本当の苦手は何?発達障害の子の勉強嫌いは「勉強だけにフォーカスしない」で「できる力」を増やせばいい!

 発達障害やグレーゾーンのお子さんの勉強のつまずきや勉強嫌いの対応に困っていませんか?発達凸凹キッズへの対応は勉強だけにフォーカスしないことで発達をまるっと底上げしてほしい!今回はその理由をご紹介します! 

 

1.お子さんの勉強嫌いをどうやってサポートしていますか?

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勉強や宿題に自分から取り組まないお子さんに、一生懸命声をかけサポートしても、勉強を嫌がってなかなか始めなかったり、途中で投げだしてしまったり、塾を嫌がることが増えたりして、うまく対応できないということはありませんか?

勉強嫌いやつまずきに対しどう対応したらいいのか、困っているご家庭は多いです。勉強や宿題の時間が近づくと、ママもお子さんもイライラしてお互いに苦痛なものになってしまいますよね。

発達障害やグレーゾーンのお子さんの勉強のつまずきや勉強嫌いに対し、できるようになるまでひたすらトレーニングする方法をとっていないでしょうか。

お子さんのつまずきの理由はどこにあるか、発達凸凹の特性は関係していないか、よく観察すると見えてくるものがあります。

つまずきの理由を知ればサポートするものがわかり、お子さんをまるっと発達させることができます!ここでは何にフォーカスすればいいのかをお伝えしていきますね。

2.発達障害や凸凹キッズの勉強嫌いには、複雑な理由がある

発達凸凹キッズの勉強嫌いは、実はとっても複雑です。

例えば、「板書が苦手」なお子さんにはどんな発達の特性が影響していると思いますか?

「黒板を見る」「一時的に記憶する」
「頭で整理して」「ノートに書く」

この一連の流れ・複数の処理を同時に行うのが板書です。

板書1つとっても
・ワーキングメモリ(短期記憶)の苦手さ
・見ることの苦手さ
・情報を整理することの苦手さ
・書くことの苦手さ、
などいろいろな「苦手」が影響しています。

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だから、板書が苦手=書くことをトレーニングすればいい、というわけではないのです!

もう1つの例をみてみましょう。
「作文が苦手」なお子さんにはどんな発達の特性が影響していると思いますか?

「エピソードを記憶する」
「記憶を引き出す」
「書くことを整理する」
「書く」

作文を書くという行動1つをとっても、実はこんないろんな脳の働きが関わっています。

・記憶が苦手
・頭の中の情報を整理するのが苦手
・書くことが苦手

など、いろんな背景があって作文が苦手に感じるのです。

だから、作文が苦手だからといって良い文章をたくさん読ませてもたくさん書かせても、
それだけではうまくいかないことが多いのです!

どうですか?思ったよりも、勉強嫌いの背景って複雑だと思いませんか?

だったら!その勉強のつまずきを1つずつ紐解いて1つずつサポートしよう・・・
なんて思ったらめちゃくちゃ難しくてママもパニック!になってしまいます。

だから発達障害やグレーゾーンのお子さんの勉強のつまずきや勉強嫌いには、「勉強だけにフォーカスしない」という視点でサポートしていくといいのです。

3.発達の課題を整えて勉強の力を伸ばそう

発達障害やグレーゾーンのお子さんの勉強のつまずきや勉強嫌いには、日常生活の他の部分にも困りごとを抱えていることが多いです。

『聞く』ことが苦手な子
お母さんや先生の指示を聞き逃してしまったり、それによって切り替えが上手にできなかったりします

『見る』ことが苦手な子
忘れ物や無くし物が多かったりします

頭の中で『整理整頓』が苦手な子
学校での出来事をうまく話せなかったりします

『伝える』ことが苦手な子
お友達やママとのコミュニケーションにズレがあったりします

このように、勉強の苦手さは、実は、勉強だけの苦手さではない!ということ。しかも、高学年や思春期を迎えて、勉強への苦手意識が高まっているお子さんに、勉強の話をしようとしても、嫌がられてしまいますよね。

だから、「生活面」から脳を育ててみましょう!

わかりやすい指示や、プラスの感情を抱く声かけは、お子さんの「聞く力」を育ててくれます。

もし、今のコミュニケーションが「勉強どうしてやってないの?そのままだと進路がどうなるかわかってるの?今やらなかったら大変なことになるわよ。」なんていう、『長い』『お説教』のような声かけになっているなら、こんなふうに変えてみましょう!

「何時からやる?」
「あと15分ゲームしたらお風呂入ろう!」
「勉強終わったら、りんご食べようか(お子さんの好きなもので)」

など、短く、シンプルに、ポジティブに。こんな「脳に届きやすい声かけ」が、実は「聞く力」を伸ばしてくれます。

わかりやすい声かけは、脳の中で情報を整理するのもしやすくなります。

上手にインプット(聞くこと)ができれば、アウトプット(喋る、説明する)もスムーズに進みやすくなります。

「聞く」「理解する」「整理する」「伝える」などの勉強に必要な力は、実は普段の親子の会話から伸ばしてあげることができます。

お子さんの課題を整理できれば、苦手な宿題や勉強からではなく、得意な生活面からも発達を加速してあげることができますよ。

発達グレーゾーンの「勉強の苦手さ」の正体は、学校の先生も塾の先生も知らないことが多いです。発達の特性とは知らずに、集中力のない子に長時間勉強をさせたり、解けない問題を何度も繰り返しやらせても、それだけでは解決しません。

普段の会話から、脳を育ててあげて、勉強に必要な力を上手に育ててあげましょう。

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

発達凸凹キッズの苦手を変えるヒントがありますよ!▼

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