1 発達障がいの子どもの「話す力」「聞く力」は自然に伸びる?
発達障がいのお子さんは、コミュニケーションが苦手な子が多いです。
中には「一生懸命話しても伝わらない」ことが重なった結果、自信を失ってしまっている子もいるかもしれません。
いくら経験を積んでも失敗体験が多いと、年齢が上がるごとに苦手意識が強まってしまうので、自然に会話が上手になるのは難しいかもしれません。
子どもは周りの人、とくに身近なお母さんと会話をしながら、「話す力」「聞く力」を伸ばしていきます。
お母さんがコミュニケーションを意識して変えてみることで、お子さんがグンと成長することがあります。
お子さんの「話す力」「聞く力」を育てて、今より親子の会話を楽しめるようになってみませんか?
2.発コミュを実践し、会話が苦手だった子どもが大きく成長!
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んだBさんから届いた、嬉しい報告をご紹介します。
Bさんのお子さんは、小学校中学年の男の子でした。
文章にして話すのが苦手で、話そうとすると「あのね!あのね!」と言ってばかりいて、よくわからない。
人の話を聞くのも苦手で、指示も通りにくい…。
こんな状態が気になり、お母さんが厳しく指導を続けた結果、息子さんは「どうせ僕なんて…」といつも自信がない様子で、心因性の症状が出て、学校へ行きしぶる様子も出始めていました。
Bさんは、息子さんがこのような状態になって「自分の対応がまちがっていたかも」と思い、相談にいらっしゃいました。
私のところに相談にいらっしゃる前に、病院や心理士さんに相談はしていたそうです。
「この子はとにかく自信がないまま育っている。」と言われたものの、何をすればいいのかは教えてもらうことができませんでした。
しかし、発コミュを学び始めて半年…
「通知表の、国語の「聞く」と「話す」に二重丸がついたんです!」とご報告がありました。
お母さんの頑張りも、息子さんの頑張りも、本当に素晴らしく、私も自分のことのように喜んでしまいました。
他にも息子さんには、こんな変化があったのです!
●話が聞ける、うまく話せると自覚するようになった!
●「どうせ僕なんて…」と言わなくなった
●失敗しても「次はできるかも!」と思えるようになった
●大嫌いだった勉強に対して抵抗感がなくなり「やればできる!」と思えるようになった
●泣いたり喚いたりせずに、自分の気持ちを話せるようになった
●癇癪を起こした弟さんの気持ちを、代弁してあげるようになった
その自信と頑張りが、通知表に結果となってあらわれたのだと思います。
3.子どもの力を伸ばす親子のコミュニケーションとは?
Bさんが半年の間に、お子さんにどう接していたかと言うと…
●勉強は「やったところ」「できたところ」を褒める
●時々0点のテストを持って帰ってくるけど、それでも「褒める」
●お子さんがわかりやすいように、指示を短くする
●ゲームの話でも何でも、よく聞いたり、質問したりする
●給食が好きなので、明日のメニューや、今日の給食の感想を聞く
●意見を言ってくる時は否定せずに、「そっか、そういうふうに思ったんだね」と受け止める
このBさんの取り組みのポイント、わかりますか?
1つは、子どもを否定せずに、自信を育むことを徹底したこと。
もう1つは、お家での会話を通じて、お子さんに「わかった!」「伝えられた!」という成功体験をたくさん積ませてあげたことです。
会話の材料は息子さんの「好きなこと」中心にしていました。これが子どもの「話したい!」気持ちを盛り上げてくれるんですよね。
本をたくさん読ませたわけでもなく、教材を買ってきて特訓したわけでもなく、お母さんの接し方を変えたことで、話す力・聞く力、国語の成績も伸びたエピソードでした!
逆を言えばお母さんたちの間違った対応が、子どもたちが「伸びない」引き金にもなるということです。
何度ガミガミ言ってもやらないとわかっているのに、その方法を続けますか?
発達障がいの子どもたちに、苦手を克服させるようとする「しつけ」は、はっきり言って不向きです。
親子のコミュニケーションを変えることで、お子さんの将来も変わってくるのです!
今までのうまくいかない対応を手放して、お子さんの自信を育む接し方にチェンジしていってください。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
子どもの力をグングン伸ばす親子のコミュニケーションのコツ、教えます!