1.一方的に話すことが多い発達障害グレーゾーンの子どもたち
自分の言いたいことを一方的に話す我が子に「ちょっと、待って待って!」と困ってしまうことはありませんか?発達障害グレーゾーンの子どもは会話のキャッチボールが苦手です。
・自分の言いたいことを一方的に話してしまう
・ほかの人が話し始めてもそれにかぶせるように話をしてしまう
・話題が途中で急に変わってしまう
なぜ、発達障害グレーゾーンの子どもは上手に人と喋ることができないのでしょうか?
それは脳の特性が関係しているんです。
ですが、その脳の特性を知り、たった3つのステップを踏むだけで、お子さんを会話上手にすることができますよ。
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2.発達障害グレーゾーンの子はなぜ一方的に話すことが多いの?
ここからは、なぜ発達障害グレーゾーンの子が一方的に話すことが多いのかその理由を考えてみたいと思います。
●注意欠陥・多動症(ADHD)の特性がある子どもの場合
ADHDの子は不注意や多動、衝動性を持っています。
不注意があると、人の話を集中して聞けません。そのため、長く興味のない話はうわの空になりがちです。
多動性があると、喋り出すと止まらなくなり、絶え間なく早口に喋ってしまいます。
衝動性があると、人の話が終わるのを待てず、遮って話しをかぶせてしまったりします。
●自閉スペクトラム症(ASD)の特性がある子どもの場合
不注意のほか、場の空気を読むこと、人の表情を読み取ること、人の気持ちを汲むことが苦手な傾向があります。
そのために、自分の興味のあることだけを話続けてしまったり、相手の反応を見て話題を変えることができません。また言葉の意味を字義どおりに受け取りやすく、皮肉や冗談を理解するのが苦手です。
そして会話のキャッチボールが苦手な子に共通して言えることは、じっくり観察してその場を『見る』チカラが弱いということ。そのため、今どんな場面でどうするべきかを把握することが困難になってしまうのです。
発達障害グレーゾーンの子は、上手く会話のやりとりができる場面もあり、一見普通に会話ができているようにも見えます。
ですが、実際に一緒に喋ることの多いお母さんは、
・話が嚙み合わない
・最後まで聞いてくれない
・空気を読まずに話してくる
等の、子どもが一方的に話す場面を頻繁に経験します。
そのため、「あれ?」「ちょっとちょっと」「おーい」と思う場面が多くあるのです。
3.どうしたらいいの?ADHDグレー女子の会話中の割り込みはきょうだいの喋る気持ちを失わせていた
我が家の小5の次女はADHDの発達障害グレーゾーンです。
当時小4だった次女は、とにかく話したいことがあると、わたしが電話をしていようと、イヤホンをして講義を聞いていようと、ほかのきょうだいと話をしていようと、お構いなしに一方的に話すことが頻繁にありました。
また、喋る内容も主語がなかったり、まったく関連のない話が唐突に始まったりするため、その内容を理解するのに「それは何の話?」「主語は?」「いつの話?」と質問していかないといけません。
それでも、まだ次女一人の時はこちらが合わせるだけなので、なんとか会話自体は成立していました。しかし、我が家には小6長女・小4次女・4歳長男と、子どもが三人。「聞いて、聞いて」のお年頃の4歳長男がいると、もはや、どちらが何を喋っているのか全く分かりません。
そして何よりも、あまり積極的に喋らない小6の長女が喋る時に、すぐ話をかぶせてくるため、長女が「もういいわ。」「めんどくさくなった。」と会話を切り上げてしまうのです。
長女と話をしていて次女が話をかぶせてくると、長女が話を終わらせてしまうので、わたしは先に次女の話を聞いてしまっていました。
そのあと、長女に「ごめんね。さっきの続き聞いていい?」と言っていたのですが、日常の雑談に近い話は、改めて言うほどでもないため、長女も「べつにいい」と話さないか、再度話し始めてもまた次女が話をかぶせてきて終わる、というパターンでした。
わたしは、
「口数の少ない長女の話をもっと聞いてあげたい… 」
「どうしたら次女に分かってもらえるだろう? 」
という気持ちで困っていました。
ですが、次女の一方的に話す悩みはたった3つのステップで解決することができたのです!次に実際にどう行ったのかお伝えします。
4.子どもが一方的に話す時に試したい3つのステップ!
