発達障害グレーゾーンの子どもが感情コントロールできるようになる! 人形を使った感情のラベリングの3ステップ

感情のコントロールができないお子さんに振り回されて毎日イライラ…そんなお悩みありませんか?今回は感情コントロールを身につけたい発達障害グレーゾーンの子どもにおすすめする、感情のラベリングの3ステップをご紹介します。

1.発達障害グレーゾーンの子どもはなぜ感情コントロールが難しいの?

発達障害グレーゾーンの子どもの感情に日々振り回されていませんか?

発達障害グレーゾーンの子どもは自分の感情をコントロールするのが難しいと言われ、脳の特性からくるいくつかの原因が考えられます。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子はこだわりの強さがあるため変化に弱かったり、自分や相手の感情を感じ取りにくく、人とのコミュニケーションが苦手な傾向があります。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子は衝動性が強いので、イライラを感じた際に、自分を抑えることができず突発的に感情を爆発させてしまい、友達関係のトラブルに発展しやすくなります。

HSC(Highly Sensitive Child 繊細な子ども)は発達障害と似ている特性も多いのですが、空気を読み過ぎるあまり、色々考えすぎ・見え過ぎてしまう不安感があり、刺激が多くなるとストレス反応が出やすくなります。

感情の脳は基本的に人と接する機会が多いほど豊かに成長すると言われています。

しかし、荒療治のつもりで見知らぬ子どもの中に放り込んだり、多くの友達と遊ぶことを無理強いしたりするのは、本人が望む以外はNGです。

いずれにしても、特性の違いを知ることは重要ですが、何が原因で子供が困っているのか?どうしたら困りごとを軽くできるのか?という視点が大切になってきます。

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2.吃音・HSCがあり、多すぎる刺激が苦手な長男

我が家には吃音・HSCがある小5の長男がいます。

1年生の頃から自分の言動や行動が相手にどう思われるか気にする余り、精神的な疲労が大きく、家ではイライラしている様子も見られていました。

聴覚過敏もあり、教室のざわざわした環境や鳴子を鳴らして踊る体育の授業では頭痛が出現するなど、学校生活での刺激の多さにとてもストレスを感じていました

小2の進級時、担任の先生の変更により『クラスの雰囲気が変わった』と不安感が強くなり、吃音が悪化しました。

学校に行く時間が近づくと頭痛・腹痛・吐き気が強く出るようになり、頑張って登校したものの、限界に達し不登校になりました。

その後、2年間の完全不登校を経て、現在は給食まで次男と一緒に会議室登校をしています。

安心できる場所と信頼できる先生がいることで、長男は充実した学校生活が送れるようになりました。

息子が会議室登校できるようになるまでの詳しい経緯はこちらの記事で▼
「また学校に行きたい」と発達障害や HSC の不登校の子どもが言ってきた時の親の対応はこの3つ!

現在の長男は『クラスに入りたいけど、みんなにどう思われるか』と不安が強く、学校内では生徒に見られない時間帯を配慮してもらい、登下校しています。

そこで長男の『人目が気になる。特に同級生が苦手』という困りごとに対し、感情コントロールのアプローチとして、映画『インサイド・ヘッド』の人形を使った感情のラベリングを行ってみました。

感情のラベリングとは、自分が感じている感情を言葉にして表現することです。

感情のラベリングをすることは、コミュニケーションにおいて子どもが適切に自分の感情を伝える助けにもなります。

3.人形を使った感情のラベリング

🔸ステップ1:インサイド・ヘッドの5人のキャラクターの理解する

2015年に公開されたディズニー・ピクサー映画『インサイド・ヘッド』は知っていますか?

