1.フィンランド教育は子どもの学力を伸ばす?
子どもの将来についてお母さんは心配がつきないですよね。
周りの子に比べて我が子はどうなのか…
このままじゃ勉強遅れてしまうのではないか…?
このままで大丈夫??
という心配をしてしまいますよね?
このような子どもの成長への不安は、日本のお母さん特有であることをご存知ですか?
今回、皆さんに「もっと安心して子育てをして大丈夫!」と勇気をいただける方からお話を聞くことができました。
フィンランドエデュケーション協会代表の水橋史季子さんです。
水橋さんは、日本とは違う教育を取り入れ学力ランキング世界トップに躍りでたフィンランドに注目し、実際にフィンランドへ視察へ行き、フィンランド教育を日本のお母さんが取り入れることのできる講座を開催しています。
なぜ、フィンランド教育を取り入れると、日本のお母さんが上手に子育てでき、子どもがかしこく成長していくのか、フィンランド教育の歴史とともに水橋さんにうかがいたいと思います。
ーーフィンランドの子ども達の学力が世界トップランクに入ったのはいつ頃からなんですか?
「フィンランドはまだ独立して100年と、若い国で、他の隣の国々のように天然資源があまりなく、森林と湖が8割なんですね。そのため、人を育てることを大切にすることを柱にした国なんです。
1960年代は、知識教育というものが行われていました。日本のような教育ですね。最近は日本も少しずつシフトチェンジしてきていますけどね。
基本的に先生がこうだよと教えて、生徒が覚えて、テストで書く教育。フィンランドの先生はすごい言い方をするんですけど、『吐き出す嘔吐教育』って言うんですよ!
すごいがんばってがんばって覚えて、気持ち悪くなって吐き出して、何も覚えていないっていう(笑)」
ーーすごい例えですね!でも、本当ですね、あんなに必死に覚えたのに何も身についていない…ということが多いです(苦笑)
「1970年代に入り、子ども達主体の子ども達が考えるようにしていくという教育に変わりました。ある大臣が頑張って改革を進めていったんです。
そして今は、インターラクティブといって、子ども達も大人も学び合い、子どもの自主性を高める教育の形になっています。
国が教育をこうする!としっかり予算を教育にとって取り組んだことで2000年のPISAテストで世界トップに踊り出たんですね。」
※PISAテスト(国際学習到達度調査)〜15歳において、これまでに身につけてきた知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測るテスト。OECD(経済協力開発機構)によって2000年から3年ごとに実施されている。
ーーすごいですね。教育改革を国全体で進めた成果なのでしょうか。
「そうですね、ただ、フィンランドの先生達が口々に言うのは、『僕たちはPISAテストで上位になりたいからこの教育をしているわけではない。ランキングが落ちたとしても、そこにフォーカスして教育しようとは思わない。』ということです。
2000年は、日本はゆとり教育の時期があって、成績が下がり、上げなきゃという視点になって国の人たちがフィンランドへ視察に行くようになりましたが、日本ではなかなか教育に予算を投じることができていないので同じような教育環境になるのは難しいですね。」
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2.フィンランドの子ども達は安心した環境で育ちます
フィンランドが国全体で子どもも大人も一緒に成長することを決意し、教育改革をおこなったことで子ども達の力が自然と世界トップレベルに成長したというお話を聞いてきました。
フィンランドの先生達が、テストで点数を上げるために子ども達に教えているのではないと言っていることに、とても感動しました!
では、実際に子ども達はどのように学習し、社会に通用する大人になっていくのか気になるところです。フィンランドの学習事情、子育て事情について聞いていきましょう。
――フィンランドは子どもも大人も一緒に学ぶということで、日本との違いを感じますが、塾や受験戦争などもないのでしょうか?
「まったくないですね。学習塾はひとつもありません。偏差値もないです。学校によってどこがいい、悪いという概念がないです。
フィンランドの全国どこに住んでいても、子ども達に同じ教育内容を平等に与えることができるというコンセプトになっているので、どこがいいとか悪いとかいうことがないし、安心感が全然違います。
授業数も圧倒的に少ないです。だけれども、成績がトップになっていくのはどういうことだろう?って驚きましたね。」
――学力を上げるということに競争は必要ないということですか。子ども達はどうやって進学する際に学校を選んでいくんでしょうか?
