勉強嫌いの正体は「隠れ学習障害」かも?!発見も理解もちょっと難しい学習障害を知ろう!

発達障害グレーゾーンの子どもたちの中には「勉強が嫌い」というお子さんも多いです。

だから、私たち大人も、好きか嫌い、やる気があるかないか、で判断してしまいがちです。勉強が少々苦手でも「うちの子は学習障害かも」と疑ったりすることのほうが、もしかしたら少ないのかもしれません。

ですがその「気づかれにくさ」こそが学習障害の対応の見誤りの原因です!知らずに誤った対応をするのではなく、適切なサポートができれば、子どもを発達させ、学習習慣を育ててあげることができます。

発達障害の困りごとの中でも、ADHDや自閉症スペクトラム(ASD)は、行動やコミュニケーションなどの日常生活の様子をみれば、周囲の大人も「あれ?」と思うので、発見されやすいです。

ですが学習障害は見つけにくいことが多いのです。たとえば…

◆行動や社会性に目立った問題がなくて学習障害がメインのお子さんの場合
授業の進行の妨げになったり、集団活動の妨げをして、悪目立ちすることは少ないです。だから「困った子」ではなく、ただの勉強が苦手な子としてしか理解されないことがあります。

◆ADHDと学習障害の特性をダブルで持ち合わせているお子さんの場合
授業をちゃんと聞かない、友達と勝手にしゃべってしまうなど、行動を注意されることが多く、学習の特性が見落とされることがあります。我が家の息子はこのタイプでした。

◆自閉症スペクトラム(ASD)と学習障害の特性をダブルで持ち合わせているお子さんの場合も、ADHDと同様に、自閉症スペクトラム(ASD)の特性に注目がいきやすくて、気づかれにくい。


こんなふうに、
本当は発達の特性としての勉強の苦手さなのに、それが隠れてしまうことが多く、対応もスルーされてしまいがちです。

ここで、もう一度、発達障害・グレーゾーンの子どもたちの、学習の苦手さについて整理しておきましょう。

インターネットなどを検索していて、こんなワードを目にすることがあるかもしれません。
読字障害(ディスレキシア)
書字障害(ディスグラフィア)
計算障害(ディスカリキュア)
これらは限局性学習症とよばれ「読む」「書く」「計算する」特定のことがうまくできない。ですが、理解力については問題がありません。

だから、たとえ読むことが苦手でも、聞くことで理解したり記憶したりすることができます。普段の生活のなかで会話をしているだけでは全く問題に気づけないタイプです。

一方で、理解力のつまづきや苦手さ持っているタイプのお子さんもいます。読むとか、書くといった1つのことが苦手なのではなく、理解したり、学習(記憶)したりすることへの苦手さをもっています。

実は、日本では多いと言われていているのはこのタイプの子たち。

このタイプのお子さんは、読み書きにも苦手さがあるかもしれませんが、それだけを練習させても
理解のつまづきがあるのでお悩みは解消しにくいんです。

限局性学習症の子たちと、理解力に課題のある子たちへのサポート方法は異なります。

理解力に苦手さがある子どもたちも、学習の妨げになっている発達の特性が何かによって、どうサポートしていけばいいのかが変わってきます。

だからお子さんのつまづきの正体を知って、対応してあげたいのです。

では、この「学習障害」の困りごと、どこに相談して、どう対応していったらいいのでしょうか?

病院は、発達の診断や薬の処方をするのが役割なので、読み書きや学習のサポートをしてくれる場ではありません。

そうなると療育の出番なのですが、日本の公的なサポートとしての療育は、そもそも幼児が対象です。

本格的に、学習のつまづきがわかってくるのは、学童期に入ってからです。そうなると、結局、学習支援については「学校」と「家庭」に委ねられてしまうわけです。

学校の先生がどこまで理解があるかにもよりますが、冒頭でお伝えした通り、隠れ学習障害は大人も発見しにくい。

だから、ただ怠けていると勘違いされて、できないことを居残りでやらされたり、宿題の量を増やされたりすることも多いです。そうすると、勉強だけではなく、学校生活そのものが辛くなってしまう子どもたちがいるのも現実です。


だから、今度は、お母さんが頑張りすぎてしまいます。「塾に入れればいいのしら?」「通信教材をやればいいのかしら?」そんな図式ができあがりやすいのです。

ですが、やみくもに学習の支援をしても、なかなか勉強習慣が育たない、ますますやらなくなる、そんな経験をされている方も多いのではないでしょうか?

最初にやっていただきたいのは、慌ててたくさん勉強させることではなく、お子さんの苦手を把握することからスタートすることです。

我が家の息子は、集中力が続かないワーキングメモリが低い、そんな特性が学習の苦手さに影響していました。だからその特性に合わせて、耳から聞かせるよりも目で見て理解させる方法にシフトしたり、短い時間で学習時間を区切るなどの対策をしました。

シンプルに取り組むことで、インプットした情報を理解したり記憶したりすることが、だんだんできるようになっていきました。

お子さんの今持っているチカラ、そして今つまづいていること、これがわかってくればサポートの方法も整理しやすくなります。

適切なサポートがあれば、勉強が苦手な子ももう一度がんばり出すことができます。「できた!」「やれる!」を増やしてあげることができます。

ただの「勉強嫌い」と考えずに、お子さんと関わったり様子をみたりしながら、お子さんの苦手と得意を発見してみてくださいね。

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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