発達障害・グレーゾーンの完璧主義の子が「まぁいいか」とハードルを下げられるようになる柔軟性の育て方

「宿題をやっていないから学校に行かない」「持ち物がわからないから学校を休む」などこんなふうにお子さんが言うことありませんか?それ、発達障害の特性、完璧主義が影響しているかもしれません。完璧主義タイプの子の柔軟性を育てる声かけをお伝えします。

『明日は学校に行く!』とお子さんが宣言するのに朝になると

・宿題やっていないから行けない

・持ち物がわからないから行けない

こんなふうにお子さんが言うことありませんか?

お母さんからみたら

・そんなの前の日にやっておけばよかったでしょ

・ただの言い訳でしょ

と感じることが多いかもしれません。

それ、発達障害の特性“完璧主義”が影響しているかもしれません。

“完璧主義”は『こうあるべき』という考えを曲げることができないなどのこだわりが強いという特性が影響していたり、『ちゃんとやらないと先生やママに怒られちゃう』不安が強い特性が影響していることがあります。

大人としてはそんなに言うならはじめからやっておけば良いのにとつい言いたくなるのですが、『もう学校がしんどい』と自信を失ってしまったお子さんにとっては行動を起こすこともひと苦労なのです。

記憶を司る脳と行動を司る脳はとっても仲良しです。

自分で『うまくできなかった』と感じることや、怒られ過ぎて自信を無くした行動を起こそうとするときは『できそうもない』『嫌だな』というネガティブな感情がセットで呼び起こされるので行動まで結びつきにくいのです。

そんな完璧主義タイプのお子さんの柔軟性を取り戻した講座受講生のエピソードをご紹介しますね。

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2.完璧主義タイプのグレーっ子が柔軟性を取り戻したエピソード

小学校5年生男子のお母さんMさん親子の成長ストーリーをご紹介します。

小学校中学年までは勉強も得意だったM君。

それが5年生になってから登校しぶりをするようになり、塾に行かせてもちゃんとやらないことが増えていきました。

成績もどんどん落ちてきてお子さんが行きたいと思っている学校に入るのはむずかしいかも…という状態でした。

なので、ママもお子さんを心配して

「学校は1つじゃないから変えても良いんだよ」
「無理して受験しなくても大丈夫なんだよ」
「塾をやめても良いんだよ」

と伝えているものの

M君は

「この学校以外は行くつもりはない!」
「塾もやめない!」

の一点張り。

だからお母さんは「じゃあ勉強しなさい」というものの、全くやらない。

こんな堂々巡りがずっと続いて親子ともに疲れ切った状態でした。

そんなお子さんが

「他の学校も見てみようかな」
「塾も無理しないでやめてみようかな」

自分に合った方法に変えても良いんだ…と思えるようになって学校にも少しずつ行ってみようかなと、柔軟に考えられるように変わっていきました。

次にMさんがどのようにお子さんに声かけをしたのかをお伝えしますね。

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3.完璧主義のお子さんに封印すべき言葉とおすすめの言葉はこれ!

「学校行けてすごいね」

「勉強してえらいね、すごいね」

これらはNGフレーズです。

『すごい』『えらい』は大人の評価が伴うフレーズです。

裏を返すと『できないとダメ』と捉えられてしまいがちです。

ではどうすれば良いかと言うと

具体的に子どもの行動を言葉にしながらどんなふうによかったのかしっかり伝えていきます。

たとえば

「お疲れ様!ゆっくり休んで」

勉強を少しでもしたときは、

「国語の問題やったんだね」

「〇分間取り組んだね」

ママが答えられないことを自分で調べていたら

「自分で調べたんだね!」

ゲームをしていても

「指先、めちゃくちゃ早く動かすんだね!」

こんなふうに行動したことを認める声かけです。

実況中継をするように事実をしっかり伝える。

お子さんが実際にやっていることを言葉にするだけなので、お子さんも『何か要求されている』とか『何か評価されている』と感じにくくて等身大の自分を認めて肯定していくことができるようになっていきます。

自分のやり方、自分の考え方でもいいんだ!と子どもが思えるようになると物事を柔軟に捉えられるようになり挑戦することが増えます。

正解が1つだけじゃないと思えるようになるとうまくいかないことがあっても次はどうしたらいいのか?を考えるようになっていきます。

こんなふうに、発達障害グレーゾーンの完璧主義のお子さんには、柔軟性を引き出してあげる春休みの声かけをたくさんしてあげてくださいね!

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー) 

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