「また、この服?」同じ服ばかり着る子どもにイライラする!
お子さんに「今日はこれを着よう!」と服を勧めても、「着ない!」と言って毎日同じ服ばかりを着るのでイライラしていませんか?
わが家には、自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの小学6年生の息子がいます。
小さい頃は、私が選んだ服を着ていましたが、小学3年生くらいから、同じ服しか着なくなりました。
息子と一緒にお店に行って、本人と選んで新しい服を買ってきても、「肌触りが好きじゃない」「ピタっとした感じがいや」「タグが気になる」などと言って、結局いつも同じ服を着てしまいます。
ズボンは穴が空いても履いていることがあります。
人の目も気になるし、一緒に歩いていると恥ずかしいと思ってしまいます。
「穴が空いた服はやめようよ」「穴が開いたから処分しようか?」と言っても、
「いやだ!」「大丈夫!」と言って全く受け入れてくれません。
同じ服を着るのは皮膚感覚の過敏性、こだわりと安心感が原因
皮膚刺激を担当するエリアは感覚の脳です。
感覚の脳の発達が未熟な場合、敏感すぎる、逆に鈍感さとして現れます。
また、ASDグレーソーンのお子さんは、「いつもと同じこと」や「興味をもったもの」に強いこだわりを示し、同じ行動を繰り返しやすい特徴もあります。
ASDグレーゾーンのお子さんは不安を人一倍強く感じやすい脳をしていることから、自分を安心させるために同じ行動を繰り返すとも言われています。
皮膚感覚の過敏性や強いこだわりがあること、安心感を得るために「同じ服ばかりを着る」という行動が起きています。
服を着ることが嫌悪感にならない対応を今すぐ始めよう!
皮膚感覚の過敏性は、感覚の脳のエリアがまだ未熟な状態なので、刺激を正しく脳が受け取ることができません。
ASDグレーゾーンのお子さんは、同じ皮膚感覚を得ることで安心感を得ています。
無理に違う服を着させることは控えましょう。
嫌な皮膚刺激はむしろ脳の成長を停滞させてしまいます。
「違う服を着ることができるようにさせよう」と捉えないことがポイントです。
お子さんが、皮膚感覚で嫌悪感を感じる体験はさせない、という対応をしていきましょう。
まずはお母さんの服を着ることの価値観を和らげるところから
息子はあるメーカーの黒いTシャツと、トレパンしか履きません。
まずは、お母さん自身が「毎日違うデザインの服を着るべき」という考え方や、「着せたい」という思いを和らげましょう。
子どもがこだわっていることにこだわらないようにします。
我が家では、同じ服を着て安心感を得るならと、あえて同じ黒いTシャツとトレパンを何枚も用意しました。
トレパンは同じものでも、横のラインが白か青の2種類を用意しても着てくれました。
同じデザインの服を何枚も用意することで毎日取り変えることはできます。
どの服にするか悩む必要がないので、朝の支度は楽になります。
服選びも本人に任せることができます。
お子さんが着替え始めたら、「〇〇くん、着替えるんだ」「今日はこれにするんだね」と褒めるようにもしましょう。
穴の開いたズボンを履いていても、指摘したり注意したりすることもやめます。
そのうちに息子は、Tシャツは黒でなくても色違いなら3色くらいまで選択肢が広がりました。
旅行やおでかけでは、「旅行は新しい服で行きたい!」と言って、自分から穴が開いているズボンではなく、新しいズボンを選ぶようになりました。
お子さんが同じ服ばかりを着るので困っているお母さん、まずは「毎日違うデザインの服を着るべき」「着せたい」というご自身の価値観を和らげてみませんか?
お母さん自身のイライラもなくなり、お子さんは安心感のある皮膚刺激で脳が発達しやすくなりますよ。
執筆者:川上陽子
(New Mammyアンバサダー★)
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