ゲームに対する親のマインドチェンジ!不登校の兄弟がゲームで外の世界と繋がってイキイキし始める

子どもが不登校になり、ゲームばかりしていると心配になりますよね。わが家の長男と次男が小学校低学年から不登校になり、当初はゲーム中心の生活。そこから親のマインドチェンジによって、ゲームを通して子どもがイキイキと成長してきた様子をご紹介します。
 

1.不登校兄弟にゲームを与える親の葛藤

わが家の長男は聴覚過敏や刺激に疲れやすいHSC 気質があり、幼少時から集団が苦手でした。

小学校に入学後も対人関係で悩むことが多く、小2で進級したとき担任の先生が変更した不安から吃音が悪化。

人前で声が出なくなったり、無理やり教室に入らせようとした事がトラウマとなり、人に対する恐怖が芽生え、小2の夏休み明けより不登校になりました。

不登校になってからは自己否定の発言も多く、「死にたい。生きる価値が無い」「誰にも見られたくない。僕のことは忘れて欲しい」と暗い表情で話し、その年の秋には原因不明の病気で3週間入院することになりました。

そんな長男を間近で見ていた年子の次男も、徐々に不安が強くなり、爪噛みやスクールバスに乗れなくなるなどの行きしぶり症状が現れ、小1の冬休み明けには次男までも不登校になりました。

兄弟が不登校になった時は我が家にはゲームがなく、プラモデルやミニ四駆、本人が欲しいと言ったおもちゃなどを買い与え、熱中できる手作業で学校に行かない時間を楽しく過ごして欲しい、と考えていました。

あっという間にやることがなくなり、不登校になった年のクリスマスイブに長男は「プレゼントはスイッチが欲しい!」と急に言い出したのです。

もちろん急に言われたプレゼントを用意することは出来なく、小学校低学年の不登校の兄弟にスイッチを与えても大丈夫だろうか?と悩みました。

「勉強もしないでゲームにのめりこむのでは?」
「ゲーム中心の生活で依存症になったらどうしよう」

とネガティブな不安ばかりが押し寄せてきました。

私自身の子ども時代は、運動系の部活に加えて運動系の習い事に忙しく、ゲームの面白さを知らずに何となく暗いイメージしか湧いていなかったのです。


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2.なぜ男子はゲームにはまるのか?

ゲームが好きなのは圧倒的に男子が多いですよね。

これは男性の遺伝子に組み込まれた原始時代からの狩猟の名残とも言われています。

いわゆる男子はハンターなんです。

よって対戦ゲームや格闘ゲームでは思う存分に攻撃をして、相手を倒す制服感が満たされたり、競ってランクを上げることで優越感に浸れます。

男性の遺伝子には、戦い、競争、狩りを好む遺伝子があり、本能的に快感を受けやすくなっているんですね。

ゲームにのめり込む男子に対し、ゲーム=悪と捉える母親の構図は、男女の遺伝子の差とも言えます。

「スイッチが欲しい!」の訴えに対し、3ヶ月程悩みましたが、原因不明の病気になり、抑うつ状態になった長男が不登校中でも元気になることを最優先に考え、進級したお祝いにスイッチを購入することを決めました。

当時は長男小3、次男小2で、スイッチのゲーム時間は兄弟と相談し、みんなが学校に行っている時間
9:30〜12:00、13:30〜17:00 の間で自由に行えるようにして、親も腹をくくりました。

3.ゲームって凄い!ゲームの効果

◆ストレス発散にゲームは有効

最初に購入したソフトは『大乱闘スマッシュブラザーズ(スマブラ)』でした。スマブラとはキャラクター同士が戦って、相手を場外に吹っ飛ばす格闘ゲームです。

私も少しやってみましたが、85 体というキャラ数の多さと攻撃パターンがそれぞれ違い、めまぐるしく変わる戦闘の様子に全くついていけません。

子ども達からは『お母さん、雑魚すぎ』と呼ばれ、相手にしてもらえませんでした。

スマブラが上達するにはキャラクターの攻撃パターンの把握と、対戦する相手に合わせた攻撃の変化、コントローラーの微妙な動かし方が必要で、長男・次男はゲーム実況の動画を見て研究しながら日々の努力を積み重ねていました。

