HSPキッズが先生に相談できないワケ。繊細ちゃんの「相談するチカラ」を育てるお母さんの言葉

わからないことがあっても聞くことができない。先生に相談できない。そんなHSPのお子さんが心配になりませんか?人に相談できないのは、〇〇を気にしすぎているから。「大丈夫だよ」のような気休め言葉はNGです。繊細ちゃんの相談力を引き出す言葉とは?

1.わからないことがあっても人に相談できないHSPの子ども

敏感で繊細な性格のHSP(Highly Sensitive Person)キッズは、周りの雰囲気や他人の反応に敏感で、人の意見や気持ちに強く影響されやすい傾向がありますね。

これは、一見、「HSPの子どもは相手の心がよくわかる」と解釈しがちですが、実は違うのです。

よくわかるのではなく、深読みしすぎて「わからない」から不安になるのです。

人の言葉や、表情を人の何倍ものセンサーで感じとるために、

「この人はどう感じるのかな?」
「自分がやったことで迷惑かけてないかな?」
「さっき、あんな風に言わないほうがよかったかな?」
「あ、今、表情が固くなった…嫌な気持ちにさせたに違いない…」

等々、感じた情報をぐるぐると頭の中で考えて、自分の解釈で結論づけてしまうのです。でも、それが、本当に相手の気持ちなのかはわかりません。

当たっているかもしれないけど、間違っているかもしれない。他人は自分ではないので、わからなくて当たり前なんです。相手の気持ちを聞く体験を積みかさねて、「こうすれば相手は喜ぶんだな」「こういうときはこんな気持なんだな」と確信を得られるように成長していきます。

だから、コミュニケーションの機会が少ない子どもの場合、直接、相手と話して確認してみないことにはわからない、ということがあるのです。でも、傷つきたくないHSPさんはが直接友達や先生に気持ちを聞くなんてハードルが高すぎる!

この悪循環ゆえに、わからないことや不安なことがあっても先生や友達に相談できない、という問題が起こります。

お母さんが、「先生に聞いてみたら?」と言っても、

「嫌だ!」「自分でやるからいい」等と強がっているように返ってくることがありませんか?

「わからないことは聞くことが大事なんだよ」や、
「間違ったことを言っても大丈夫なんだから」など、

お母さんのアドバイスを一方的に言ってしまうと、HSPさんは「お母さんは私の気持ちをわかってくれない…」と心を開いてくれなくなってしまいます…

2.嫌われるのが怖いから、相談ができません!

我が家の小学6年生の娘も、小さな頃からHSPの傾向があります。

学校では周りをよく観察し、先生の話は姿勢良く目を見てしっかり聞き、友達には優しく優等生タイプ

先生との保護者懇談で、「うちの子家では、末っ子気質ですごく甘えん坊ですし、わがままもすごいんですよ。」と打ち明けると、毎年先生たちはとてもびっくりされています。

娘曰く、「学校では細心の注意をはらって、いじめられないよう、叱られないよう、頑張ってきている」のだそうです。

疲れますよね(笑)

「嫌われたくない」という想いが強いので、宿題や課題でわからないことがあっても先生に聞くことをしません。何が何でも家で解決していこうとします。

友達にも同様で、グループ課題で「ここ誰がやるんだっけ?」というようなところがあっても、相談ができないので、自分が多めにやって最悪の事態に備えるタイプ。

頑張るのは良いことですが、必要以上に気を使い、やることもてんこもりになってしまうため、常に疲れてしまいます。

「このまま大人になったら、仕事も同じように抱え込んでつぶれてしまうのでは…」
「相談する力を身に着けさせてあげたいなぁ」

と思うようになりました。

3.「人の役に立つって嬉しいよ!」を教えるおすすめ言葉

相談できない繊細なお子さんには、言うとNGな言葉とOKな言葉があります。

◆NGワード 「大丈夫だから聞いてごらん」

子どもが何かわからないことがあったときに、言っても無駄な言葉は、

「いいから、先生に聞いてごらん」
「大丈夫だから」
「お母さんが聞いてあげるよ」

など。

お母さんは、聞けば先生は教えてくれるだろう、聞いてわかれば解決するんだし、と思って声をかけると思います。

ですが、HSPの子どもは「わかるわからないよりも、どう思われるかのほうが大事」なのです。

たとえ先生が教えてくれたとしても、

「『これくらいもわからないの?』と心の中で思ってるかもしれない…」

と想像してしまって聞く勇気は出てこないのです。

◆OKワード 「お母さん教えたいな!」「聞いてくれるとうれしいな!」

相談しても、相手がどんな気持ちになるか不安な子どもには、相談しても安心な体験をたくさんさせてあげましょう。

お母さんに質問や相談してきてくれたとき、「いいよ!」だけではなく、

「聞いてくれてありがとう!」
「〇〇ちゃんが聞いてくれると嬉しいな〜」

と、お母さんは、あなたに相談されたり、教えることは嬉しいことだと何度も伝えてあげましょう。

我が家の娘は、私が家事や家での仕事をしているときだと、「本当は忙しいんじゃない?」「本当はめんどくさいって思ってるんじゃない?」と、母に対してまで気を使ってくれるので、こんな言葉をプラスして伝えてきました。

「忙しいけど、〇〇ちゃんが優先なんだよ」
「〇〇ちゃんを助けてあげるのがお母さんの使命だからね!」
「人を助けてあげることができたら、自分も嬉しいんだよ」

と、娘が安心感や自己肯定感を持てる言葉、「人に何かしてあげるのは我慢してやるんじゃなくて自分にとってもいいことなんだよ」というメッセージを。

時には、「ねぇねぇ、手伝ってくれる?」と言われたら、「はい!喜んで!」とふざけたりしながら会話をすることもあります。

このようなやりとりを繰り返すうちに、娘は、家では素直に気楽に私に相談してきてくれるようになりました。

また、学校でも、直接言葉で聞くのはまだ苦手だけれど、ノートに疑問点などを書いておくと先生が答えを書いてメッセージをくれるようになりました。

相談や質問も、口頭だけではなく、書くことが得意なら文字で伝えるもありなんだなぁと、私自身学びになりました。

ぜひ、皆さんも、なかなか人に心を開けない繊細ちゃん・繊細くんを助けてあげる場面がきたら、楽しく!喜んで!助けてあげてください。

人に相談することのイメージをいいイメージに変えてあげたいですね!

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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