1.学校教育になじまない子どもが不登校に。
不登校になると、皆が学校に行っている時間が心苦しくて朝起きれず、皆が帰ってくる時間になると元気になり夜ふかしになってしまうという昼夜逆転問題。
小学校高学年や中高生にはよくある話なのかなぁと思いますが、これがもっと低年齢になってくると更に心配がつのりますよね。
今回は、保育園の頃から行きしぶりのあったお子さんが小学校低学年で不登校気味になり、昼夜逆転になってしまったお家のお母さんに、生活リズムや子どもの心の立て直し方についてお話を伺いました。
教えてくれたのは、以前にパステルキッズの食事についてお話をうかがった、くまざわえみさんです。
不登校の子どもとの食事時間が未来をひらく!親子でほっこりできる家での過ごし方〜重ね煮アカデミー®認定師範くまざわえみさんインタビュー~
今回の記事を読むと、子どもの興味を引き出して頑張るチカラ、立ち向かうチカラをどのように付けることができるのかがわかりますよ!
ーーくまざわさん、よろしくお願いします。小学2年生の息子さんは、不登校傾向だったということですが、不登校となった経緯を教えてもらえますか?
「元々登園しぶりが保育園の年中さんからありました。母子分離不安を疑ったこともあったのですが、自分が行くと決めればすんなりと離れられるという場面を見てそういうことじゃないのかなと思っていて。」
ーー幼少期は自分で感じたことを言葉にすることも難しく、何が嫌なのかがはっきりしない場合もありますよね。小学校に入ってからは、保育園時代と比べるとどうでしたか?
「小学校に入学した当初は、初めての環境で見通しが立ちにくい、教室のざわつきで耳をふさぐ等があり、行けなかったりしたこともあったのですが、保育園に比べたら時間割があってやることが決まっているという環境なので時々休みながらも行くことができているという状態でした。
2年生に進級して、1学期は6割は出席できていたのですが、夏休み明けから行けなくなってきて2割以下の出席になってきたんですよね。
1年生の頃の不安な気持ちとは違って、2年生というのは1年生である程度やってきたものの繰り返しというのが面白くないと言って、登校のモチベーションが上がらなくなってしまいました。」
ーー小学2年生で同じものの繰り返しがつまらないと教えてくれるところはすごいですね。好奇心が旺盛でもっと知らないことを知りたいとか、楽しいと思える学びをしたい!と思うようなタイプのお子さんかもしれないですね。
2.小学2年生の昼夜逆転を解消した魔法は?
保育園の頃から登園しぶりのあった息子さんが2年生で不登校状態が増したときから、くまざわさん親子にはある大問題が発生します。
ーー夏休み明けに学校へ行けなくなっていったとき、息子さんもお母さんも大変だったのですよね?
「2年生の夏休み明け学校へほとんど行けなくなった時、夜寝たら明日になっちゃうからと眠れなくなり、昼夜逆転になってしまったのです。
毎日毎日、夜に理不尽なことを言って朝が来ないようにと言って寝なくなり、夜中にずっとグジグジ言っているという状況が続いて…私も本当に大変でした。」
ーー小学2年生だとお母さんが先に寝ちゃうことも難しいですしお母さんも体力が奪われますね…そこからどのように立て直したのでしょうか?
「メンタルクリニックの先生には好きなことをして過ごせばいいよと言われたんですね。だから、本当に好きなことをさせてあげてきました。」
ーー息子さんの好きなことはどんなことですか?
「絵を描くことが好きで、体験したことをとてもうまく絵に表現できるのですよ。
ソフトバンクホークスのイベントに参加するために主人と新幹線に乗って福岡まで2人旅をして行ってきたらとても楽しかったようで、自分のデザインした新幹線を絵に描いていました!
レゴも好きでレゴシティというもので警察署を一度見本通りに作ってから分解して、今度は自分で考えて作り直すようなこともしますね。
漫画も好きです。ドラえもんや名探偵コナンがお気に入りです。課金しない程度に野球のゲームをiPadですることも多いです。」
ーー新幹線のイラストはとても表現力があって素敵ですね!学校に行かなくても安心できる人とお出かけしたり遊ぶことで脳が活性化しますね。好きなことをする中で昼夜逆転は解消したのでしょうか?
「すぐには治りませんでした。でもやっぱり昼夜逆転は治してあげたい、生活リズムだけは整えてあげたいと思って。
ちょうど息子が柴犬を飼いたいと言ったので、『ワンちゃんと散歩したいなら早起きしないとね!』と言って犬を飼うことをきっかけに生活リズムを整えられるんじゃないかと思いました。」
ーーペットを飼うということは、ご家庭によっては簡単なことではないと思いますが息子さんの気持ちを尊重してあげたのですね!息子さんもご両親が希望を叶えてくれたら、約束を守りたい!と思ったのでしょうか?
