通常級でガンバル発達障害・グレーゾーン新中学生のためのお母さんのサポート術

今年の4月から中学校に進学される発達障がいグレーゾーンのお子さんも多いのではないでしょうか。中学でつまずきやすいポイントをチェックして、お子さんが通常級でガンバルためのサポート術を身に着けましょう!

1.発達障がいグレーゾーンのお子さんが中学校に入学したら、お母さんにまずやってほしいこと!

今年の4月からお子さんが中学に進学するというご家庭も多いのではないでしょうか。

私には、現在高校1年生の発達障がいグレーゾーンの息子がいます。

中学は通常級で頑張っていましたが、振り返ってみると、親として中学校とのやりとりには苦戦した記憶があり、様々な壁があったな…と思います。

もちろん自治体によって、もしくは同じ自治体であっても学校単位で、対応のバラツキはあります。

それでも、お母さんたちに4月の入学後にまずやってほしいのは「お子さんの特性を学校の先生に伝える」こと。

先生に伝えるためにはお母さんがお子さんのことをよく知っている必要があります

お子さんの特性による苦手に気づかないまま”努力でなんとかなる”と思っているとしたら…それはちょっとリスキーかも!

まず、教育現場の先生の多くは発達のこともグレーゾーンのことも「知らない」と思ってください。理解のある先生もいますが、確率は高くはないと思います。

先生も知らずに学校で毎日誤った対応をする…
家でお母さんも知らずに誤った対応をする…

このダブルの誤った対応でこじらせまくったのが我が家です。

同じ失敗を皆さんにはしてほしくない!

だからこそ、通常級でガンバル新中学生のためのお母さんのサポート術をお伝えします!

2.子どもがつまずきやすい「小学校とのギャップ」とは?

まずお母さんに知ってほしいのは、思春期グレーゾーンのお子さんがつまずきやすい「小学校とのギャップ」です。

小学校までは担任の先生の手厚いフォローで頑張っていたグレーゾーンの子ども達も、中学になって教科ごとに先生が変わるため思うように「理解」してもらえなかったり「フォロー」してもらえなかったりします。

発達障害グレーゾーンのお子さんの中学進学つまずき3大ポイントを簡単に説明しますので、「うちの子、どの辺に困りごとありそうかな」とチェックしてみてくださいね。

◆行動面・生活面の壁

忘れ物が多い、時間を守れない、授業への意欲関心が低い、委員会活動などへの関心が低い…こんな生活面全般の行動が成績として評価されるのが中学校です。

特に発達障害グレーゾーンのお子さんは、“できること”もあるのでその分、“できないこと”が目立ってしまいがち。

ただ手を抜いている、サボっている、やる気がない、反抗的、などと勘違いされることが残念ながら増えてしまいます

◆対人関係の壁

思春期になると、周囲のお友達の「心の成長」が加速します。それによって友達同士のコミュニケーションが複雑化してくるのがこの時期です。

特にアスペルガー傾向のあるお子さんは、本人が意図しない発言で嫌われてしまったり、コミュニケーションに自信が持てなくなって人付き合いが怖くなったりします。

・一方的に話してしまい、相手に嫌がられる
・思ったことをそのまま言葉にしてしまう
・自分の考えをうまく話せない
・社交辞令や冗談を真に受けてしまう
・空気が読めないと言われる

など、お子さんもうまくいかないストレスを抱えやすいので注意が必要です。

◆勉強の壁

勉強の苦手がある子どもたちは「やる気がない」わけではありません。

・集中力が続かない
・同じことを何度やってもできない
・宿題を提出しない
・授業を聞いていない
・成績が伸びない など…

発達の特性と絡む勉強の苦手さは子どもに負荷をかけすぎないのが鉄則です

成績も大事ですが、そればかりにこだわりすぎず、子どもの「得意」「がんばりたい」の気持ちをしっかり育てましょう。

どうですか?気になるポイントや「あー、うちの子、これだわ」なんていう気づきはありましたか?まずは、気づくのが第一歩です。

では、いかに入学前にお母さんがラクに、手を抜きながら、ストレスを最小限に、子どもが自分で「動ける」ように働きかけるのかをお伝えしていきます!

3.お母さんが頑張りすぎないで「子どもを動かす」方法はこれ!

次に、お子さんの「苦手」ランキングを考えてみましょう。このランキングが見えてくればサポートの方法も見えてきますよ!

お母さんたちがお子さんの「苦手」「できていないこと」にイライラする理由。それは「一番できていないこと」からやらせようとするから

ここでちょっとワークをやってみましょう。頭の中でお子さんに対してイライラすることを10個思い浮かべてください。そして、難易度の低い→高いの順番で並べ替えます

難易度が低いというのは、時々はできている、とか声をかければできる、とかそういうものです。

逆に難易度が高いというのは、何度言ってもやらなくて毎回親子バトルになっちゃうようなことです。

一緒に過ごす時間が長くなるとあれもこれもできていないことが目に入って来ると思いますが 一度にやらせようとしてはダメです!

難易度レベル1(難易度低い)に入っているものを1つか2つできるようにサポートするところからスタートです。

例えば食事の後の食器をさげる…これならできそうということであれば、声をかけてやってくれたらしっかりと肯定してあげてください。

これが2回に1回しかできなくても3回に1回しかできなくてもできた時にしっかり認めてあげてください。そして「ありがとう」と感謝の気持ちも添えてください。

できないときは、叱る必要も否定する必要もありません。

「今日はできなかったんだな」と思って終わり。また次の日も次の日も優しく、明るく、声をかけてみてください。

そして数日してそれができるようになってきたら…また次に難易度の低いことで声をかけたり動けるようにサポートしたり ステップアップします。

「そんな事からやって、いつになったら勉強にたどり着くんですか?!」と思うかもしれません。

いつになったら苦手なことに向き合うチカラを子どもが身につけるのか…。それはお母さんの肯定の力が伸びてきて親子関係が安心できるものになってきたときです。

勝手にその時期がやって来るわけではありません。

だから、お母さんにもほんのちょっぴり対応を変えてもらう必要があります。だけど、忙しく時間に追われるお母さんが頑張りすぎるのは正直しんどいものです。

頑張りすぎずに、今できる一番ラクなところから着手しましょう!

一番ラクなところから始めても、子どもたちは新・中学生活を前向きに頑張れるようになるものなのです。

発達障がいグレーゾーンの子どものやる気を取り戻すには順番があります

今やらなくていいことをちゃんと見極めて新年度を迎えさせてあげましょう!

やらなくて良いことを見極めて、新年度を迎えるまでに親子関係を良くしておきましょう!
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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