことで、より絆が深まり子育てを協力し合える関係に変化していった様子が伝わってきました。
パートナーの協力や理解が得られなくて、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
すぐに改善することは難しいかもしれませんが、どのようにパートナーと良好な関係を築いていけば良いのか、泉さんのお話の中にヒントがあるような気がしました。
泉さんが大切にされているなと感じたのは、コミュニケーション。とくに「感謝すること」「自分の気持ちを伝えること」です。
感謝の言葉は、家族にはつい言うのを忘れてしまいがちですが、誰でも「ありがとう」と言ってもらえると嬉しいし、相手のことも尊重したくなります。
感謝の気持ちを忘れずに、「ありがとう」と言葉にして伝えることは、人間関係の土台になります。
その土台があった上で、自分の気持ちを相手に伝えることも大切です。
親しい関係であるほど「言わなくてもわかって欲しい」と思いがちですが、きちんと自分の気持ちを言葉にすることではじめて相手に伝わります。
その時に自分を主語にする「Iメッセージ」で伝えると、より相手が受け入れやすくなります。
「(あなたは)どうしてやってくれないの?」「(あなたは)どうして、こんな事したの?」と相手を主語にする言い方だと、言われた方は責められているように感じることがあります。
「こういう事があって、私は悲しい」「◯◯してくれて本当にうれしい」と自分を主語にすることで、相手が聞き入れやすくなるのです。
夫婦で子育ての悩みを共有できず悩んでしまう時こそ、コミュニケーションの基本に立ち返ることが大切ではないでしょうか。
夫婦といっても、人と人。
シンプルなことを日々大切に積み重ねていくことが、理想の夫婦に近づける道かもしれません。
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執筆者:滝麻里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
発コミュで、家族の仲も深まるコミュニケーションを身につけませんか?