集中力の続かない発達障害グレーっ子が自分から勉強する子に!「たくさん勉強させない」ママのサポート術 

集中力が続かない子に「たくさん」「長時間」勉強させていませんか?学年が上がれば勉強の量も時間も増やすべき、という常識を発達障害グレーっ子に押し付けても自信を失う一方です。勉強嫌いを卒業するために、短時間でも得意なことからはじめてみませんか!?

1.集中力が続かない子に悩んでいませんか?

「宿題をやっていてもすぐに集中力がなくなるんです」
「授業に集中していない、と先生から注意されました」 

勉強嫌いキッズのママからも多くお寄せいただく「集中力」のお悩み。

一見、ただボーッとしている、やる気がないように見えるだけに、先生もママもサポートを誤ってしまいがちです。

集中力のない子にたくさん勉強をさせようとしても、やってもやってもできている実感がわかず自信を失っていく一方です。

集中力が続かないタイプの発達障害グレーゾーンの子の勉強嫌いには、ちょっと「非常識」な視点が必要です。

この記事では、なぜその非常識な視点が必要なのかを受講生さんの体験談をもとに解説します!

2.発達障害の子には勉強の「常識」が裏目に出る!?

発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)講座受講中の、小学校4年生・男子のお母さんNさんからのご相談です。

Nさんが個別相談にいらっしゃったとき、こんなお悩みをお持ちでした。

・ドリルを解いていても途中で嫌になってしまって、最後までやらせるために私もついガミガミ言ってしまう。
・学校の先生からも「授業中、ボーッとしていることが多いです」と言われ、勉強のサポートに頭を悩ませている。
テストに集中できず、全問解くことが大変な様子が見られる。

そんなNさんに今までの勉強の常識をくつがえす方法をお伝えしたところ、お子さんが大きな成長を遂げることができたのです。

3.集中力の続かない子が勉強嫌いになる負のスパイラル

不注意傾向があって気が散りやすい、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子は「集中力」の課題があります。

・1つのことに長い時間集中し続けることができない
・何かやっていてもすぐに他のことに気を取られてしまう

こんな特性があるんです。

脳には、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理するワーキングメモリという能力があります。

例えば授業を聞く場面なら…

・先生の言葉を一時的に覚える
・内容を整理する
・必要な情報をつかって書いたり、喋ったりする
・使わない情報は忘れる

こんな一連の流れがワーキングメモリの役割です。

ワーキングメモリが弱い発達障害のお子さんにたくさんの情報を処理させようとしても、大渋滞を起こしてしまってスムーズに処理することができません

それなのに、学年が上がってくると、勉強の量も時間も増やしたほうがいい…と先生も、塾の先生も、そして私たちママも思っている。

そんな教育現場の「常識」だけにそって勉強をやらせようとすると、集中力のない子はどんどん辛くなる一方だし、やってもやってもできている実感がないし、自信を失っていく一方、と1章でお伝えした理由はそういうわけなのです。

高学年になって、勉強嫌いが増えるのもうなずけます。

だから、発達障害グレーゾーンの子の集中力の伸ばし方を見誤らない!そんな子育てを今日からスタートしましょう。

4.集中力を伸ばすコツは「たくさん」やらせないこと

脳のキャパシティを超えた量の情報をいくらたくさん入れても、脳はしっかり働いてくれません。

処理できないのですから学習できないのです。

だから処理できる量からトライするこれでOKなんです。

自分でできる量を記憶→理解を繰り返すことで脳のネットワークが育っていきます。

そうなってはじめて、長い時間、多くの問題にも取り組めるようになっていきます。

脳を育てるにはステップがあります。

集中力の課題のある発達障害グレーゾーンの子に「たくさん」「長時間」やらせなくても大丈夫です。

あれもこれも「全部」やらせなくても大丈夫です。

5.勉強への意欲をかき立てたママの2つの視点とは?

まずはお子さんの処理できる量から勉強にトライしてもらうため、Nさんには2つの発コミュ視点でのアドバイスをさせてもらいました。

・お子さんの集中力がつづく時間の長さでよい
・得意な科目からやらせてあげてよい

Nさんも最初は「大丈夫ですか?」と不安げでしたが、取り組んでいく中でお子さんがだんだん意欲的になりました。

また、宿題に自主的に取り組むことが増えて、1日に取り組める時間も長くなっていきました。

宿題中にイライラしなくなり、「あ、宿題やらなくちゃ」と自分から言い出す様子を見て、確信をもってお子さんに関わってくださるようになりました。

発コミュ講座受講前は集中できなかったテストも、次第に全問解くことができるようになり(点数は最初は不問で大丈夫です)、次第にマルがつくことが増え、テストで満点が取れるようになりました。

授業でも落ち着いて話をきけるようになってきたと言われるようになりました。

「もし、あのままの対応を続けて勉強嫌いのまま大きくなったら…と思うとゾッとします。

ガミガミ言わなくてもこんなに変わるなんて驚きです」とNさんは教えてくださいました。

凸凹キッズには、教育現場の常識が裏目にでることもあります。

集中力の苦手さを抱える子の成長のステップがわかれば、お子さんに合った勉強のサポートをしてあげることができるようになりますね!

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

凸凹キッズの学習面でのお悩みはありませんか?解決のヒントがあります!

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