『インサイド・ヘッド』にはヨロコビ・ムカムカ・カナシミ・ビビリ・イカリの5人のキャラクター登場します。

この5つの感情は楽しみ・嫌気・悲しみ・不安・怒りの基本感情とも言われており、感情コントロールにおいて、重要な感情と位置づけられています。

不登校中にインサイド・ヘッドのDVDを見ていた長男にキャラクターの特徴を理解している事を確認し、手の平サイズのインサイド・ヘッドの人形を与えました。

そして、ヨロコビは嬉しい・楽しい、イカリは耐えられない怒り・癇癪、ムカムカは不満・イライラ、ビビリは不安・恐怖と分類することにしました。

問題があった時に人形を持ち出し、その時の気持ちを人形に置き換えながら言葉にして、対話を行っていきました。

🔸ステップ2:感情を言葉にしてみよう!

何か問題が起こった時『どんな気持ちだった?』と聞いていきます。

問題:会議室で長男が次男に嫌がらせをする

私(長男に)『○○(次男)に嫌がらせするっていうけど、どんな気持ちから?』

長男『ムカムカ。○○(次男)は告げ口したり、給食の仕事を取ったりするから腹が立つんだ。僕は告げ口はしない。告げ口は格好悪いと思うから』

私『そうなんだね。困っている時は教えて貰えるとどうしたら良いかなって一緒に考えられるよ』『会議室でずっと次男といるのが嫌だったら、ちょっとクラスに入るのはどう?』

長男『それは無理。そりゃあ、会議室よりクラスの方がいいけど、勉強も完璧じゃないから行けないよ。テストも全部100点取りたいし』

私『そっか~。完璧になりたいんだね』など長男にはどんな風に自分の感情を感じるか、言葉で表現してもらい、改めて自分の感情を話し合うようにしました。

🔸ステップ3:感じている感情を数値で表す

更にネガティブな感情のイカリ・ムカムカ・ビビリ・カナシミに対して、10段階評価で数値化をしてもらうこともあります。

ある時の帰り際、学校の廊下に何人か生徒がいたので、なかなか帰れず猛ダッシュで玄関まで走った事がありました。

私『今の気持ちはインサイド・ヘッドの人形だとどれになる?』

長男『ビビリ。あぁ~、ドキドキした』

私『10を最高ビビリとするとどれ位のレベル?』

長男『同級生がいると8だけど、同級生じゃなかったから今は6だね』『見られるのが恥ずかしい。この気持ちは不登校を経験しないと分からないよ』

私『そっかそっか。見られるのが恥ずかしくて、怖いみたいな気持ちかな』『それってみんなと同じようにクラスで勉強していないことを自分は劣っている、みたいに思っているのかな』

長男『そうだね。同級生1人なら大丈夫なんだけど』

私『1人は大丈夫なんだね。それにしても毎日会議室で勉強して頑張ってるよね』など、ネガティブ感情に対しても、常にできている事を肯定するようにしました。

ヨロコビのポジティブな感情には親子で共有し、ハイタッチなども交えながらオーバーな位、ポジティブな感情を分かち合うようにしました

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4.感情のラベリングを行った長男の変化

吃音もあり、伝える力が苦手でストレスを溜めやすい長男にはまず自分の気持ちを感じてもらい、自分はどう思ったか、自分はどうしたいか、を親子で考える機会が増えました

特にムカムカとビビリが出てきやすい傾向があるので、私と一緒にストレス対策としてツボ押しや呼吸法などスマホで調べ、自分でも検索して調べる癖がついてきました。

自分自身が感じている感情を言葉にして表現できると、ストレスを和らげたり、ストレスへの耐性を高めたりする効果があるとされています。

わが家での感情のラベリングの方法をご紹介しましたが、いかがでしたか?

感情の脳は広く浅い関係よりも、狭く深い関係の方が成長するので、誰か1人でも、たとえそれが家族でも、しっかりした関係を結べていれば大丈夫。

なので、お母さんが子どもの1番の親友になって、感情のコントロールを身に付けてあげれば、お家でもしっかり感情の脳を伸ばしてあげられます

親子で行う感情のラベリングで、感情に振り回されず生きる力を身に付けていきましょう。

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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