「日本のように大学に入るのが難しいのではなく、高校を卒業することが難しいんですね。そして、新卒採用とか、浪人という価値観があまりないです。高校卒業レベルの学力を身につけて卒業することが望ましいとされています。
大学入試は、科目テストがあってひたすら勉強するというよりも、論文が重視されています。興味のある希望の学部学科の論文をたくさん読んで、自分で考えを持って、自分の意見を述べられることが必要です。」
――相手の意見を認めて、自分の意見を伝えることができる人になれるような教育が必要ということですね。
「そうです!長い目で子どもの成長を考えることが必要で、『この子が大きくなったときにどんな子になるかという』長期的視点が大事です。日本の親御さんの場合、お母さんの庇護が強くなってしまうんですよね。
『自分で子どもをなんとかしないと』と、目先の問題をすぐに解決することにやっきになってしまう。発達の特性なんかに関しても自分を責めたりしてお子さんも追い詰めてしまいがちですよね。」
――どうしても、周りの人に迷惑をかけちゃいけないと思って子どもを熱心に教育したり、叱り付けてしまうお母さんもいて、怒りたくて怒っているわけじゃないと思うんですよね。フィンランドのお母さん達はしつけはどうしているんでしょうか?
「フィンランドでは、感情的に怒っている人を見たことがないですね。子どもも、幼児期のイヤイヤ期はありますが、街中でギャン泣きするシーンは見たことがないです。それは親や保育園などで日頃からなぜ、そうしなくてはいけないのかという理由やルールを丁寧に教えているからです。
どうしてかというと、ネウボラ制度という子育て制度があるんです。子どもが生まれると育児パッケージという1歳になるまでに必要なものワンセットが送られ、6歳までネイボラ保健師さんという毎年研修を受けている専門家がワンファミリーに一人つきます。
乳児検診以外にもその先のこと、パートナーとの関係についてなどもマンツーマンで対応してくれるんです。向こうでは男性女性の差がなくて、女性も8割はフルタイムで働いていて、家事育児も男性が同じようにしています。
日本とは比較できないほど進んでいるので、お母さん達は安心して子育てすることができるんですね。安心できる場というのが日本では少ないですよね。」
――たしかに、お母さんが安心していれば、子どもにも安心感が伝わりますよね。その良好な関係があれば反抗的になることもなくなりそうです。
「お母さんとの愛着が大事なんですね。2歳くらいまでの間にお母さんとの関係がうまく作られると、その後スムーズです。でも、大きくなってからでも全然大丈夫ですから。大きくなっていても、しっかり愛情をかけてあげれば愛着形成することができます。
日本は横並びで比較されてしまうんですよね。1年生になった途端に座ってないとって言われてしまう。昔はもっとぐちゃぐちゃで走り回っていたんですよ。
日本も国がもっとしっかりしてと思うけど、怒りを持たない方がいいですね。家族でできることがたくさんあります。」
3.日本の家庭でも取り入れられるフィンランド教育
フィンランドの国の体制や大人の子どもへの関わり方を聞いて、日本とは全然違うんだな、日本で子育てをする中で不安になってしまうのは仕方ないことなのかなと思いました。
その中でも頑張っている日本のお母さん達は本当に花丸だと思います!
ここで、「フィンランドいいな〜」で終わらせるのはもったいない!私たちが日本に住みながらフィンランド教育を少しでも取り入れて、子ども達の成長を後押しできるといいですよね。
水橋さんに、日本でできるフィンランド教育の取り入れ方を少し教えてもらいましたよ。
――フィンランドの教育事情を聞いて、「日本がおかしいのか!」と気持ちをチェンジできました。
「そうなんです!日本が特殊の教育をしているんですよ(苦笑)かといって、じゃあ海外留学しようと勧めるわけではないです。日本は日本の良さもありますし。
その子が自立して楽しく人生生きていければいい。小学生までの間にしっかり親子の信頼関係を築けるように関わってあげることをオススメしています。しっかりお母さんが子どもを信頼して関わっていけば、自立した子どもにちゃんとなっていきますから。
フィンランドでの教育を家庭に落とし込んで実践してもらうと、その日のうちに子どもが変わったっていう方々がいるんですよ。
子どもはお母さんとすごく共鳴しています。お母さんのメンタルを整えることがとても大事です。」
ーーフィンランド式子育ての講座では、お母さん達にどのようなアドバイスをしているんでしょうか?
「大事なのは、上から目線で命令したり叱ったりしないということ。お母さんが思っていることと子どもが違う行動をしたり、子どもが困っていたら、『〜しなさい!』『〜しないとダメじゃない』と言うのではなく、『どうしてだと思う?』と話しかけます。
『どうしてだと思う?』というのはフィンランドでは『ミクシ?』と言われ、学校でも先生達がよく使っている言葉かけです。
これは承認しているという肯定的なメッセージになり、子どもが自主的に考えるきっかけになります。そうすると対話する楽しさを味わえ、コミュニケーション能力がアップしていくんですね。」
ーー上から指示出しされてばかりだと、考える力がつかないですもんね。言葉掛け以外に、親子で一緒に取り組める遊びなどありますか?
