1.周囲の要求値が上がる中学生は不登校リスクが高い⁉︎
小学校まで楽しく学校生活を送れていた子にとっても、中学校に上がると様々な壁にぶち当たります。
・教科ごとに先生が変わる
・学習が難しくなり、定期テストがある
・生活の態度が内申点として評価される
・自主性が重んじられるようになり、先生のサポートが減る
・先輩、後輩関係もあり、人間関係が複雑になる
などなど。
子どもたち自身も、将来を見据えて、生活態度を改めたり、勉強や部活に真剣に取り組む子も増え、少しずつ大人への道を歩み始める時期です。
ただし、発達凸凹のある子はマイペースな子も多く、もともと好きなことは頑張っても、嫌いなことは頑張れなかったり、周囲の変化に戸惑うことが多くなり、劣等感が強くなっていくことがあります。
また、親や学校の先生たちからの要求値も小学校の時と比べてだいぶ高くなり、「中学生ならできてあたりまえ」「なぜ、こんなことが出来ないのか」と叱咤されることもぐんと増えます。
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2.必死で「普通」を強要しました
我が家の中2の息子は、中1の4月の終わりから登校しぶりが始まり、夏休み明けから完全不登校になりました。
小学校では、小さなトラブルはたくさんありつつも、友達にも恵まれ、少年野球チームにも所属して週末も活動し、充実した日々を送っていると思っていました。
そこで、中学校では、勉強面も生活面も、みんなについて行かせて、普通高校を受験できるようにしっかり管理したい、という私の思いから、
・何とか勉強についていくために塾に行かせ
・宿題や提出物をやるよう指示
・学校の準備をしっかりさせるよう毎日管理し
・週末は朝早くから支度をさせて野球に行かせる
と、私が描く「中学生生活」のままにすることを強要していました。すると、徐々に登校を渋るようになり、野球も休みがちになりました。
さらに、感覚過敏がひどくなり、制服の袖も通らず、野球のユニフォームのズボンにもどうしても足を入れることすらできなくなっていきました。
その時、すでに発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会っていたので、十分休ませることに対しての抵抗はありませんでした。それでも、あまり長く休んでしまうと、復帰しにくくなる…と思い、
「午後からだけでも行ったら?」
「得意な数学だけ受けに行ってくる?」
などと言って短時間でも行かそうと、一緒に付き添いながら門まで送っていったり、野球もユニフォームを履けるように下着を色々用意したり、少しでも楽な素材のものを探したりして履かせようとしましたが、泣いて嫌がるようになりました。塾も行かなくなり、全てを拒否するようになりました。
完全不登校となってからは、すっかりYou Tube、アニメ視聴、漫画、ゲーム三昧の毎日となりました。もちろん、勉強は一切していません。
発コミュを知る前だったら、無理やりに学校へ連れていき、叱りつけて勉強をさせ、ゲームやPC、携帯を取り上げて制限をかけてしまっていたと思います。
発コミュの上級コースで不登校の対応について勉強を進めるうちに、家にいても、脳を育てて発達を促すことができる、ということがわかったので、焦らず、発コミュで学んだ肯定の関わりを続けながら、様子を観察していきました。
次に、具体的に私がどのように対応しているかをお伝えしますね。
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3.好きなことを、好きなだけやらせよう!
何が息子にとって大切か。
勉強を周りの子たちに遅れることなく、万遍なくしっかりやらせることなのか。学校や学校外含めて積極的に活動してくことか。友だちをたくさんつくって大勢と関わっていくことなのか。
それは、本来明るく、元気な息子の心を壊してまで優先すべきことなのかと考えたら答えは簡単でした。
心穏やかに、好きなことを、好きなだけやる。その環境を整えてあげることが一番大事です。好きなことだと、脳がどんどん発達していくからです。
いやいや勉強させたとしても、身につくわけではなく、むしろ、勉強嫌いになってしまう危険があります。
それでは、我が家の息子がおウチで楽しく発達している過ごし方をお教えします。
◆1.You Tube、ゲームについてのディスカッション!
大好きなゲームや、You Tubeを使ってどんな力を伸ばしてあげられるか考えながら、一緒にYou Tubeを見たり、ゲームの話をしたりしています。自分の考えを言葉にするのが苦手な息子が、好きなことなら、いくらでも話せます。ゲームで頑張ってつくった建築物をどうしても見てもらいたくて、必死で解説を試みたり、「見て、見て」と言ってきます。
説明のしかたがつたないな、と感じる時は、
「そのルールがよく分からないんだけど、もう少し詳しく教えてくれる?」
「なるほど。○○を□□すると、△になるんだ~」
などと、質問をしたり、言語化をしてサポートします。
◆2.たくさんある不登校時間を有効に使う!
不登校は、せっかく出来た心の充電時間です!この時間を利用して、平日でもお昼ごはんを食べに出かけたりできるようになりました。
ちょっと遠出してスキーに連れていったり、最初は外に出たがらない子でも、子どもが行きたい!と思えるような場所をリサーチして外出に誘うと良いですね。
こうして、ガミガミと「○○しなさい!」とか、「□□はやめなさい!」などと、“普通”で あることを強要するのではなく、「好き」や「興味」からどんどん深掘りできるように環境を整えたり、思う存分体験できるようにサポートできるようになりました。
最近、息子は、オンラインのフリースクールに入学して、担当のメンターさんや、他の生徒さんとゲームをするようになりました。まだ、顔出しNG、声出しNGで、チャットやリアクションのみでの対応ですが、好きなゲームでの交流なので、毎回楽しみにしています。
知らない人との関わりには否定的な態度だった息子が、ゲームという楽しいツールがあるおかげで、私のサポートがなくてもメンターさんに会うために、自分でログインしてコミュニケーションを取れるようになりました。
不登校でも、ゲームやYou Tubeからでも、お母さんがおうちで子どもの脳を育てて、コミュニケーション力を伸ばし、やりたいことをやってみるチカラを育てることができます。
学校に行けないことを悲観しなくて大丈夫です。明るい不登校生活をぜひ試してみてくださいね。
執筆者:菊池 のりか
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
学校が苦手でも、おうちで脳を発達させる方法がみつかります!