鬼ごっこで癇癪を起こしてしまうADHDタイプの脳の特性とは
自分から鬼ごっこしようと言ったのに鬼は嫌がる、つかまった瞬間に怒って泣いて動かなくなるお子さんに困っていませんか?
実はこれ、ただの「負けず嫌い」ではなく、脳の特性が関わっていることがあります。
ADHD傾向のある子どもの脳は情報を極端に「0か100」で捉えてしまう白黒思考のクセが見られやすい特徴があります。
例えば、鬼ごっこのように勝ち負けがはっきりする遊びでは
勝ち=いいこと/自分はすごい
負け=悪いこと/自分はダメ
というふうに、結果を一瞬で極端にラベルづけしてしまうのです。
大人にとっては「ただの遊び」「また次頑張ればいい」で済むことも、子どもにとっては「負け=存在そのものが否定された」くらいの強いショック になり、そのストレスが一気に怒りや癇癪につながります。

さらにADHDタイプの子は
・集中が途切れやすい
・体のコントロールが難しい
・ルール理解や切り替えに時間がかかる
といった特性から、どうしても「負ける経験」や「うまくいかない経験」が人より多く積み重なりがちです。
そのため、「また負けた」「やっぱり自分はダメだ」と感じやすく、白黒思考のクセと相まって怒りのスイッチが入りやすくなるのです。
つまり、鬼ごっこで怒るのは、ただの「負けず嫌い」だからではなく、脳の特性+負ける経験の積み重ねが背景にあるということ。
そして、苦手が多い子ほど「勝つ・できる体験」が不足しがちで、結果として癇癪に直結しやすいということがあります。
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どうして我が子だけ鬼ごっこで癇癪?と困り果てていた過去の私
息子はお友達と「鬼ごっこしよう」と遊びはじめても、タッチをされた瞬間に怒ったり、不機嫌になったりしていました。
「鬼は嫌だ」と言ったり、勝手にルールを変更したり、遊びが止まってしまうこともしょっちゅうありました。
私はそんな時、「それじゃお友達と遊べないよ?」「そんなことで怒らないで!」「タッチしたらいいだけじゃん!」こんなふうに息子をなだめていました。
だけど、なだめても息子は泣き止まず、怒り続けるのです。
仕方なく、怒る息子を抱きかかえて幼稚園から帰ることもしばしばありました。
そのたびに心の中では、「はぁ、またか」「なんでこの子は鬼ごっこすらできないの?」「こんなことで泣くなんて恥ずかしい」そう思ってしまっていました。

だけど、息子の行動には「脳のクセ」が関わっていたと知ってから、私の関わり方は大きく変わりました。
そして私の対応を変えたところ、息子も少しずつ変わっていったのです。
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鬼ごっこで癇癪を起こすADHDタイプの子への関わり方
大事なことは、子どもの中に「負けても大丈夫」と思える土台を作ることです。
そのため、まず「勝つ・できた」経験をたっぷり積み重ねることが必要です。
勝つ経験をたっぷり積ませる
・家族での鬼ごっこなら「子どもが必ず勝てるルール」にする
・勝ったら全力で一緒に喜ぶ
・大人がわざと負けて「負けても楽しい!」という姿を見せる
子どもは、親がどんなふうに勝ったり負けたりしているかを見て学びます。
親が負けても笑顔で「楽しかったね」と楽しむ姿を見せれば、「鬼ごっこは勝っても負けても楽しいものなんだ」と自然に理解できるようになります。
つまり、親の全力で楽しむ姿そのものが、子どもにとって一番のお手本になるのです。
怒ったときは気持ちを受け止める
癇癪の裏側には必ず「悔しい」「悲しい」「納得できない」などの 気持ちがあります。
子どもはその感情を自分で整理する力がまだ弱いため、うまく言葉にできず「怒る」「泣く」といった形で表現してしまうのです。
だからこそ、
・「悔しかったね」
・「捕まったのが嫌だったんだね」
と気持ちに名前をつけて返すことが大事です。
こうした声かけで「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じると、 子どもの心はスッと落ち着きやすくなります。
逆に
・「そんなことで怒らないの」
・「また次頑張ればいいじゃん」
といった声かけはNGです。
子どもの気持ちを否定してしまい、怒りが増幅してしまう原因になります。

日常の中で「できた」を肯定する
・「靴履けたね」
・「服着れたね」
・「ご飯食べてるね」
こんな小さな「できた!」を見つけて肯定していきましょう!
こうした体験の積み重ねが、「できた!」という自信 を少しずつ育てていきます。
やがて子どもは「負けても大丈夫」「また挑戦してみよう」と感じられるようになり、癇癪も減っていきます。
癇癪が減って鬼ごっこを楽しめるようになった息子の変化
私が意識したのは、家族での鬼ごっこを楽しく勝てる体験にすることでした。
なるべく勝たせたり、ルールを工夫して「できた!」と感じられるようにしたのです。
すると少しずつ、タッチされたときに怒って泣くことも減り、 泣いても気持ちを切り替えられるようになってきました。
さらに嬉しかったのは、ある日の息子の言葉です。
「ドッジボールであてられたけど怒らなかったよ!」と報告してくれたのです。
そして3回目の試合では勝てたことを誇らしげに話してくれました。
負けても諦めずに挑戦できたことがとても嬉しかったし、 その笑顔を見て、「ちょっとずつだけど、この子はちゃんと成長しているんだな」 と感じられました。
「また怒ってる」「なんでできないの?」と感じていた私も脳の特性を理解し、関わり方を変えただけで、息子は少しずつ変わっていきました。

負けて泣いてしまうのは、わがままでも弱さでもありません。
ただ「脳のクセ」がそうさせているだけなんです。
だからこそ、工夫次第で必ず「負けても大丈夫」と思える日はきます。
ママができるのは、今日の小さな一歩を一緒に喜ぶこと。
その積み重ねが、子どもの大きな成長につながります。
もしお子さんが鬼ごっこで負ける度に癇癪を起こすことに困っていたら、 勝つ経験で自信の土台を育てる、気持ちを受け止めて安心感を与える、日常の小さな肯定で「失敗しても平気」と思える力を育てる、この3つを意識して関わってみてください。
執筆者:大下せいこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)


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