♦ステップ1)ルールを無視した会話は取り合わない姿勢を貫く
今回、私が次女に使ったテクニックは一方的に話すといったような『ルールを守っていない会話はとりあわない』という方法です。
なぜなら、ルールを無視した会話にお母さんが反応しているうちは、そのやり方でも自分の話を聞いてもらえるため、これで良いのだと子どもが誤学習してしまうからです。
そこで、長女と話をしているときには、次女の話を取り合わないことにしました。
しかし、話にわたしが反応しないと、次女は聞いてもらおうとより声のボリュームを上げ、食いついてくるようになりました。そのため長女は前にもまして話す気をそがれ、その場を立ち去ってしまうことも。
発達障害グレーゾーンで、見て状況を判断するのが苦手な次女。はじめは話しを取り合わないだけでは会話のルールを理解することは難しいと思いました。
♦ステップ2)『見る』+『聞く』で状況理解をサポートする!
次は次女が一方的に話をかぶせてきたときに、聞かない振りだけではなく、ジェスチャーで制止のポーズをしてみました。しかし、次女はそれですぐに話すことをやめるわけではありませんでした。
長女も『またか』といった風に話をやめようとするため、長女には「続けて」と伝え、次女には制止ポーズとともに「今、お姉ちゃんと話しているから」と伝えるようにしました。
伝える時に注意したのは、長女をずっと見て話す、ということです。視線は決して次女にむけません。それは、次女に『お母さんは、いま誰と話をしているか』ということをはっきりと知らせるためです。
次女は『聞く』ことのほうが得意で、じっくり『見る』ことが苦手です。そのため、視線を向けないで視覚的に今の状況を伝えることをしながら、言葉でも補うことで、聴覚的にも理解を促すことにしました。
結果、次女は話しだした言葉を飲み込んで、長女との話が終わるまで話すのを待つことができたのです。
♦ステップ3)ルールを守れたら感謝でしっかり肯定する
上手に待てた時には次女に
「待ってくれてありがとう。次は○○ちゃんの番。何のお話だった?」
ときちんと待てたことを肯定し、順番がきたことを知らせます。
そうすることで、会話には順番というルールがあることを学び、正しい行動を理解し、この行動を定着させることができるのです。
これをくりかえすうちに、次女は話をかぶせてくることはあっても、母の反応を見て、ハッと何かに気づく力がついてきたように感じます。
「今、話していい?」と尋ねることが出来るようになったり、つい母と姉の会話に話をかぶせてしまった後に、姉に「先に話してごめん」と伝えることが出来るようになりました。
そして、こちらが話を聞けるタイミングでないときには「見て見て!お母さん今何してる?」と、まずじっくり見ることを促せば、「あとで喋るわ」と待ってくれるように。
さらに、会話の途中で話を変えてしまうときには、わたしが驚いた顔をしながら話を中断し、「そんな時には話す前に『話が変わるんだけど』って言ってくれると、お母さん助かるな。」と伝えたところ、自ら「さっきとは関係ない話なんだけどさ」と、前置きをするようになりました。
次女が会話のルールを守れるようになってきたおかげで、私は長女の話をしっかり最後まで聞いてやることができ、長女も今までよりも話をしてくることが増えました。
現在、小5になった次女ですが、相変わらず、話したいときに話し始めるところは相変わらずです(笑)でも、母は視線を向けずスルーするだけ。それだけで、今の状況に気づき話すのを待てるようになってきています。
そして、5歳になった息子も、娘と話しているときに割り込んで来たら「今、お母さんは誰と話していると思う?」と伝えながらよく見ることを促しています。結果、息子も一方的に話すことをやめて、「お話長いんだもん」と文句を言いつつも、ほんの少しではありますが待てるようになってきていますよ。
いかがですか?発達障害グレーゾーンの子どもが、ルールを無視して一方的に話す時にはぜひこの3ステップを試してみてください。きっと会話上手になること間違いなしです。
上手にスルーして、『見る』ことを促し、言葉でも状況の理解をサポート、そしてうまくできたら肯定ですよ!
執筆者:小林ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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