「やる」と言うのに進まない…小学生の宿題にイライラするママが「教える」より先に見たもの

宿題で手が止まり進まない小学生。「なんで分からないの?」と悩むママが「教え方」ではなく「子供の状態」に目を向けた結果、無理なく集中できる関わりに変化!子供のやる気を引き出し、宿題の悩みを解決した小さな成長の記録です。

「やる」と言うのに進まない宿題

私の生徒さんのFさんには、小学2年生の娘さんがいます。

小学1年生の頃は、それほど困っていなかった算数。

けれど少しずつ内容が難しくなり、2年生になると、つまずくことが増えてきました。

宿題をやらないわけではありません。

「宿題はやらないといけない」という気持ちがあり、分からなくても自分なりに頑張っていました。

けれど、分からない問題は間違えたまま 提出することもあります。

すると、返ってくるプリントには お直しの付箋が貼られます。

直せないまま、また次の付箋が増えていく。

「みんなは次の日には直して、先生に出しているのかな」

「付箋がずっと残っているのも、かわいそうだな」

Fさんは、そんなことを感じていました。

ある日、溜まっていたお直しに取り組んだ娘さん。

ところが2問ほどすると、分からなくなってしまいました。

下を向く。

ペンを置く。

手をこねこねする。

ムスっとした表情のまま、動かなくなってしまいました。

「なんで分からないの?」ママも苦しかった

「今日はもう、やめようか」そう声をかけると、首を横に振りました。

「やる」その言葉を聞いたFさんは、様子を見ました。

やりたいと言っている。

だけど、下を向いている。

ペンは止まっている。

説明しても、頭に入っていないように見える。

そこでFさんは、「今は、できる状態じゃないんだ」と思いました。

「やる気がない」のではなく、

「やりたいけれど、今はできない状態」なのかもしれない。

そう見えたことで、次の関わりが変わりました。

宿題で「分からない!」と癇癪に…。
小1・小2の癇癪の“根っこ”と対応をチェック
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子どもの「状態」を見たら、関わりが変わった

Fさんは以前、学んだことを思い出しました。

娘は、じっとしているときよりも、体を動かしているときの方が行動しやすいところがありました。

そこで、「ちょっと一回、そこの廊下を走って戻ってきて」と声をかけました。

「え?」という表情。

それでも、バーッと廊下を走っていきました。

そして戻ってくると、ニコニコ笑っていたのです。

さっきまで下を向き、ペンを置いていた娘が、もう一度、宿題に向かいました。

少し伝えるだけで、解ける問題もありました。

その日は、約15問のお直しを最後まで終え、かかった時間もいつもの半分ほどでした。

けれど、ここで大切なのは、「宿題が進まなければ走らせればいい」ということではありません。

Fさんが最初にしたのは、走らせることではありませんでした。

「この子は今、どんな状態なんだろう?」と娘さんを見たことでした。

だからこそ、「もっと説明する」以外の関わりを 選ぶことができたのです。

宿題でイライラしたときの小さな一手

「やる!」と言いながらも前に進めない娘さんを見て、Fさんは今回「今、この子は問題を解ける状態ではないのかもしれない」と考えました。

そこで、いったん宿題から離れ、廊下を一度走ってくることを提案しました。

走って戻ってきた娘さんは、さっきまでとは違ってニコニコ。

すんなり椅子に座り、もう一度、自分から問題に向かい始めました。

かかった時間も、いつもの半分ほど。

何より、「やる」と言った気持ちが、「できた」までつながったのです。

変わったのは子どもだけではありません。

また問題を解き始めた娘さんを見て、Fさん自身も思わずニヤッ。

イライラしかけていた気持ちが切り替わり、穏やかな口調で教えることができました。

そして、「動きながら勉強するって、こういうことなんだ」と気づきます。

これまでは、できない問題に意識が向いていましたが、問題を解決しようとする前に、娘さんの状態を見ることができました。

そしてFさんは、「習っていたことをやれた自分に、”よっしゃ!”と思いました。」と振り返ります。

娘さんの「できた」だけではなく、 目の前のわが子を見て、自分で関わり方を選び直せた。

それもまた、Fさん自身の“小さなできた”でした。

まとめ

宿題を前に、子どもの鉛筆が止まる。

教えても進まない。

「やる」と言うのに、動かない。

そんな姿を見ていると、「どうしてやらないの?」とイライラすることもあります。

そんなときは、すぐに教え方を変えたり、何か特別なことをしたりしなくても大丈夫です。

まず一度だけ、「今、この子はできる状態かな?」と見てみてください。

やる気がないように見えても、本当は、「やりたいけれど、今はできない」のかもしれません。

「どうしてやらないの?」と声をかける前に、「今、この子はどんな状態かな?」と見る。

明日の宿題の時間に、まずはそこから始めてみませんか?

明日も素敵な 「小さなできた」に出会えますように。

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執筆者:桜井 ともこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)

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