ゴミと思えるものを大量に溜め込む…と悩んでいませんか?
子どもが、周囲にはゴミと見えるものを捨てられずに大量にため込んでしまい、ため込んだものを触らせない、捨てさせないことはありませんか?
ため込んだものを片付けようとすると、激しい癇癪が起こし捨てることができず、 溜め込んだもので家の中が散らかり「我が家はゴミ屋敷になってしまうのでは…?」と心配になることはありませんか?
注意・叱責による強いストレス、不安が原因!?強迫症は二次障害?
物を過剰かつ大量に集めたり、集めた物を捨てることができない状態を「保存強迫症」といいます。
保存強迫症は、強迫性障害の一つです。
最近は、「溜め込み症」という心の症状(強迫関連障害)として独立しています。
「捨てる」「捨てない」を決定するときに、間違った判断への恐怖や、将来必要になるかもしれない不安などが「捨てること」を難しくするといわれています。
発達でこぼこの人は、強迫性障害になりやすく現れる確率は12.5%といわれています。
発達でこぼこの二次障害として強迫性障害が現れる原因には、周囲から理解されない、繰り返しの注意や叱責による強いストレス、不安の積み重ね、自己肯定感の低下が考えられます。
ゴミ屋敷になる!?溜め込んだものを触れることができない!
わが家には、小学5年生の自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの男の子がいます。
息子は、児童精神の先生より「保存強迫症」と診断されました。
最初は、テレビ番組を「見る」「見ない」に関わらず、大量にHDDに保存する行為から始まりました。
テレビの日付選択のカレンダー画面も1週間分タブレットで写真撮影し保存します。
私はそのリモコン操作につきあわされます。
その後、ひどくなっていき、 ボロボロのソファも「捨てない、とっておく」と言い張る。
壊れた洗濯竿も捨てないと言い張り、分解して、一部を保管する。
お薬の袋、ペットボトルの包装紙、焼きそば・パスタソースの袋、ドリンクの空き瓶、カップラーメンの容器、壊れた食器などなど…を大量に保存しておくようになりました。
間違って、地域のごみの日に捨てると、「取ってきて!」と大癇癪を起し、ゴミの集積所からゴミ袋を持ち帰り、探し出して息子に返すこともありました。
溜め込んだものをしまうことはなく、ピアノやタンスの上などに置いておかないといけません。
片付けたり、しまおうとすると癇癪を起すため、触ることができません。
家の中が、捨てられない物で散らかり、汚ならしく見え、落ち着きません。
それを見ているだけでイライラしていました。
「捨てよう」と言っても、「いやだ!」「ダメ!」と癇癪を起します。
テレビ番組の保存では、私のリモコン操作が悪いと怒り、理不尽に怒られているようで腹が立ちました。
捨てられない物が増えていき、「このままではゴミ屋敷になってしまうのではないか!?」と心配で、何とかしないといけないと思いました。
強迫症にも効果てきめん、基本的なおうち対応!
保存強迫症にも、発達科学コミュニケーションの対応が効果を発揮します。
保存強迫症のお子さんが、ゴミのように見えるものを保存している行動は「好ましくない行動」として、スルーしてかまいません。
子どもがこだわっていることに、お母さんはこだわらないようにします。
逆に、物を捨てたり、片付けたりする行動は「好ましい行動」としてすかさず褒めます。
例えば、 捨てようと動き始めたら「これは捨てるんだね」
少しでも捨てたら「捨てることができたね」と褒めます。
我が家では、この対応を続けることでパスタソースの袋やカップラーメンの容器などは、商品コードの部分だけを切り取り、他の部分を捨てるようになりました。
すかさず、「ここは捨てるんだね」と褒めます。
商品コードの部分だけなので、保存されている部分が小さく、少なくなっていきました。
時々「これは捨てる」と言って、保存していた物をまとめて捨てることも増えてきました。
「わぁ、捨てるんだね。〇〇君は決断力があるね~」と言って褒めます。
自信をもって「捨てる」決断力を加速させたおうち対応!
保存するものがどんどん少なくなり、捨てられるようになっていきました。
テレビ番組の保存行動は、私をつき合わせることなく、自分一人で行うようになりました。
その頃、私に1泊2日の出張があり、一晩家を不在にすることがありました。
帰宅すると「ぼく、テレビ番組の保存もやめたよ」と報告してくれました。
それを最後にすっかり保存強迫症の症状はなくなりました。
子どもが不要なものをどんどん溜め込み、捨てることも片づけることもできないでいる母さん。
溜め込む行動は「好ましくない行動」としてスルー、 少しでも物を捨てようとしたり、片付けようとした行動は「好ましい行動」としてすかさず褒める、の対応をしてみませんか?
子どもが自信をもって「捨てる」の決定ができるようになります。
子どもの「捨てる」「捨てない」の決断力が高まりますよ。
執筆者:川上陽子
(New Mammyアンバサダー★)
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