1.ネットの情報だけで発達障害・グレーゾーンの子の進路を選ぶ決め方は危険!
これから学校説明会が増えてくる時期です。お子さんの進路選び、たくさんの学校の説明会に参加されることをおすすめします。
今回は特に注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんにフォーカスして、進路のお話をしたいと思います。
ADHDの傾向があるお子さんは、特性の影響もあって思うように勉強に集中できない場合があります。
そのため、勉強に対する苦手意識が強かったり、やる気がないわけではないのに授業についていけず苦労しているかもしれません。
発達パステル(グレーゾーン)の子の進路の決め方で大切なことは、いかに子どもにフィットする学校を選んであげるかです。
たとえば学習の苦手があるなら、「学び直し」や「少人数制」などの環境が整っているかどうかを重視したいですよね。
他には、発達の課題への対応をどのようにしているのかをチェックしておきたい!など、知っておきたい視点はご家庭によって異なると思います。
各ご家庭で知っておきたい情報は、ぜひ直接学校へお話を聞いてみてください。
ネットの情報だけを頼りに判断すると「発達障害のお子さんも受け入れます」とうたっているのに、実際にお話を聞いてみると…
「特別な体制をとっているわけではなく、来たら、可能な範囲で対応しますよ」というレベルだったりもします。
表面的な情報だけではない“リアル”をしっかり調べておくことが大切だと思います。
そうは言っても、何から調べればいいのかわからない…と思う方もいるかもしれません。
そこで、グレーゾーン(ADHD傾向あり)の息子の高校選びのために、発達障害に理解のある学校の合同説明会に足を運んだときの私の体験をお話します。
2.ADHDタイプの息子の進路選びで合同説明会に…“リアル”を知ることが大切!
わが家の場合は自分で勉強を進めるのが苦手なので(本人も「自習嫌い」と言っています)、パソコンやテキストを見ながら自分で考えて進めるよりは、実際に先生から授業を聞くスタイルの方が向いています。
そんなこちらの希望を伝えながらあちこちのブースでお話を伺うと
通学スタイルに関しても
「うちは基本、週1登校です」
「スクーリングの日以外は、登校なしでいいですよ」
「うちは、週5日登校です。通信制ですが、部活もありますよ」など
それぞれの学校の様々なリアルを聞くことができました。
息子は、「近くがいい」という希望も持っているので一駅お隣にある通信制の学校のお話も伺いました。
ただ、そこはスポーツ活動や芸能活動などで、なかなか登校できない子のための通信制高校。「平日は基本登校なし!週末土曜日に登校」というようなスタイルでした。
「近い」という希望をかなえてはいますが、「学び」「通学」のスタイルとして息子に合っているかと問われると、少し違いました。
発達パステルさんの進路の決め方は、様々な条件を吟味しながら進めていくのがポイントです。
そのため、定型発達のお子さんたちの進路選びよりも早めに、たくさんの情報を収集しておくことをおすすめします!
例えば通信制高校の通学スタイルに関してもさまざまなバリエーションがあります。
通信制というとひと昔前は自宅で学んで、指定のスクーリングの日(登校日)だけ学校に行く、というようなイメージがあったかもしれません。
しかし、今は週5日通学するスタイルの通信制高校もあります。
✔通学スタイル
✔勉強の仕方
✔進路
✔支援体制
✔特色のある学科やコース
✔部活やサークル活動
など、様々なチェックポイントが学校選びには必要です。それぞれのご家庭で希望を出し合ったり、親子で話し合ったりしてみてくださいね。
3.より良い進路を選ぶために、しっかり理解しておいてほしい「わが子の○○」
そして、もうひとつ大切なこと。それは、お母さんが本当にお子さんの発達障がいの特性を理解していますか?ということ。
どんなに学校の情報を集めても、お子さんの発達の特性を知らずに「こうすべき」「ああすべき」と考えるだけでは、お子さんにホントに合った学校を見つけてあげるのは難しいかもしれません。
ましてや、反抗期も重なる年齢の対応は更に大変です。
叱られることが多かったり、注意され続けて大きくなってきたお子さんたちの中には、困りごとをこじらせてしまっているお子さんもたくさんいます。
つまづいたり、失敗を繰り返し、良い評価がもらえなかったり、叱られたり…
ネガティブな記憶をたくさん蓄積しながら成長を重ねてきている子がたくさんいるのです。
先日、お邪魔した説明会で担当の方がお話されていた言葉がとても印象的でした。
発達パステルや不登校の子の学校選びは「”素直に”、”わがままに”を軸で考えていいんですよ!」とおっしゃっていました。
中学を最後に義務教育は卒業します。そうなるとやるもやらないも本人次第…ということです。
お子さんの発達の特性をしっかり把握しないまま、大人側の希望だけを押し付けることがないように進路の決め方は気をつけたいですよね。
進路が決まることがゴールではなく、そこからがまたスタートです!
お子さんが自信を持って決めた道を歩めるように、ぜひ今から、お子さんの自己肯定感を高める声かけをしてあげてくださいね!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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