「どうしてうちの子だけ?」毎日続く癇癪と、無理やり動かしていた私
年長で注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の息子は、 ほんの些細なことで癇癪を起こしていました。
帰宅途中に思い通りにいかないことがあると泣き叫び、 そのまま怒りながら家に入ります。
靴を脱ぎ散らかし、手洗いの声かけにもまったく反応しません。
もちろん自分から洗面所に向かうこともありません。
私が何度も「手を洗って」と声をかけても、息子の癇癪はさらにヒートアップしてしまいます。

洗面所まで泣き叫ぶ息子を引きずるように連れて行き、息子の手を強引に洗い、びしょびしょになる息子の袖口…
「なんで手洗いもできないの?」
という思いと、
「こんなやり方でいいのだろうか」
という迷いが、頭の中でぐるぐるしていました。
本当はこんなふうにやらせたいわけじゃないのに、 そうでもしないと終わらない毎日。
そんな対応しかできない自分が嫌になり、毎晩息子の寝顔を見ては『ごめんね』とつぶやいていました。
私は毎日のように癇癪対応に追われ、
「どうしてこんなに毎日怒るの?」
「いつになったら自分でできるの?」
そんな焦りとイライラばかりが募っていました。
良かれと思っていたその声かけ、
実は癇癪を長引かせているかも?
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正論が届かないのはなぜ?癇癪のとき、子どもの脳で起きていること
発達科学コミュニケーションを学んで知ったのは、息子は「できない子」だったのではないということでした。
脳の中が火事(癇癪)になっている時に、『手を洗いなさい!』という正しい指示を送っても、火の勢いで燃え尽きてしまい届かないんです。

まずは、消火(安心させること)が先決でした。
私はそれまで、脳の中で大火事を起こしている息子に『やるべきこと』ばかり求めてしまっていました。
だけどそれでは、手洗いの意味を理解することも、自分で動くことも難しい状態だったのです。
宿題・お風呂・寝かしつけ…
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「指示待ち人間」になる前に。年長の今、ママがブレーキを踏むべき理由
癇癪が続くと、 親はつい「やらせること」に意識が向きがちになります。
ですが、感情の脳が落ち着かなければ、子どもは理解することも考えることも難しいのです。
だからこそ、子どもが「言われないと動けない経験」を積み重ねてしまう前に、感情を落ち着かせる関わりを増やすことが大切だと知りました。
感情が安定してくると、子どもの脳は少しずつ「理解する」「考える」働きを取り戻していきます。
その土台が、子どもが自分で考えて動く力につながっていくのです。

【実践】息子が自ら洗面所へ!「肯定8割」で脳を育てる魔法のステップ
そこで私は、発達科学コミュニケーションの関わりを意識し「肯定8割・否定2割」を徹底しました。
具体的には次の2つを続けました。
①癇癪の最中に行動を正そうとしない
まずは気持ちを受け止め、感情が落ち着くことを優先しました。
②できた瞬間を逃さず具体的に伝える
できていない行動ではなく、できた行動に目を向けました。
「手洗いできたね」
「自分で靴ぬげたね」
「今、自分で動けたね」
小さな“できた”を見つけては、笑顔で言葉にしていきました。
何もしていないボーっとしている時も、「今、落ち着いて座れてるね」と実況中継するように伝えました。
特別なことをしたときだけではなく、当たり前の瞬間に光を当てるのがポイントです。
すると少しずつ癇癪が減り、穏やかな時間が増えていきました。

そしてある日、帰宅後に息子が何も言われなくても洗面所へ向かい、自分から手を洗っていたのです。
「あれ?言っていないのにできている」
その瞬間、私は気づきました。
いつの間にか息子は、自分で考えて動けるようになっていたのです。
それだけではありません。
「手を洗って」と言わなくても動く行動が、少しずつ増えていきました。
私が息子を動かそうとするのをやめ、できた行動に目を向けるようになったとき、息子の行動も少しずつ変わっていきました。
感情の脳が落ち着くと、理解する脳、考える脳が働き始めます。
癇癪が減った先に育っていたのは、「やらされる」ではなく自分で考えて動く力 でした。
子どもが「言われないと動かない」と感じるとき、つい私たちは行動を変えようとしてしまいます。
ですが、子どもが安心して落ち着ける肯定の関わりを増やしていくことで、子どもの脳は少しずつ育っていきます。
すると、やらせなくても自分で考えて動く姿が見られるようになるのです。
子どもの「できた」に目を向ける関わりが、いつの間にか子どもの“考える力”を育てていくのだと、息子が教えてくれました。
もし今、毎日「手を洗って!」「片付けて!」と叫び続けて、ヘトヘトになっているママがいたら。
一度、その「やらせなきゃ」という重たい荷物を、そっと横に置いてみませんか?
すぐには動けなくても大丈夫。
まずは、お子さんが静かに座っている「10秒間」を見つけて、「今、落ち着いて座ってるね」と、見たままを伝えてあげることから始めてみてください。
ママの温かい「肯定のシャワー」が、お子さんの脳に届き始めたとき。
いつの間にか、ガミガミ言わなくてもお子さんが自分で動き出す「奇跡のような日常」がやってきます。
年長の今、関わり方を変えることは、小学校入学という大きな門を親子で笑顔でくぐるための、最高の前祝いになりますよ。
明日からの毎日が、ため息ではなく、親子の「ニコッ」とした笑顔でいっぱいになりますように。
執筆者:西野まこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)


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