スマブラを通して、注意・集中力と記憶力、目と手の協調性、探究心がぐんぐんついていくのを確信しました。

・よくこんなに沢山のキャラを覚えられるね
・反応が早くて凄いわ
・どんどん強くなってるじゃん、さすが〜

と不登校当初のゲーム中心の生活に対して、徹底して肯定的な対応をしていきました。

また対戦型のスマブラにおいて、相手を吹っ飛ばす時の映像がとても派手な演出になっており、勝った時は気持ち良さそうに大歓声をあげていました。

幸いにも農村部の一軒家なので、大声を出しても気にすることはない環境でしたが、ランニングで家の前を通る知人からは「いつも楽しそうな声が聞こえているよ」と言われる程、賑やかでストレス解消に大いに役に立っている様子でした。

抑うつ状態だった長男はスマブラを始めてから、ゲームが心の安定を図ってくれ、「人生って楽しいね。100 才まで生きたい」と笑顔で話す様子も見られました。

◆学校に、行く!と決めたきっかけもゲームから

長男は小 2 の行きしぶりが強くなった頃、学校の事を考えただけで頭痛・腹痛・吐き気を催し、行
ける状態ではなくなり、その後は学校との関わりを持たずに過ごしました。

長男・次男が小 4、小 3 進級時に担任の先生が教科書を持ってきてくれ、長男は会えなかったものの次男は2人の先生とスマブラの話で盛り上がり、『スマブラを先生と一緒にやりたい』と希望が出ました。

そこで、学校側に申し出ると了解され、長男・次男と担任の先生の4人でスマブラ対戦が実現しました。

大好きなスマブラ対戦には人への恐怖心があった長男も参加でき、訪問に来てくれた 2 回共にボコボコに先生達を打ち負かしました。

その時、担任の先生から長男が 1番興味を持っていたフォートナイトがクラスで流行ってることを聞き、興味深く会話をしていました。

その後長男から『学校に行って友達とフォートナイトで遊ぶ約束がしたい』と完全不登校から 2 年後、再登校への意慾が湧きました。

再登校するようになった詳しい経緯は、こちらの記事を合わせてお読みください。
『「また学校に行きたい」と発達障害や HSC の不登校の子どもが言ってきた時の親の対応はこの3つ!』

「学校は地獄」とまで話したことのある長男が、友達とゲームがしたい事が強い動機となり、その後次男も加わり、会議室登校が定着していきました。


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4.ゲームのマインドチェンジから始まった子どもの変化

ゲームに対するネガティブなイメージを持っていた私ですが、ゲームの良さを知ってマインドチェンジをしました。

それからは、オンラインゲームもオッケー、ボイスチャットが出来るようにヘッドセットを用意したり、クリスマスプレゼントにもう 1 台のスイッチが欲しい、と言った時も快く了解しました。

このようなマインドチェンジをしてみると、兄弟共に嬉しそうにゲームの話をしてくれ、お手伝いも進んでしてくれるなど良い変化が見られました。

人への恐怖心が強く、次男の友達 A 君が遊びに来てくれてた時は怯えて泣き出すこともあった長男ですが、毎日来てくれる A 君に次第に心を開き、一緒にゲームが出来るようになりました。

その後、A 君の誘いで長男・次男が近所の学年が違う友達の家にもゲームをしに行けるようになり、ゲームのおかげで友達との繋がりが出来ました。今は近所のゲーム仲間と毎日野球を 1 時間するのも習慣になりました。

ゲームがきっかけに始まった会議室登校でも、「同級生に勉強が追いつきたい」と長男・次男共に集中して学びのスピードを上げ、1 年間の会議室登校で同級生に追いつく事が出来ました。

3年ぶりに受けた学力テストの結果も良く、大きな自信となりました。

他にも『三国志』や『にゃんこ大戦争』のゲームを通して、歴史や地理に興味を抱いたので、即座に関連する本を提供すると、主体的にどんどん学び、覚えた知識を教えてくれたり、クイズをだすなどのアウトプットが出来るくらい知識が定着していました。

不登校当初はゲーム中心の引きこもりがちな生活でしたが、今では長男・次男ともにゲーム以外で色んなことに意欲が増して、海水浴、登山、プール、サイクリング、ランニング、BBQ、釣り…とやりたい事を次々に口に出すようになり、週末は屋外で充実した日々を過ごせるようになりました。


いかがですか?

男の子のゲームのやりすぎを心配しているお母さん、ゲームを通して伸ばせる能力も沢山あるんです。

好きなことの先にある子供の成長を信じて、ゲーム=悪ではなく、子どもの好き・楽しいを応援できるようにマインドチェンジをしてみて下さいね!

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

お母さんがマインドチェンジをすると子どもが変わりますよ!

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