ゲームに負けるたび「また投げる!」とヒヤヒヤ…「やめて!」を待ったら息子が自分で止まれた

ゲームで負けると怒り、物を投げる小学2年生の男の子。「やめて!」と止める代わりに「我慢できた瞬間」を伝える関わりを半年続けた結果、振り上げたゲーム機を自ら下ろせるようになりました。実例から親子の前向きな変化をご紹介します。

ゲームで負けると物を投げる

私の生徒さんのHさんには、小学2年生の息子さんがいます。

息子さんは、ゲームで負けて悔しくなると、怒ってゲーム機を投げてしまうことがありました。

小学生が怒って物を投げる姿を目の前にしたら、「今すぐ止めなくちゃ」と思いますよね。

Hさんも、そんな一人でした。

息子さんが初めてゲーム機を手にした頃は、思うように操作できないことにイライラして、ゲーム機を投げてしまうことがありました。

操作に慣れてからも、今度は「負けること」がきっかけになりました。

息子さんは負けて気持ちが大きく動くと、考えるより先に手が出てしまうことがあったのです。

ゲーム機を持つ手が上がるたびに、

「やばい、また投げる!」「壊れる!」とヒヤヒヤ。

高価なゲーム機です。

壊されたくない。

だから以前は、「やめて!」と、息子さんが投げる前にすぐ止めに入っていました。

 

「どうにかしたい」から“できた”を育てる関わりへ

どうしてうちの子は衝動を抑えられないんだろう…

Hさんが気になっていたのは、ゲーム機を投げることだけではありませんでした。

嫌なことがあると、考える前にパッと行動してしまう息子さんの姿を見ながら、

「この衝動的なところ、どうにかならないかな」と悩んでいたのです。

物を投げることはいけない。

だから、やめさせなければならない。

そう思えば思うほど、投げそうな瞬間を見つけるたびに、ママの方が先に反応してしまいます。

できた瞬間を切り取る関わりで見えた小さな希望

転機になったのは、Hさんが息子さんの衝動的な行動について、スタディコンサル(桜井ともこと受講生たちがが自ら学ぶ場所)で、ご相談されたことでした。

「やめさせる」のではなく「できた瞬間を届ける」アプローチを知り、そこで始めたのが、

「待てたね」

「今、我慢できたね」

と、できなかったことではなく、できた瞬間を見つけて伝えることでした。

それまでHさんは、「物を投げる=すぐに止めなければ」と思っていました。

けれど、発達科学コミュニケーションで子どもの脳の特性や関わり方を学び、相談しながら実践していく中で、息子さんを見る視点が少しずつ変わっていきました。

小さな瞬間を見逃さず、「今できてたよ」と息子さんに知らせていく。

それをHさんは、およそ半年間続けてきました。

すぐに目に見える大きな変化があったわけではありません。

それでも、「できた」を少しずつ積み重ねていたのです。

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「やめて!」を待ってみたら見えた息子の力  

発達科学コミュニケーションで学び、実践したことを振り返りながら、「できた」を届ける声かけを続けていたHさん。

ある日、「いつもすぐ注意するのをやめて、ちょっと待ってみよう」と試してみることにしました。

その日、パパと息子さんがゲームをしていました。

息子さんが負けたその瞬間。

ゲーム機を持った手が、スッと上に上がりました。

以前なら「やめて!」とすぐに止めていた場面です。

けれど、この日は止めずに「待つ」ことを選択しました。

すると、息子さんは振り上げた手を、自分でゆっくり下ろしたのです。

ゲーム機は投げませんでした。

「今すごいじゃん!投げようとしてたのに、自分で手を下げられたね!」

すぐに声をかけると、息子さんは「え?」と少しキョトンとした顔をしていました。

本人にとっては無意識だったかもしれません。

でも、大人が「今、我慢できたね」と言葉にすることで、「僕は自分で止まれたんだ」という成功体験が記憶に刻まれていきます。

制止されたからではなく、自分の意思で行動を止められた瞬間でした。

できなかったことを何度も注意するのではなく、できたことを何度も思い出せるようにする。

Hさんが半年間続けてきた関わりが、この日の「自分で手を下ろす」という行動になって表れたのです。

自分で止まれた息子と「待てる」に変わったママ

「僕、自分で我慢できた!」自律の力が育った子ども

「投げたい!」という衝動に呑まれそうになっても、「自分でやめる」という回路を息子さん自身が選べるようになりました 。

「叱られてやめる」のではなく「自分で気づいて行動を変える」

半年間の声かけの積み重ねが、息子さんの中にしっかりと「自分で自分をコントロールする力」として根を張っていたのです。

「止めなきゃ」の不安から解放され、親子の未来が楽しみに

「今まですぐ止めに入っていたけれど、本当はもっと我慢できていた場面があったのかも」 そう振り返るHさん自身も大きく変化しました。

不安から「やめて!」と先回りするのをやめ、子どもの力を信じて「待てるママ」へ。

最初から「待てるママ」だったわけではありません。

子どもの脳の特性を知り、関わり方を学び、実践して振り返る。

その積み重ねの中で、「止めなきゃ」だけではなかったHさん自身の関わり方の引き出しが増えていったのです。

「こうしてみたらどうかな?」と前向きに考えられる引き出しが増えたことで、子育ての不安は消え、毎日の関わりがワクワクするものへと変わっていきました。

まとめ

小学生が怒って物を投げる姿を見ると、思わず「今すぐやめさせなくちゃ!」と焦ってしまうのは当然のことです。

危険なときは安全を守ることが第一ですが、もし見守れる場面があれば、ほんの少し「待つ」時間を置いてみませんか?

その小さな「できた」の切り取りの積み重ねが、半年後、子どもが自分の力で行動を選び直す大きな力になります。

Hさん親子も、最初からうまくできていたわけではありません。

「どうしたらいいんだろう」と悩みながら、発達科学コミュニケーションで子どものことを知り、関わり方を学び、実践を重ねてきたからこそ、ママの見方が変わり、息子さんの「できた」が増えていきました。

だから、もし今、

「うちの子も変われるのかな」
「私にもできるのかな」

と思っているなら、この親子の変化をあなたとお子さんの未来にも重ねてみてください。

次に変化を手にするのは、あなたとお子さんかもしれません。

発達科学コミュニケーションで、わが子に合った関わり方を一緒に見つけてみませんか?

執筆者:桜井 ともこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)

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