1.小学校4・5年生のつまづきがチャンスである理由
私は、小学4・5年生のつまづきや登校しぶりはチャンス!と受け止めています。
発達障害グレーゾーンの困りごとってわかりにくいので、気づかれずに高学年を迎える…ということがよく起きます。
そしてわかった時点ですぐに対応がスタートできれば、困りごとを小さくして子どもたちが頑張れる状態で本格的に自分の人生を選択していく中学・高校に進めます。
高学年になって「発達の凸凹があると知ってこの先どうしたらいいか…」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、理由がわかれば対処ができます。
そしてもう1つ、私が小学校4・5年という時期に注目する理由があります。
それは…お母さんたちの”焦り”との関係です。
受験とか内申点とか、切羽詰まって考えないといけない時期にはいってから大慌てで凸凹の課題をなんとかしようと思っても、焦っちゃうからうまくいかないことも多いんです。
凸凹の課題はちょっと頑張ったらクリアできることもあれば、時間をかけてできるようにしてあげないといけないこともあります。
だから、お母さんの心のゆとりがあるタイミングに対処していくのも大切なポイントになるんですね。
「凸凹があっても子どもは成長できる!」
「早く知れば、ゆとりを持って対応できる!」
こんな想いを込めて、小学4・5年という時期に私は注目をしています。
2.発達障害・グレーゾーンの子のこんなSOSに要注意!
まだ素直さが残る小学校4・5年の時期は、脳を育てやすい時期です。
しかし、一方で発達障害・グレーゾーンの子ども達は困りごとが一気に増える時期でもあります。
お子さんが登校しぶりになったとき、私はよく「どんなことでもいいからお子さんの好きなことをやらせてあげてくださいね。」とお伝えするのですが、その提案すらスムーズに行かない!というお母さんからの切なる声をいただくことがあります。
この「提案を聞かない」「耳を傾けない」状態は、子どもたちが自信を失ってしまっている状態です。
たとえば、お母さんが何か提案しても「どうせ僕にはできないし…」「やっても無駄…」といって提案をシャットアウトしてしまう…
この「どうせやっても無駄」の発言が出る子は、一事が万事こんな調子なのでチャレンジする(=行動すること)をしなくなってしまいます。
行動の量が減るのは脳の活動量も減るので、発達もスローになってしまいがちです。
また、ちょっと違うパターンですが…お子さんが学校がしんどそうだから
「学校休んでもいいよ」とママが許しても「学校は行かなくちゃいけないところだから休めない!」とムリをして通い続けてしまったり…
中学を決める時に「こっちの学校も面白いよ」と伝えてあげても「A学校しか行かない!」と頑なに譲らなかったり…こんなタイプの子もいます。
頑なになってしまうタイプも、実は自信のなさのあらわれです。
もしこんな「耳を傾けない」様子が見られたらお子さんからのSOSサインです。自信を取り戻してあげる対応をスタートして欲しいのです。
3.「僕にはムリ」と言っていた子が夢を語りだした!
ここで、小学校4・5年生で自信を取り戻したお子さんはこんな風に変わっていきます、というエピソードをご紹介します。
小学4年生の男の子のママ・Nさんは、小さい頃から学校でできないことが目についてしまって、ガミガミ言う子育てをしてしまっていました。
低学年の頃は、怒ってなんとか言うことを聞かせてやってきましたが、小学校3年の終わりくらいから学校に行かせようとしても勉強をさせようとしても、いつも「僕にはムリだから」の一点ばりで、動かなくなってしまったそうです。
この状態を長く続けてはいけないと思い、親子の関わりで子どもを発達させる発達科学コミュニケーションを学ばれ、家での関わり方と声かけを変えたら息子さんは「僕にはどうせムリ」と言わなくなったのです!
苦手な宿題も、声をかければ少しずつできるようになりました。
最初は間違いだらけでしたが取り組めたことをしっかり認めてあげたらだんだん学習習慣が育ってきて宿題でマルが増えていきました。
「やってみようよ!」の声かけに反応してくれるようになって、チャレンジできる場面もいろいろ増えてきました。
もともとおしゃべりがあまり得意な子ではなかった息子さんが、「これからの夢」も話してくれるようになり、その実現のためにどんな学校に行くのがいいのかなんて話し合いもできるようになっているそうです!
こんな嬉しい変化をお聞かせくださいました!
4.「自信を育み直す」チャンスを逃さず、自信が持てる中学生にしてあげよう!
今、お子さんが学校生活でつまづきを感じていて「無気力」になっていたり「頑な」になっていたら「自信を育み直す」チャンスにできる、そう考えてみましょう!
中学生になる前に発達の困りごとを小さくして、お子さんの自信を取り戻してあげましょうね。
「聞く耳をもたない」状態からいち早く卒業させてあげることで、お子さんたちは自信をもって中学進学のあらたなチャレンジに立ち向かっていくことができます。
学校で自信を失いやすい子は、学校でなにかしらのつまづきがある証拠です。
学校でできるサポートには限りがあるから、お家での発達サポートがこれからの時代必要になります。
毎日かかわることができる、安心できる相手であるお母さんだからこそできる発達サポートがあります!
まずは、お母さんの理想どおりにできていなくても「やった事実」を褒めてあげる、小さな認めてあげられるポイントを見つけて肯定的に声をかけてあげる、そんな関わりでお子さんの自信を取り戻していきましょう。
発達障害グレーゾーンの特性に関わる困りごとは、時間がたてば自然に解消することはありません。
だけど、やり方がわかっていれば困りごとを軽くしてあげることができます。
だから「見守り」ではなく、発達を加速させる関わりができるママになってほしいと願います。
この先やってくる中学校生活、高校生活を、スムーズに送るための準備が発達障害グレーゾーンの子ども達には必要なのです!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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