1.不登校の原因になりやすい「中1ギャップ」
4月からお子さんが中学校に進学されるという方もいらっしゃると思います。
中学校に入学した途端、小学校とのギャップを感じてトラブルや悩みを抱え込んでしまう子どもたちがいます。
いわゆる「中1ギャップ」とも言われています。
小学校の時にイキイキと登校できていた子でもこの環境の変化についていけず、「不登校」になりやすいので気を付けたいところです。
「中1ギャップ」で我が子がつまずくのはなんとか避けたいですよね。
小学校と中学校の違いというと何を想像しますか?
・定期試験がある
・教科ごとに先生が違う
・制服がある
・厳しい校則がある
・先輩・後輩の上下関係が厳しい
など、いろいろ思いつくと思います。
しかし、発達凸凹の子はここにあがっていない意外なギャップに戸惑っていることがあるのです。
2.発達凸凹の子は意外な所でつまずいている!
現在中学3年生の自閉症スペクトラム(ASD)タイプの娘も、中学に進学した時意外な中1ギャップで悩んでいました。
それに私が気づいたのは中1の4月。授業参観の時でした。
娘が授業中になんだかソワソワしていたことに気づきました。
なぜソワソワしていたのか娘に聞いてみると、意外な答えが返ってきました。
「小学校のときは『わかる人?』と聞かれて自信のあるものを『はい!』と挙手して答えていたの。
でも中学校に入ったら、『わかる人?』って聞いてくれる先生があんまりいないの。」と。
娘は、挙手を求めずに先生が指名する形に困っていたようです。
例えば
「今日は5月1日。(出席番号)1番の人!」というふうに始まり、その後はその席の前後や斜めに当てていく。
よく中学生以降に見られるスタイルですよね。
ところが、ASDタイプで見通しが立たないことに対する不安が強い娘は、この進め方がとても怖かったのです。自分の出席番号が当たらないか考えては不安になるわけです。
そして、この「不安」というのは2種類あって
「自分が答えられなかったらどうしよう」
「私が1番に当てられることで、席の前後の子が次に当てられるから嫌がるだろうな。嫌われないかな」という2つの不安です。
どちらの不安も「他の子からどう見られるか」という中学生ならではの不安でもあるのです。
娘の場合、不登校の兆候も徐々に出てきていたため、思い切って先生に相談してみました。
「この当て方がそこまで不安にさせていたとは思いませんでした。」と先生はおっしゃって、他の先生にも伝えてくださるとのことでした。
しかし、中学校はそれぞれの先生のカラーや教科の特性もあるので、実際にはすべての教科で配慮されたとは言えない部分もあります。
発達凸凹の子は意外なところで悩んでいます。とくに思春期女子は人から悩んでいることを知られたくないという面もあるのでなかなか自分から話しません。
そんな時、いち早く子どもの変化をキャッチできるのがお母さんです。
では、どのように子どものつまずきをキャッチして対応していけば良いのでしょうか?
3.1つ1つの不安をつぶすより、春休みはコレを意識して!
大人が「こんな些細なことで…」と思ってしまうようなところで子どもはつまずく事があるので、場面ごとの困りごとは、その時にならないと気づけない面もあります。
細かい1つ1つの不安に対処するというより、入学前のこの時期にやっておきたいことは、お子さんがお母さんに悩みや不満など言える関係作りをしておくこと。
「もう中学生になるんだから自分で何とかしなさい」というのではなく、不安を訴えてきたら「そう思うんだね」と寄り添う姿勢でお子さんを安心させてあげてください。
子どもがどんなことを言ってきても、まず「そう思ったんだね」と返す。
否定されない安心感を持てると、話したいという気持ちが芽生えます。
お子さんが不安に思っていることを話してくれることで、お母さんもお子さんの気持ちをケアできて、困りごとに早めに対応してあげることができます。
「中1ギャップ」でつまずかないために、この春休みはなんでも話せる親子の関係作りを意識して過ごしてみてください!
執筆者:青島明日香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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