ADHDタイプの子が寝起きで癇癪を起こす原因
朝、子どもを起こすと不機嫌で動かない。
「忙しいのにどうして?」とついイライラしてしまうことありませんか?
実は、これにはADHD(注意欠陥多動性障害)傾向のあるお子さんの特性が関係しているんです。
①低覚醒(ていかくせい)
脳の「目覚めスイッチ」が入りにくいことがあります。
朝起きても頭がぼーっとしていて、体も心もなかなか動き出せません。

・声をかけても反応が鈍い
・着替えや朝ご飯がなかなか進まない
・急かされると癇癪で大爆発
「怠けている」「わざとやっている」のではなく、脳の仕組みの問題なんです。
②見通しが立たないことに不安がある
「先をイメージする力」が弱めです。
「次は何をすればいいの?」「今日はどこに行くの?」がわからないと、強い不安や混乱を感じます。
・急な朝の予定変更にパニック→癇癪
・「早くして!」の声かけで混乱→癇癪
・準備が進まない悪循環に
つまり、朝の寝起きで起こる癇癪は、「性格」ではなく脳の特性が背景にあるんです。
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怒鳴って失敗したADHDタイプの子の寝起き対応
私は、子どもに「自分で起きる力=自立」を身につけて欲しいと思っていました。

だから、目覚まし時計をセットして「自分で起きようね」と伝えていました。
でも、現実はそんなにうまくいきません。
時計の音がなってもなかなか起きてこない子どもたち。
「なんで起きてこないの?」
「遅刻したらどうするの?」
「ママだって仕事があるのに」
そんな焦りと不安で、朝からイライラが爆発してしまいました。
「早く起きなさい!遅刻するよ!」と怖い顔ときつい口調で、つい怒鳴ってしまう。
もちろん、「こんなの良くない」とわかってはいました。
でも心のどこかで「起きない方が悪い」と、正当化していたのです。
けれど、怒っても子どもはますます不機嫌になるばかりで動かず、準備も進まない。
結局、行く時間ギリギリになって、私はまた「だから、言ったでしょ!」とお説教。
そんな悪循環が、毎朝繰り返されていました。
でも、脳の特性を知り声かけを学んで、 我が子は、「起きない」のではなく「起きずらい」だけだったんだと気づきました。
だから、無理やり起こすのではなく、 「どうしたら起きやすくなるか」を考え対応を変えていきました。
すると、寝起きの癇癪が徐々に減っていったのです。
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寝起きの癇癪を減らす3Sアプローチ
我が家で効果のあった寝起きの癇癪を減らす3Sアプローチについて紹介します。
子どもは言葉の内容よりも、先に表情や声のトーン〈非言語情報〉を 受け取ると言われています。
朝いちばんに、怖い顔・命令口調で声をかけると「聞きたくない」 と脳がシャットダウンしてしまいます。
反対に、笑顔・優しい口調で接すると「ママの声を聞きたい」 という気持ちになりやすくなります。

①笑顔で話しかける〈smile〉
ポイント:目線を合わせ、口角を少しあげて微笑みます。
なぜ効果的か:子どもは親の顔を一瞬で読み取り、安心か危険かを判断します。
実践例:「おはよう、今日は〇〇があるね」とにっこり笑顔で話しかけましょう。
選択肢提示時にも効果的: 「おんぶでおきる?それとも抱っこで起きる?」と子どもが喜びそうな 選択肢とともに笑顔で聞くと、選ぶこと自体が楽しい時間になり、 子どもも目覚めやすくなります。
②ゆっくり、間をとって話す〈slow〉
ポイント:一度に沢山指示をせず、短い言葉でゆっくり伝える。
なぜ効果的か:つい矢継ぎ早に話してしまいがちですが、 特に朝は子どもの脳がまだ低覚醒の状態です。
話すテンポが早いと情報が処理しきれずパニックになりがちなので、 ゆっくり間をとることがとても効果的です。
頭の中で整理する時間ができ、安心して行動に移しやすくなります。
実践例:起きたらまずテレビ見ようか〈3秒待つ〉→子どもが動いたら次の声かけをする。
選択時にも:質問のあと3秒ほど間をとって待つことで、自分で考える余白を作れます。
③優しい声色を意識する(sweet)
ポイント:語尾をやわらかく、少し低めのトーンで話しましょう。
なぜ効果的か:高くて強い声は脅威と感じやすく、低くやわらかい声は安心感を与えます。
実践例:「もう起きなさい!」を「そろそろ起きる時間だよ」に変える。
選択時にも:優しい声で「どっちがいい?」と聞くと、子どもが自分から選びやすくなります。
3Sを習慣化するコツ!
・「3Sチェックリスト」を見える場所に貼る。
朝必ず目にする洗面所や冷蔵庫などに「笑顔・ゆっくり・優しい声」を貼っておくようにしましょう。
忙しい朝でも思い出しやすく、自然に身につきます。
・1日1回「できた自分」にも声かけ
「今日は笑顔で話せた」「ゆっくり話せた」と自分を褒めるようにしましょう。
脳はその行動は良いことと覚え、次の日もやりやすくなります。
・小さくはじめて、増やしていく
最初から全部やろうとすると難しい場合もあります。
最初は「笑顔だけ」「声だけ」など一つに絞ってОKです。
できるようになったら次をプラスして3Sを完成させていきましょう。
こんなふうに「なんで起きないの?」とイライラするのではなく、「どうしたら起きられるか」という視点で工夫したら 、子どもたちの癇癪はぐっと減り、笑顔で過ごせる朝の時間が増えました。
癇癪なし!イライラなし!で動き出せるようになった親子の朝
3Sを意識して、少しずつ関わり方を変えていったことで、 以前は毎朝のように「早くしなさい!」「もう怒るよ!」と怒鳴っていた私が 、気づけば、声を荒げる回数がぐんと減りました。
子どもたちも、寝起きで癇癪を起こすことが減り、 スムーズに起きられるようになりました。
さらに、自分から準備に取り掛かれる日が増えたんです。
朝が穏やかに始まると、親子の気持ちも全然違います。
私自身も「また怒ってしまった」と自己嫌悪で落ち込むことが減り、 子ども達も「自分でできた」という小さな自信を持てるようになりました。
結果的に、ただ「寝起きがスムーズになった」だけでなく、 親子の関係そのものも変わってきたと感じています。
もし、あなたのお子さんの寝起きが毎朝バトルのようになっているならば 今日ご紹介した3Sアプローチのうち、まずは一つ実践してみてください。
ちょっとした関わりの工夫が、きっと「朝が笑顔で始まる」という大きな変化に繋がります。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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