ADHDタイプの子がテレビをやめられない理由とは?
「テレビの時間はもう終わりだよ」というと毎回大泣きしたり癇癪を起こす。
そしてそれにつられてイライラしてしまい、つい脅すような言葉を言ったり、怒鳴ったりしてしまうことありませんか?
実はADHD(注意欠陥多動性障害)タイプのお子さんがテレビをやめられない 背景には、いくつかの発達特性が関係しています。
1、切り替えが苦手
ADHDタイプのお子さんは、ある活動から別の活動に移るのがとても苦手です。
テレビという強い刺激に集中している最中に「やめて」と言われても 、頭の中を切り替えることが難しく、結果的に癇癪に繋がってしまう場合があります。
2、過集中
ADHDタイプのお子さんは「飽きやすい」という特性があるが、反対に、 強く興味をもったものに対しては、集中しすぎてしまうという「過集中」 になる場合があります。
3、時間感覚が育ちにくい
「あと5分ね」といっても、その5分がどれくらいなのかを実感しにくいため、 いきなり中断されたように感じてしまいます。
4、見通しを立てるのが苦手
「次に何がおきるのか」をイメージする力が弱いため、テレビをやめたあと何をするのかが分からないと、不安や癇癪に繋がります。
このようにテレビをやめられないのはただの「わがまま」や親の「しつけ不足」などではありません。
だからこそ、怒る・脅すのではなく、切り替えを助ける工夫が必要なのです。
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テレビ終わり!で毎回癇癪を起こす息子にイライラしていた過去の私
以前の私はテレビをやめれない息子に対して、 「早くテレビやめて!」 「やめないなら明日からテレビ禁止にするよ」 と脅し口調で話しかけることが多くありました。
さらに、何度言ってもテレビをやめてくれないので、常に怒ったような口調や表情で指示をしていたように思います。
そもそもやめる時間も決めずに、曖昧なまま、 ダラダラとテレビを見せてしまうことも多くありました。
なぜならば、テレビを見ている時間だけは、 子どもたちが静かに仲良くしてくれて、私も自由にその時間を使うことができたからです。
その結果、時間になってもテレビがやめられず、お風呂の時間やご飯の時間、寝る時間に間に合わない、出かける予定にも間に合わなくなってしまう、そんなことが毎日のようにありました。
このままではいけない!だから、私は発達科学コミュニケーションで声かけを学び、息子への対応を変えていきました。
すると、次第に癇癪は減り、「テレビそろそろおしまいね」の声かけでテレビをやめることもできるようになっていきました。
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癇癪を防ぐ!ADHDタイプの子がスムーズにテレビをやめられる方法
我が家で実際にやってみて効果的だった2つの工夫をご紹介します。
・見始める前に「いつ終わるか」を約束する
テレビを見始める前に「〇時までね」とあらかじめ終了時間を伝え、本人に見通しを持たせるようにします。
さらに、途中でも「あと30分、あと10分だよ」 終了が近くなったら「そろそろ終わりの時間だね」と細かく終了時間を予告していきます。
このようにあと〇分ね、と予告することで、子どもは「あと〇分テレビを見ることを許可された」と感じ、指示に従う気持ちのゆとりができます。
予告に関しては、それぞれのお子さんによって行動できる時間が違うので、様子をみながら時間を見極めて予告するようにしましょう。
・時計を2つ使って、視覚的にサポートする
ADHDタイプのお子さんは、言葉だけの説明より視覚的な情報のほうが、理解しやすい〈視覚優位〉の場合があります。
そこで、2つのアナログ時計を用意します。
1つは普通に現在の時刻を見る用として、もう一つは、終了時間になるように針を動かしてセットする用に準備しましょう。
「この2つの時計の針が同じ形になったら、テレビは終わりね」と伝えることで、目で見て「終わり」が分かるようになります。
これにより、耳から聞いて理解して行動することが苦手やお子さんにも 「テレビをやめる時間」が理解しやすくなるので「楽しいことが急に終わる」という感覚が減り、癇癪も減っていきます。
そして、テレビをやめられた時には、必ず 「テレビやめられたね!」 と、肯定の声かけをすることがポイントです。
この小さな成功体験を積み重ねることで、お子さんの自己効力感が育ち「またやってみよう」と良い行動、つまりここでは、「テレビを自分でやめられる」ようになっていきます。
テレビ終わりの癇癪が減って親子で落ち着いた毎日に
こうした工夫を続けるうちに、息子にも小さな変化が見えてきました。
ある日、私が朝の準備をするために、テレビのある部屋を離れている時の話です。
洗面所に来て、「ママ、テレビ消したよ」と、自分からテレビをやめられたと報告してきたんです。
息子は自分で時計をみて、「もう終わりの時間だな」とちゃんと理解をして、テレビをやめることができたのです。
以前は「終わり」を告げるだけで、癇癪を起こしていましたが、最近では、ほとんど癇癪を起こさず、起きたとしても、自分で気持ちを切り替えて、 次の行動に移すことができるようになってきました。
もちろん、うまくいかない日もあります。
発達グレーゾーンやADHDタイプのお子さんにとっては、「毎回同じようにできる」はハードルが高い場合もあります。
大事なことは、「やろうとしていること」「工夫して関わっていること」それ自体が、ママにしかできない立派な支援です。
「今日はダメだったけど、明日またやってみよう」そんな風に、親子で少しずつ経験値を積んでいくことが大切だと思っています。
お子さんがテレビをやめられず、毎回癇癪を起こすことに困っていたら、 ぜひ、我が家で効果のあった、時間の予告と視覚的なサポートを使ってみてくださいね。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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