「そうですね。以前は朝ご飯のときもiPadを見ながら食べていて、注意したら逆ギレするような感じもあったのですけど、見ながら食べたら時間がかかっちゃってお散歩行けなくなっちゃうからけじめつけようねと言ったらもうピタッとやめるようになりました。
朝もしっかり起きて散歩に行くし夜も眠れるようになりました!」
ーーペットの力はすごいですね!毎日息子さんと一緒に散歩したり遊んだりして、息子さんが学校に行かなくてもやりたいことを引き出して楽しく暮らせる様にしているのですか?
「はい。犬の散歩も含めて私と一緒に毎日1万歩くらいは歩けるようになりました。
夏休み頃に比べると随分と活性化してきたなぁと感じていて、野球が好きなので野球チームにも入ることができました。以前は、今の生活が乱れるのが嫌だと言ってやりたがらなかったのに、変化がみられました。
チームも、失敗オッケー!褒めて褒めて伸ばすというところで息子に合っていると思います。
3学期に入ってからは自分の意思で学校に行く日も増えてきたので、学校という環境の中でも頑張りたいという気持ちがたまってきたのかなと思います。」
ーー学校に行かなくても家や習い事で子どもの力を伸ばすことができていますね!朝に楽しみなことが待っていると早寝早起きが習慣になりますね。
3.学校に行っても行かなくても子どもの世界を広げたい
ーー学校に行くのが辛くて昼夜逆転になるほどの体験をした息子さんをサポートしてこられて、学校が苦手な子どもに対して親はどのような関わり方をしたらよいか、くまざわさんの考えを教えてもらえますか?
「そうですね。私は、以前は学校に行けさえすれば過ごせるんだからどうにか連れて行こうと思っていたのですが、そうじゃないんだなぁという風に思えてきたんです。
息子は、ちょっと自信がない、ちょっと完璧主義でプライドも高いところがあります。失敗しちゃったらどうしようと心配するところもあるので家の中で自信をつけてあげるということが大事なのかなと思っています。
ただ、まだ小学2年生なので世界が狭いですよね。なのでもう少し子どもの世界を広げてあげたいなと思っています。自分が好きなことだと行きたいっていう気持ちを見せたりとか、友達と遊ぶということもできるので、その気持ちは大事にして育んであげたいですね。
学校の先生も息子が野球を好きなのを理解してくれて、お手紙を取りに行くついでにキャッチボールしようとかクラスの中に野球好きな子はこの子とこの子がいるよーと教えてくれたりしています。
先生に誘われて、じゃあ行こうかなという風になることも多いです。学校が苦手な子のお母さんは1人で抱えず、理解してくれる先生や大人と一緒に子どものできることを増やしてあげていきたいですね。」
ーー先生も息子さんに理解があって、家庭と協力してくれるのですね!くまざわさんが、学校に行く、行かないにとらわれずに、息子さんらしく成長していくことにお母さんとしての軸を持って関わっていることが先生達にも伝わっているのではないかと感じました。
くまざわさん、本日はありがとうございました!
4.子どもの気持ちを理解するチカラを持っていますか?
くまざわさんのお話しを聞いて、子どもの昼夜逆転を解決するために、一番大事なことは、
子どもの気持ちを理解することだと感じました。
なぜ、朝起きれないのか。起きたくないのか。
夜が来るとどんな気持ちになるのか。
ついつい、「明日学校だから早く寝なさい!」と行動させることばかり考えがちではありませんか?
昼夜逆転になってしまう子どもの気持ちを想像してあげる、そして理解してあげることで、子どもは安心して苦手なことも話してくれるし安心して学校を休んで心を回復させることができます。
この、「理解してあげる」という第一段階が本当に重要です!
勉強が遅れるとか、将来どうしよう等の心配は一旦わきに置いておいて、目の前で困っている子どもの今を見てあげてください。
くまざわさんは、子どもを理解するチカラがあったからこそ、息子さんの昼夜逆転はそれほど長引かずに解決することができたのです。
自分への自信が外で頑張る力の原動力です。
しっかり休むことができると、子どもは「何かやりたいな」と頑張りたい気持ちが出てきます。やりたいことを教えてくれたら、子どもの気持ちを受け止めて成長のきっかけにしましょう!お家の人と一緒だと安心してチャレンジすることができますよ。
そして次は外でやってみる!安心できる人とやってみる!お母さんはそれを汲み取り叶えるサポートをしていけば子どもは自分に自信を持てるようになります。
開けない夜はありません!気持ちの良い朝がきっと待っていますよ!
執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
新学期を前に昼夜逆転でも焦らない!発達凸凹キッズによく効く対応方法が学べます!
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