帰宅後、真っ先にゲーム機に飛びつくADHD中学生
わが家の息子は発達障害グレーゾーンで、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム(ASD)、学習障害(LD)の3つの特性を持っています。
中学生活にも少しずつ慣れていき、行きしぶりは時どきあるものの、部活動にも参加して毎日頑張っています。
そんな息子は小学生のときと同じく、帰宅するとゲームを真っ先に始めます。
学校で頑張ってきたもんね、ご褒美タイムだよね、と私も今では見守ることができる母になりました。
ところが、中学校が小学校と違うのは授業の進度が速いことと課題の量が多いこと。
課題の提出状況が定期テストの成績と並んで高校受験をするときの内申書に影響します。
小学生のときと同じような勉強のやり方では対応しきれない部分も出てきます。
課題の範囲が広いので、提出日までに分けて取り組むなどの工夫も必要になってきます。
夕方帰宅してからゲームを2~3時間やり込んでしまうと、勉強時間を確保するのは当然難しくなります。
なぜなら、休息のための睡眠時間をしっかりとることは、育ち盛りの子どもには絶対必要だからです。
私の息子は家をあまり離れたがらず塾にも行きたくないので、家での勉強時間をどう確保するかにかかっています。
勉強を大事にしないといけないのはわかっているけれど、ゲームやYouTubeを見たい気持ちも抑えられない。
家での勉強時間を確保するために、どんなサポートをしてあげたらいいのか考えました。
ADHD中学生がゲームやYouTubeにのめり込みやすいワケ
発達に凸凹のある子どもは、なぜゲームやYouTubeにのめり込みやすくなるのでしょうか?
特にADHDの特性を持つ子どもが、好きなことに向かうエネルギーは凄まじく、心身ともに疲れているにも関わらず過集中になりやすいのです。
目先の楽しいことがあると、やりたくないことは先延ばしにしてしまい、集中力が長く続かない点がADHDの特徴です。
それに加え、中学生は小学生のときよりも学校で時間に追われているのをご存じでしょうか。
授業の進度は速い、副教科では教室の移動も多い。
子どもは、休み時間もほっと一息つける状態ではないのです。
また周囲の環境に合わせるのが苦手な発達凸凹のある子どもにとって、学校は苦手なことにたくさんチャレンジする必要がある場所です。
例えば静かに座っているのが苦手なADHDタイプの子も、中学生になると静かにしないといけないタイミングを理解しています。
その状況に合わせるために我慢したり常に注意を向けたりしているため、定型発達の子どもよりも疲れやすいのです。
日光や蛍光灯の光、周囲の会話など、五感で感じる刺激にとても敏感な「感覚過敏」のある子どもは、ストレスから疲労感が出やすくなります。
私たち親が思う以上に、心身ともにヘトヘトになって帰ってきているのです。
学校では自分を抑えて頑張っている分、ゲームなど好きなことにのめり込む時間は、子どもにとってエネルギー補充の時間ともいえます。
そう考えると、ADHD中学生にとって、むやみやたらにゲームやYouTubeに制限をかけるのも考えものだということがわかりますね。
やるべきことをまず先に!は、ADHD中学生には超難題
とはいえ、家での勉強にもちゃんと取り組んでほしいし、成長期なのだから睡眠時間も確保してもらいたい。
やることを終わらせてから、余った時間にゲームやYouTubeをすればいいのに…と思ってしまいませんか?
ところが、先ほども述べたように脳の特性があるため、やるべきことをまず先に終わらせることはADHD中学生には超難題なのです。
無理強いすると親子関係にヒビが入ってしまい、お母さんの声が子どもに届かなくなります。
高校受験までまだ時間的に余裕のある今こそ、子ども自身に合った方法で勉強の習慣をつけさせてあげるタイミングです。
さぁ、問題はその勉強時間をどこで確保するか、です。
勉強時間を確保するための驚きのスキマ時間とは
ここで提案したいのは、ゲームの休憩時間を勉強時間として確保する!とお母さんの考えを切り替えてしまうことです。
学校で頑張ったご褒美として、帰宅したらゲーム中心に過ごしてもOK!
その代わりに、ゲームを30分から1時間したら1回は休憩時間をとり、5分でいいので課題に取り組んでもらうのです。
なぜ5分なのか。集中力が失われやすいADHD中学生でも5分なら取り組めるからです。
ゲーム機をいったん置けた、憎まれ口を叩きながらも机に向かえたら、「これから始めるんだね」「切り替えたね~」と必ず声をかけてください。
5分間学習をトータルしたところで、中学生の勉強時間を確保したとするには短いでしょう。
初めはそれでかまいません。
5分間学習によって切り替えできたことを認めてもらえる体験を積み重ねていくと、子どもの勉強時間は少しずつ伸びていきます。
5分だけ、と始めたのに、いつの間にか苦手な教科でも30分集中して勉強できるようになっていたりするものです。
すべては最初のわずかな積み重ねから始まります。
スモールステップで、子どものできることを少しずつ増やしていきませんか?
執筆者:にしがみあやか
(New Mammyアンバサダー★★)
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