学校が辛い!だけど学校に行かなきゃ…と思っている不登校の子どもの心を守る親の対応とは⁉

学校が辛い場所だと感じているにも関わらず、学校は行かなきゃいけいない…と思っているお子さんにどうしたらいいのだろう…そんなお悩みありませんか?今回、学校が辛く、不登校になった息子の心を守るために行った親の対応についてご紹介します。
 

1.不登校の原因は千差万別

不登校の子どもは100人いれば100通りの不登校になった理由があり、そこが不登校支援の難しさとも言われています。

幼児期から小学校に上がるときは「小1の壁」という言葉があるように、幼稚園や保育園では遊びが中心の生活スタイルから、小学校に上がると急に勉強を中心とした1日の流れになります。

小学校では文字の書き方や読み方、計算の方法など学年が上がるにつれて、学習内容のボリュームも増え、内容も高度になっていきます。

そして学校のルールにも従う必要があり、集団活動での協調性など社会性が求められます。

また友達関係も年を追うごとにより複雑になり、誰とでもみんなと一緒に遊ぶのが楽しい時期から自分の興味や好きな活動に応じてグループが作られ、広く浅い関係から深い関係を好むようになります。

よって学校生活が楽しいものになるには勉強が理解でき、先生・友達とのコミュニケーションが取れること、学校のルールにうまく適応することが求められていきます。

次に我が家の息子が学校に適応できず、不登校になった経過をお伝えします。

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2.学校は地獄…それなのに頑張ろうとする息子

我が家には吃音、HSC(繊細な子ども)の特性を持った中1の息子がいます。

小学校に入学した時は同級生4人の小さな保育所との違いに戸惑い、いつも緊張状態でした。

保育所では○○君、○○ちゃんと呼んでいたのが小学校では呼び捨てになっている、みんなすぐに友達を作っているのに自分だけ友達ができない、自分のことをみんなはどう思っているのだろう…

思うように友達とコミュニケーションが取れないため、小1の後半には休み時間は教室にいることができず、校内を1人でウロウロ散歩していることを聞き、心配に思っていました。

小2の進級時に担任が変わった不安から吃音が悪化して、人前で全く話せなくなり、自信を大きく失い、みんなに一斉に見られた恐怖体験が心の傷になっていました。

クラスに入れなくなった息子の背中を先生がグイグイ押された体験も更に恐怖となり、学校に行く時間になると頭痛・腹痛・吐き気が出るようになりました。

息子の口から『学校は地獄なんだよ。学校は刑務所みたいだ』との言葉も聞かれるようになり、学校に行ける状態でないものの、学校は行くべき場所で何とか行かなければいけない…と無理して頑張ろうとする息子を見て、学校に行く意味に疑問を感じるようになりました。

「このまま学校に無理やり行こうと頑張っていても息子の心はどうなってしまうのだろう」と私自身が危機感を覚え、いっそ学校と距離を取った方が良いのでは?と思い、息子に『当分学校をお休みしよう』と提案しました。

次からは学校は行くべき、と思い込んでいた息子に伝えた、学校を休むことを保証してくれる法律の話についてお伝えします。

3.不登校親子は『教育機会確保法』で守られている!

2017年に施行された法律『教育機会確保法』をご存じでしょうか?
この法律は不登校の当事者・親の声をもとに生まれた、一人ひとりに合った学びの場を保証するための法律です。

内容は学校が辛い時は休むことが必要であること、学校以外のフリースクールや家庭も学び場の一つであることが法律の中で保障されています。

教育機会確保法については、「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」から分かりやすいリーフレットがダウンロードできますので、参考にしてくださいね。

息子は学校を休んでも罪悪感を抱えている様子もあったので、リーフレットをもとに『学校が辛かったら法律で休んでもいいことになっているから大丈夫だよ』と伝えました。

もし、学校から強すぎる登校刺激があった時は、教育機会確保法の情報を伝え、学校に行きたくない、もしくは学校に行けない子どもの気持ちを尊重することが大切です。

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4.辛い学校から思い切って離れてみよう

小学2年の終わりに学校と一旦距離を置こうと決めた私は学校の先生と話し合いを持ち、以下の3点を伝えました。

①欠席の電話連絡はしない。万が一、子どもが学校に行きたい希望が出た場合のみ、こちらから連絡する。

②学校のお便りは月に1回、私の方からもらいに行き、その時に子どもの様子を伝える。

③進級時の4月初め、担任の先生が分かった時点で、子どもの様子を文書にして伝える。

学校に行くことで心理的不安が強くなる、いつも緊張状態にあり心が休まらない、などが見られた場合は、思い切って学校と距離を置く選択もあります。

脳は好きなことや楽しいことで発達するので、嫌なこと・辛いことが多い環境はむしろ脳の発達を妨げてしまうからです。

学校ではなくても子どもがイキイキと楽しく過ごせれば、お家でも十分脳は発達していきます。

5.安心感を取り戻した息子の心の変化

不登校当初は人に会う恐怖感が強く、『自分のことを誰も知らない場所に引っ越したい』など家から出るのを嫌がっていた息子。

家でも学校の雰囲気を感じさせないように教科書・ワーク類は封印し、自由に過ごすことを大事にしました。

辛い学校から解放された息子は笑顔も増え、悪化していた吃音も落ち着き、自分の思いを伝えてくれるようになりました。

日常の中で『○○したい』が増えていき、夢中でおもちゃやゲームで遊んでいきました。

不登校当初、ピタゴラ装置のようなおもちゃの種類の「くみくみスロープ」や「グラビトラックス」を欲しがったので与えると、見事な経路を作り、球が転がる様子を夢中で眺め、沢山のコースを作りました。

その後、徐々に友達とゲームをしたい気持ちも出てきたので、近所の弟の友達と遊べるようになり、人への恐怖心もゲームを通してどんどん薄らいでいきました。

ピタゴラ装置を作る遊びは小5から始めたプログラミングの習い事に繋がり、友達を通じて小6から野球少年団に入団し、息子の中で挑戦することが増えていきました。

息子は完全不登校2年を経て、自分から『会議室で勉強したい』と安心できる別室登校で3年間を過ごし、中学入学を境にクラスに復帰をしていきました。

現在の息子は朝早くに起きて勉強を行い、バトミントン部に入部し、部活のない週末は友達の家に遊びに行くなど、毎日充実した中学校生活を送っています。

不登校中にやりこんだゲームも、友達の中では無敵と称されるほど強いので、それもまた自信になり、夢中に取り組んだことは全て息子の糧になっています。

いかがでしたか?

不登校になってまず優先するべきものは「子どもの心」です。

「子どもの心を壊してまで行うことは何1つない」、というのは発達科学コミュニケーション創始者の吉野さんの言葉です。

不登校の子どもは多かれ、少なかれ、自分が学校に行けなくなったことに劣等感や罪悪感を抱き、深く心が傷ついていることも多いです。

学校が辛い場所と感じている時は一旦距離を置くことも必要であり、まずはしっかりお家で休ませ、安心感を取り戻してください。

急がば回れ!心のエネルギーが溜まれば自分から『○○したい』と前を向いて歩きだす時が必ず来ます。

子どもの心、子どもの気持ちを第一に考え、一人ひとりに合った道を歩んでいきましょう!

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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