「子どもができていることを『見える化』することがオススメします。ハッピーツリーといって、子どもができていること、楽しいこと、得意なことを葉っぱの形の色画用紙に書いて見える化していく方法があります。
日本人はできないことに目をむけてしまうので、逆のことに視線を向けるんです。
敏感のお子さんの心で例えると、コップの中にドロドロの液体が入っているとしたら、綺麗な液体に変わっていくように、ハッピーツリーでできることを一緒に見ながら、『いいよね、できてるじゃん』という風に一緒に見ると、その言葉がお母さんにも返ってきます。
大きくなった子だったら、子どもっぽすぎるかもしれないから付箋に書いて貼ってあげるのもいいですよ。」
こちらでハッピーツリーの作り方がわかります!
フィンランド教育で心配性の子どもが自信満々になれる!ハッピーツリーの作り方
ーー子どものことを言葉と目で認めながら、お母さんの心もかわっていきますね!読者の皆さんも、フィンランドの教育事情を知って安心した子育てをしたくなっていると思うのですが、最後に日本のお母さん達にむけてメッセージをお願いします!
「日本は、常に競争させられていますよね。情報が多すぎるんです。何歳になったら何ができるとか、生まれた途端に何時間おきにミルクを欲しがるとか、みんな同じになることあるわけないじゃん!って思いませんか?
そういう情報は、ちょっと横においておいてほしいんですね。子どもが何を感じているのか、何をしてほしいのか子どもを見て考えてみてほしいです。
ただ、発達の遅れで支援を受けるためには公的手続きも必要ですから、子どもに発達の特性があるかなと気づいたら、それはいいこと、プラスに考えたらいいと思います。より良い教育を受けられるチャンスだと。
そして、子どもが『なんで自分はみんなと違うの?』と言ってきた時には、『みんなといっしょじゃなくていいんだよ』と伝えられるように心の準備をしておけばいいですよね。
日本のお母さんは、あれもこれもやりすぎです!引き算してください。頑張って頑張ってヘトヘトになってお子さんに当たっちゃったーと自己嫌悪するんじゃなくて、その前に自分をいたわってくださいね。」
ーー引き算、それは納得ですね。母一人で勝手に頑張っちゃっているってことも身に覚えがあります。私も自分をいたわっていきたいと思います。ありがとうございました‼︎
4.フィンランド式子育てで親子で成長できる
水橋さんのお話を聞いて、日本のお母さん達にはもっと目の前の子どもの姿を信じて、子どもの日々の成長を感じて欲しいと思いました。
フィンランドの子ども達が学校で伸び伸びと自分らしく成長することができるのだったら、日本で今辛いことを抱えている子ども達ももっとイキイキと成長できるはずなのです。
いろんなことを嫌がったり、反抗したり、意欲的になれなかったり…それはその子どもが自分のことを認めてもらうことができていないから。
日本の学校教育がフィンランドのように大きく変わるのはまだまだ先のことでしょう。
でも、お家で一緒に暮らすお母さんなら、365日子どものことを理解して認めて、その気持ちを子どもに伝えることができます!発達科学コミュニケーションなら、365日子どもと一緒に過ごすお母さんが子どもを発達させてあげられますよ。
私は、毎日の生活の中で子どもを肯定する言葉がけをすることで、こどもの良いところにも気づけるようになり苦手なことよりも得意なことを伸ばしてあげよう!という気持ちになりました。
すると、どんどん子ども達は積極的に新しいことにチャレンジしていくようになりました!私も子ども達のできていることだけに目がいくようになり、子育てが楽になりました。
お母さんの気持ちと言葉が変わることで、子どもも変わります。
お母さんは子どもを認め続けて、困っているときに相談役となりましょう。お子さんんに「ミクシ?(どうしてだと思う?)」と問いかけ一緒に解決策を探しましょう。
子どもの成長はインスタントに結果がわかるものではありません。是非、長期的な視点でこどもを認めるチカラをつけて良いところを伸ばせるお母さんになりましょうね!
水橋史季子さん
グロリアタイム株式会社代表取締役、フィンランドエデュケーション協会代表
日本の子育て応援団長。日本航空の客室乗務員として26年間勤務し、のべ300万人に接客。退職後は接客業を中心にコミュニケーションスキルを育成する研修会社を設立。そのなかで小学校授業においてコミュニケーション教育を行なうフィンランド教育や子育て支援制度に着目し、オリジナルメソッドを開発。子育てに悩む母親を対象にした講座やカウンセリングを提供している。
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(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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